グッディ、2018年12月12日放送回の検証報告です。
今回の報告では、
・韓国の客の店員に対するパワハラ問題について報道された部分
以上1点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
最初に検証するのは、韓国の客の店員に対するパワハラ問題について報道された部分となります。
では、さっそく放送内容をみていきましょう。
【VTR】
韓国内で店員にキレる客が多く社会問題化しており、政府が対応に乗り出しているものの依然として問題が残っているといった内容。
【VTR終】
VTRが終わると、コメンテーターがそれぞれ意見を述べました。
安藤優子アナウンサー(以下、安藤):「まだもう、クレーマー行為というのは日本でも起きてるわけじゃないですか。でもああやって公衆の面前でものすごい勢いでキレるっていう、そこまでまだ行ってないのかなって感じが、するんですけどねえ」
高橋克実アナウンサー(以下、高橋)「ほんとに、マクドナルドなんかで、やっぱりものすごく早く出てくるじゃないですか。でも、どうやったらこんなに早く出てくるのかくらい、僕は思うんですけれど、待たされたって言ったって結局自分の勘違いだったりこのー、するわけじゃないですか。
安藤「虫の居所が悪いのか、なんなのかわからないですけど、」
高橋「で、しかも割といい、年齢の人ですよね、みんな見てると、マクドナルドも、これからスマイル有料になりますよ。」
安藤「ははは。どうやって来るのか、こういうふうなクレームの付け方が、見ていきたいと思います。」
広瀬修一アナウンサー(以下、広瀬)「はい、この、クレームとしてちょっと度が過ぎるなということが相次いでいるということで、韓国の社会でも大きな問題になっているわけなんですね。
そして、決定的に動いたことそれははついに国家が動きました。クレーム対策としての法律、というものが誕生したんですよ。これは、顧客から従業員を守るための法律ということなんです。これ企業が積極的に従業員を守りましょうよと、いう趣旨のものです。こういった産業安全保健法というもので客の暴言や暴力から従業員を守らなかった事業主には罰金が科される。日本円で100万円のものだということですね。他にも義務づけられることががこの事業主というのは暴言などをしないように客に要請する必要があるということ、例えば、掲示板あるいは音声案内の措置が必要。グッディ、1部VTRのなかでで今ありましたけどもあの問題が遭ったマクドナルドに、一般のお客さんでもかけられる窓口に電話をしたところこんな音声がありました。お聞きください。」
[映像が入る]
広瀬:「ということであの、暴言、暴行などをしないでくださいというアナウンスが、電話の冒頭に流れて、で、それ以降に、通常のアナウンス、配達注文サービスはオンラインでもご利用できますよとのことで、電話をしたときに最初にこれ言われちゃったら。びっくりしますよね。」
安藤:「聞いたことないですよね、こんなの。生稲さん経営されたりしてますからこんなアナウンス流せませんよね普通の感覚だとなかなか」
生稲:「韓国だとこういう法律だけど、逆効果にならないかなってって思うんですよね。暴言とか吐かないで、なんて最初にいうふうに言われちゃったらお客さんの方もなんだよって余計にこう感情がね・・・なんかこうなってしまうんじゃないかなと」
安藤:「確かに、こうやってお客は暴言を吐くものっていう前提のもとにって感じもしますもんね」
広瀬:「施行されたばっかりなのでここらへん模索してるかもしれませんけれども、どうですか、ここまで法律を作ってまでやらないとだめだって韓国の社会、風間さんちょっと怖いなあって気もするかと思うんですがいかがですかね」
風間:「あのやはり、事業主にこの従業員を守るための措置をとらせるには、なにかしらのこういう法令での、そのー、義務化みたいなものがないと、VTRに出てきたようにクレームを・・・激しいクレームをするお客さんにどうしても押し切られちゃったりっていうそういう例は絶対なくならないと思うので」
安藤:「でも例えばさっきの化粧品売り場で激怒する人なんてもう頭を叩いたりしてたじゃないですか、店員さんの。そういう法整備があったとしても、あの現場をじゃあどうやって事業主は従業員を守ることができるんですか」
風間:「基本的にはその従業員が、そのそういう場合にはそういうふうにやりなさいっていうマニュアルベースでそのー対応すること、だって、あの宝飾店ではあの、決まってることをお客さんに、その、説明したら、きれたお客さんが本部に電話かけて、特例で対応しなさいって言われちゃってなんだって、お前らの対応はなってないってなるわけじゃないですか」
安藤:「これでその結果土下座しなさいって言われた」
風間:「はいだからそういうものがの発生しないようにというような措置っていうのもやはり取らないとだめじゃないかなと」
アナウンサー:「はい。あのこういう店員を守るという声っていうのは市民の中でも広がっていまして、あの、今回パワハラ客に対して国民の声、上がっていまして韓国の大統領ホームページにこれ請願掲示板にあげられたんですけれども。ナッツ姫のような大企業関係者だけでなく一般人も構成に処罰すべきだというような声であったり、アルバイトは暴言を浴びせられても笑顔で対応する奴隷ではないんだと、お客様は神様だというような言葉は過去の言葉なんだというふうにいった声が上がっていて各メディアもこういった声をあげて報じているという状況なんですね。実態としてどうなのかというと2013年の韓国政府の調査によると接客業などに従事する労働者に対するアンケート、81.1%かなり多くの人が顧客から侮辱を受けたことがあるとしてるんですが、ただ一方でじゃあ企業がどう動いていたかというと被害に遭った労働者に休憩などを提供した割合23%非常に少なく、そしてカウンセリングや病院治療などによる保護措置をとったのはほぼゼロだということでやはりこれまで会社は救済に消極的だという姿勢があります」
安藤:「そうですね、会社に守ってくださいというのは当たり前としても、お客さんの方にこんなことでいちいち暴言吐かないでくださいっていうほうが先なんじゃないかなっていう気がするんですけど」
竹山隆範(以下、竹山):「長年ずっとあったんじゃないですか韓国社会では長年結構わって行ったりするのが結構前から」
安藤:「お客様は神様だから、お金払ってるのはこっちだからっていう」
竹山:「ずっとあったんだけどやっぱり時代とともに度が過ぎたらおかしいってなって一個一個見てるとマックのやつだって物投げた段階で暴力じゃないですか化粧品は完全に暴力でしょ、宝石屋さんとかゆすりに近いあれじゃないですか。これ法で罰せられるよっていうのがあやふやになってたんですかね。もしかしたらですよ。」
安藤:「だからクレームをつけたほうがやっぱり罰せられるっていうのを強化したほうがいんじゃないかと。正当じゃない不当な、行き過ぎたクレームは罰せられるようにしたほうが効果的かなと思うんですが。」
広瀬:「今後、そのような動きになっていくかと思うんですが。こういったパワハラはかつてからあったかもしれない。ただ、これが大きく報じられるようになったものの1つにVTRなどの動画もあるんですが。そのほかにも、2014年前代未聞の事件が発生したということ。これが大きなきっかけになっていると。皆さん覚えていらっしゃると思います。大韓航空ナッツリターン事件。当時、副社長だったナッツ姫が機内でナッツの出され方に怒って、CAに対して激怒して航空機をリターンさせたというこのことがありました。同じ会社内のことではあるんですが。財閥の横暴が、このあとも次々と明らかになったということで一般の人たちはこのクレームというものに対して敏感になっていきます。そして、2015年にもある横暴に世間が注目したことがありました。これは駐車場のスタッフを土下座させて暴行したという事件です。百貨店の駐車場で、買い物客に対して係員が注意したんですがその方法に激怒して駐車した係員をひざまずかせて暴行したという。
ここで、一度また財閥系の人じゃないかという声が上がって、またセレブかと。この百貨店の創業者一族なんでしょという声がナッツ姫のことがあったので上がったんですが…。」
安藤:「従業員の人を暴行しているからもしかしたら、創業者一族なんじゃないのという声が上がったわけだ。」
広瀬:「前年のナッツ姫の事もあったので。ただ、しかし、実はよくよく調べると一般人だった。だから、財閥だけでなく一般人の暴行というのも次々と明らかになっていて。いやいや、私たちずっと文句を言っていたけれども私たち一般人もこういう問題を起こしているんじゃないかということがだいぶ広まってきているんですね。」
安藤:「だったら、やっぱりどうなんですかね風間さん。企業が従業員を守るという方向性よりも一般人のクレームもちゃんと厳しく取り締まったほうがいいんじゃないのっていう感じもするんですけどね。」
風間:「もちろんそうなんですけど個々の一般人の行為をどういうふうに法的に取り締まるのかというのはなかなか難しい面があると思うんですよ。今はもちろん防犯カメラとかあとあと証拠に使えるようなものが以前よりもずっとあるようになりましたから。それは違うのかもしれませんけれども、やはり企業が労働者を、従業員を守ってあげないことには企業側は、きちんとしたクレーム対応というのができないという発想で法制度を整えたんじゃないかなと思います。」
安藤:「あと世の中がとげとげしていてなんでもかんでもクレームつけるという風潮も出てきているしインターネットやSNS上でこういうものが一気に拡散するとそういうのが増殖していく感があるというのもありますよね。」
生稲:「企業は一生懸命社員の方を守っているところもいっぱいあると思うんですけど。
それでもクレームを言う方っていらっしゃるじゃないですか。そこら辺はどうしたらいいんだろう。また会社側としたらどうしたらいいのかなというのもわからないですよね。」
安藤:「中にはまっとうなもちろん然るべき、納得のいくクレームもあるとは思うんですが今日皆様にお伝えしました韓国の例に限ってはあまりにも行き過ぎているという感じは致します。」
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは次の2点です。
フリップ内のアンケートや事案に時期的ズレがある点
韓国のみを取り上げており韓国人全体がそうであるかのような報道がされている点
それぞれ順を追って説明します。
1、フリップ内のアンケートに時期的ズレがある点
①アナウンサーの「実態としてどうなのかというと2013年の韓国政府の調査によると接客業などに従事する労働者に対するアンケート、81.1%かなり多くの人が顧客から侮辱を受けたことがあるとしてるんですが、ただ一方でじゃあ企業がどう動いていたかというと被害に遭った労働者に休憩などを提供した割合23%非常に少なく、そしてカウンセリングや病院治療などによる保護措置をとったのはほぼゼロ」という発言にあるように「実態として」と現状の問題であるかのようにフリップを用いてアンケートを掲示していますが、そのアンケートは2013年のものであり古く、現状においてどれ位の人が被害を受けているのか、また現状でも企業側のケアがないのかが不明であるにも関わらず、2013年から変わっていないかのような報道がされていました。
2.韓国のみを取り上げており韓国人全体がそうであるかのような報道がされている点
①一貫して韓国の問題のみを取り上げている。
韓国以外の国については言及せず、また韓国の社会問題として取り上げられたことで韓国人全体がそういった傾向にあるかのような報道がされています。
②韓国人が一般が長年に渡ってパワハラ傾向にあったかのように報道されている。
竹山「長年ずっとあったんじゃないですか韓国社会では長年結構わって行ったりするのが結構前から」
安藤「お客様は神様だから、お金払ってるのはこっちだからっていう」というやり取りがあり、長年に渡って客による店員へのパワハラが行われていたという資料は無いにも関わらず、韓国内において長年に渡ってそういった行為が横行していたという誤解を与えかねません。
以上が今回の報告となります。
視聴者への印象を誘導する恐れのある偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。