2019年3月26日 グッド!モーニング

2019年3月26日 グッド!モーニング

テレビ朝日「グッド!モーニング」2019年3月26日放送回の検証報告です。

今回の報告では、
・麻生大臣「札幌は奥地」に野党批判
以上、1点に関して報道された部分の検証を行います。

番組では、桜田大臣による誤認発言に関する報道に続く形で麻生大臣の発言が取り上げられていました。以下が実際に報道された内容になります。

————————————————————————————————–

※桜田大臣の発言陳謝を受ける形で

福田成美アナウンサー
「また、麻生大臣は北海道新幹線の札幌延伸を巡る質疑の中で、札幌市を『奥地』と表現する場面がありました。」

【VTR】
麻生太郎大臣
「その、新幹線事業というのは、まぁやっぱり函館じゃなくて。北海道の場合はもう『奥地』の札幌の方が『奥地』じゃないんですよね。『ようこそ奥地から』と今でも函館の人は言うよね。たしかに札幌の人に向かって。」

※『奥地』の札幌、という言葉のテロップは赤字で強調

徳永エリ参院議員(国民民主党)
「麻生大臣、いま『奥地』と言いう風に仰いましたけれども、北海道の人『奥地』とは言っておりません。あまり『奥地』という言葉は使わないと思います。あまり適切ではないかも知れません。」

【VTR終わり】

福田成美アナウンサー
「麻生大臣はこの後、発言について触れることはありませんでした。」

————————————————————————————————–

以上が報道内容になります。
今回の報道で、我々が問題と考えたのは次の点です。

・番組構成および演出に視聴者への印象操作の疑いがある点

まず1点目の「番組構成に視聴者への印象操作の疑いがある点」ですが、これは麻生大臣の「札幌は奥地」という発言が、桜田大臣による発言撤回騒動と並列に報道されているという部分に大きな問題があります。

3月24日、桜田大臣は地元の集会で、東日本大震災の直後、東北自動車道などが通行止めになったにもかかわらず、「健全に動いていた」などと発言しました。これを受けて25日の国会では、自身の発言について、「正確さを欠いており、申し訳なく思っている」と陳謝していたのです。

この一件では、桜田大臣本人が不正確な言葉であったと認めています。しかしながら、麻生大臣による「札幌は奥地」発言とは全く系統の異なるものです。

そもそも、「奥地」という言葉は「道南より北を指す言葉」として道南方言集にも収められています。また、麻生大臣の発言趣旨は、かつては奥地と呼ばれる街であったが、今では発展して奥地ではなくなっているというものです。そこに差別的な意味は込められていません。

それにも関わらず、正確性に欠ける桜田大臣の発言と同列に扱うことは、さも麻生大臣の発言も正確性に欠けると、視聴者に誤った印象を与えかねません。加えて、番組演出にも視聴者への印象操作の疑いが見受けられました。

VTR中、麻生大臣の発言がテロップとして表示されていました。その中で、「『奥地』の札幌」という部分などが赤字でわざと強調されていました。もちろん、こうしたテロップの強調は番組演出上、合理的なものと考えられます。しかし、今回のような発言自体が不適切かどうか分からない問題に対してまで過剰な演出を行うことには問題性があると思われます。
特に、桜田大臣の発言陳謝を受ける形での報道ですから、このような演出は視聴者へ誤解を生む恐れがあります・

以上が今回の検証内容となります。
今回の「グッド!モーニング」の報道は、放送法4条(3)「報道は事実をまげないですること」に違反する可能性があり、視聴者への印象操作が疑われます。

今後とも、公平公正な放送の実現のため、当会は監視を続けて参ります。

その他 特別レポート等カテゴリの最新記事