2019年4月2日 ひるおび!

2019年4月2日 ひるおび!

ひるおび!、2019年4月2日放送回の検証報告です。

今回の報告では、新元号発表時の取材陣に対する電波妨害の疑いについて報じた報道について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

最初に検証するのは、○○について報道された部分となります。
では、さっそく放送内容をみていきましょう。

司会:恵俊彰 氏
アシスタント:福江愛 アナウンサー
コメンテーター:
田崎史郎 氏
遊佐勝美 氏
大谷昭宏 氏

② 新元号発表当日の取材陣に対する電波妨害の疑いについて
0:37~ 『“新元号流出”に厳重警戒 官邸の徹底した情報管理』
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【アナウンサーによるパネル説明】(要約)
・当日、TBSは取材記者約100人の態勢で臨んだ。
・周辺で携帯電話がつながりにくい状態になり、電波妨害を疑う声が上がった。
《パネルの台詞》
遊佐氏:官邸内で電波がつながらなくなるのは「初めて」(黄字で強調)のこと
田崎氏:マスコミの過熱放送を避けるためでは……
三上氏(ITジャーナリスト):電波の妨害装置を使い圏外にしたのでは。例えば、1つの装置で10m四方を電波妨害できるので、必要に応じて装置を設置したのかも。

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【コメンテーターの発言】(全文書き起こし)
恵氏:たたでさえ有識者懇談会の皆さんも、はい携帯電話預かりますみたいな、それで部屋に入られてずっと打ち合わせする、そのあと11時41分まで官房長官が発表するまでずっと総理官邸の中にいてくださいねという缶詰状態だったというふうに伝えられているわけじゃないですか。それに輪をかけて、何か持っている人がいるかもしれないから、そこももうつながらないようにしたんじゃないかと、遊佐さん、そういう話ですよね。

遊佐氏:全閣僚が協議するのが閣僚応接室というところなんですけども。4階ですね。閣僚応接室の方に私ども記者が入ったりすると、入り口の近くにいくと、携帯電話が通じなくなると。ほかのまわりの人30人くらいもいたんですけど、全部の記者が携帯つながりにくくなると。

恵氏:(パネルを差しながら)皆さん、ここ(閣僚応接室の手前)まで入れるんですよね。

遊佐氏:その手前まで入れて、その閣僚応接室のちょうど数m手前くらいまで近くに行くと携帯電話通じなくなると、それでほかの周りの人30人くらいも全員通じなくなると、すると電波妨害か何かあるんじゃないの、というそういう時はありましたね。

恵氏:よくあるじゃないですか。たくさんの人が集まるところワールドカップなんかの時に皆さんが一気に使うとアクセスが集中してそのあたりだけ使えなくなると聞いたことはありますけど。

遊佐氏:ただね、入り口から数m遠ざかるとまた使えるようになるっていうことなんで。

大谷氏:今回5m離れたら使えるようになったと、だからその範囲は電波が来ないですと。それとやっぱりかなり盗聴を恐れたと、だからヘアピン1本見逃さないと、どんなものが入ったって全部チェックしてやるという感じだったんですね。

田崎氏:だからこれくらい管理されたんで。僕らにとって最悪なのは、現場から情報が上がってきて、それが間違ってたってのが最悪なんですよ。次に最悪なのがほかの社に抜かれること。だれもけが人いないなら(電波妨害が仮にあったとしても)納得できる。

恵氏:この日は一日そういうことが行われていたのかもしれませんよね。
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以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは次の点です。

今回官邸で電波妨害が行われたのではないかという報道でしたが、そもそもの話として証拠がなく、報道するには多少不確かな内容を含んでいます。

また、報道でもあったように、政府は有識者懇談会で携帯電話を預かったように、情報の統制という面ではかなり気を使って様々に対策しており、このような電波妨害が行われる可能性があるとしても、実際にそれが行われたかどうかについては議論を必要とし、決して情報が漏れてはならないという政府の立場と、正確な情報を素早く国民に届けたいメディアの立場とを明確にすべきです。

しかしながら、今回の報道では余りにもそれが不十分であり、特に、

田崎氏:だからこれくらい管理されたんで。僕らにとって最悪なのは、現場から情報が上がってきて、それが間違ってたってのが最悪なんですよ。次に最悪なのがほかの社に抜かれること。だれもけが人いないなら(電波妨害が仮にあったとしても)納得できる。

この田崎氏の言葉は管理に対しての政府の立場をおざなりにし、メディアの側からの身勝手な立場を表明したにすぎません。また、それとは違う立場のコメントもありませんでした。
これが放送法第4条「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反している可能性があります。

以上が今回の報告となります。
今回の放送では
(第4項違反なら)一定の立場に偏った内容だけを報道した恐れがあります。これは、視聴者への印象を誘導する恐れのある偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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