2019年1月13日 サンデーモーニング(後編)

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サンデーモーニング、2019年1月13日分の検証報告(後編)です。

今回の報告では、
韓国文大統領の会見について報道された部分
辺野古の県民投票について報道された部分
以上2点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを2つに分け、前後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
韓国文大統領の会見について報道された部分における
検証3「松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」

ならびに、
辺野古の県民投票について報道された部分
となります。

では、さっそく①の検証3をみてみましょう。

3、氏の発言に、視聴者に誤った印象を与えかねない内容が含まれている
松原氏は今回の報道で、以下のように述べています。

松原氏(抜粋):これを見るとあまり出口が見えないですよね。会見を全文読んでみたんですけど、日本のあの、ハプニング的に当ててしまったというか質問されてしまった部分を除くとですね、もうすべてが悪い経済と進まない北朝鮮だけと言ってもいいくらいの会見なんですね。つまりそれだけもう、相当厳しいわけですよね。国内的には。と同時に、先ほど秀征さんがおっしゃった問題でいうとですね、徴用工の問題でいま朴槿恵さんの政権時代に徴用工の判決を遅らせようとしてたんじゃないかという。働きかけて、司法にですね、政権が。つまりそれを追及してるわけですよ。文在寅さん。文在寅さん人権派弁護士でしたから。そこをじゃあ自分たちが手を突っ込むわけにはいかない。彼らと同じようにと。という理屈があるみたいですね。だからそういう余裕もなくて、秀征さんが言ったような、国際問題で考える余裕があんまりないんだと思うんですよね。レーダー照射の問題をみても、あれ相当韓国の説明は無理がありますけれども、日本のビデオの出し方みたいなもの、つまりトップダウンで出したみたいなことに対しても相当反発を強めてるっていうこと。実務者よりも、目加田さんがおっしゃったように、政治家同士がかなり熱くなってるという感じがするんで、ぜひ出口を見つけるためにはやっぱり、対極に立ってね、政治家が頭を冷やすことしかないんじゃないんでしょうかね。

要旨をまとめると、
・会見内容はほとんど経済と北朝鮮の話だった、つまり国内問題が相当厳しいということ
・朴槿恵政権時代に徴用工判決を遅らせたことを元人権派弁護士の文在寅大統領は追及したいが、朴槿恵政権のように手出しはできないというジレンマがある
・国内問題が手一杯なので、国際社会の目線で物事を考えられていない
・レーダー照射問題は安倍首相のトップダウンで動画を出したので反発が強い。日韓の政治家は冷静になるべき

というものです。

しかしながら、
・国内問題の事情が国際社会のアクターとしての韓国の責務を放棄するわけではない、したがって韓国の支離滅裂な対応を正当化するものではない。韓国側に異常に肩入れした見解と言わざるを得ない。
・安倍首相のトップダウンで動画が出されたわけではない、防衛省が正当な対処をしているだけ
・FCレーダー照射は重大な敵対行為であるため、徹底的に対応するのが国際常識に照らし合わせても一般的
などという、発言の趣旨とは異なる事実や見解が存在します。

以上のことから、今回の報道での松原氏の発言は事実にそぐわないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2項「政治的に公平であること」、ならびに同第3項「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

続いて、
②辺野古の県民投票について報道された部分
となります。では、放送内容を見ていきましょう。

【VTR要約】
・埋め立ての賛否を問う県民投票をめぐり一部自治体が不参加を表明したが、玉城知事は予定通り実施すると表明
・石垣市の中山市長は、投票を行ってどのような結果が出たとしても何も変わらないとして不参加を表明
・不参加表明をしたのはこれで4市で、態度留保の自治体も含めると有権者の3割が不参加となる

——-
【コメンテーターの発言】
目加田説子氏:はい。どうもこの件で、沖縄の弁護士会が昨日声明を発表してるんですけれども、その中で投票できる県民とできない県民が出てきてしまうということは、やっぱり法の下の平等の見地からも不合理であるということを指摘してるんですけれども本当その通りだと思うんですよね。県民投票の権利というのは全件で保障されるべきだというふうに思います。それから、もう一点、首相が、サンゴは埋め立てについて移設しているってことをおっしゃったじゃないですか。で、この件についてその後それは、埋め立てしているところについては移していないということが明らかになった。これ生放送ではないのにNHKの中で編集されることなく、あるいは字幕などで訂正されることなくそのまま流されたんですよね。で、やっぱりその本来、もし自分たちの番組の中で政治家が間違った発言をしたのであれば、それはやはり検証して裏付けを取るなどして、指摘するという責任があると思うんですよね。それをしないと、いつまでもその後も安倍さんをずっと守ってるというふうに捉えかねないので。はい、それはもうちょっときちんと検証して報道してほしいなと思いました。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。

1、目加田氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、目加田氏の発言に、視聴者に誤った印象を与えかねない内容が含まれている
目加田氏は今回の報道で、以下のように述べています。

目加田氏(抜粋):どうもこの件で、沖縄の弁護士会が昨日声明を発表してるんですけれども、その中で投票できる県民とできない県民が出てきてしまうということは、やっぱり法の下の平等の見地からも不合理であるということを指摘してるんですけれども本当その通りだと思うんですよね。県民投票の権利というのは全件で保障されるべきだというふうに思います。(以下略)

要旨をまとめると、
・沖縄の弁護士会曰く「県民投票に参加できる県民とそうでない県民が出ることは法の下の平等に反する」という指摘がある
・県民投票の権利は保障されるべき
というものです。

しかしながら、
・住民投票で法的に効力があるのは
1)国会が特定の地方自治体にのみ適応される特別法を制定する場合(日本国憲法95条)
 2)議会の解散(地方自治法第5章第2節)
 3)議員の利殖(同上)
 4)首長の解職(同上)
 の4種類のみで、今回の県民投票はあくまで県独自の条例であり、したがってその参加や結果に法的拘束力を持つものではない(総務省見解)
・したがって、全県民が投票する義務を有するわけではないし、その環境が保障されるべきとは言えない

以上のことから、今回の報道での目加田氏の発言は事実にそぐわないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3項「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「沖縄の辺野古問題に県全体が投票すべきだ」「辺野古移設は沖縄の声を聴くべき」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「安全保障は国単位の問題だ」「普天間に基地が残り続けることの方が問題だ」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

①韓国文大統領の会見について報道された部分
については、前編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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