2019年4月19日 ひるおび!

2019年4月19日 ひるおび!

ひるおび!、2019年4月19日放送回の検証報告です。

今回の報告では、萩生田議員の消費税増税延期発言ついて検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
では、さっそく放送内容をみていきましょう。

司会:恵俊彰 氏
アシスタント:福江愛 アナウンサー
コメンテーター:
田崎史郎 氏
伊藤惇夫 氏
竹内薫 氏
八代英輝氏

① 萩生田氏の消費税増税延期発言について
11:56~ 『「消費税増税延期あり得る」首相側近の発言で波紋』

【VTR】(要約)
◎萩生田幹事長代行の発言(18日のネット番組)
・「景気の動向を示す日銀短観の6月の結果次第で消費税率引き上げの延期あり得る」
・増税延期の場合「信を問うことになる」→解散・総選挙の見通しを示す

◎各界の反応
・自民党:ベテラン議員「安部さんが言わせてる。観測気球だ」
・野党:福山哲郎幹事長(立憲民主党)「アベノミクスの破綻が見えてきた」
・経済界:三村明夫会頭(日本商工会議所)「景気の若干のぶれであきらめるのは信じられない」
・識者:伊藤惇夫(政治アナリスト)
「安部首相なり政権なりの思いを忖度してしゃべった。あともう一つは、世論の動向を見極めるため」
——-

【コメンテーターの発言】(一部要約)
(フリップの説明)萩生田幹事長代行
「(増税)をやりますと言い続けた前提は景気が非常に回復傾向にあってだったんですけど、ここに来て日銀短観を含めてちょっと落ちてますよね。だから次の6月をよく見なければいけないと思うんです」
「この先危ないぞというところが見えてきたら崖に向かってみんなを連れていくわけにはいかないのでそこはまた『違う展開』(赤字で強調)はあると思います」
「(増税を)やめるとなれば、国民の皆さんの了解を得なければならないから『信を問う』(赤字で強調)ということになりますよね」→解散総選挙?

(VTRにて)菅官房長官
「萩生田幹事長代行の発言の詳細は承知していないが、リーマンショック級の出来事が起こらない限り、法律で定めたとおり本年10月に10%に引き上げる予定である」

恵氏:リーマンショック級の出来事があったら見送ることはある。でも今のところそんな様子はない。田崎さんそういうことでしょう。

田崎氏:そうです。萩生田さんは日銀の短観の話を例に出しているんですけども、政府は日銀短観を消費税見送りの基準にはしていないわけですよ。あくまでリーマンショック級の出来事が起こればそういうことはあり得ますよって言ってる。萩生田さんは日銀短観が悪くなればあり得るって言うので理由付けが違うんですよ。

(フリップの説明)日銀「短観」とは
・日本銀行が全国の企業約1万社に最近の景気について聞く調査
・企業経営者に、経営状態が『良い』『さほど良くない』『悪い』を3択で聞き、『良い』と答えた企業の割合から『悪い』と答えた企業の割合を引いた数字。
・2019年3月の短観は大企業が7ポイント、中小企業が8ポイント下落で、6年3ヶ月ぶりの下落であり第2次安部内閣発足後最大の下げ幅

伊藤氏:これ(短観)気分なんですよね。企業の経営者のみなさんのね。調子いいかな、悪いかなっていう気分で選択するわけですから、これをベースにして消費税増税の上げ下げを判断するっていうのはちょっと違うんじゃないのかなって感じはしますよね。GDPの伸び率だとかさまざまなら具体的な数字があるわけですから、そういう数字に基づいて判断するならまだわかるんだけど。

——
0:20~『萩生田氏「消費税増税延期も」経済界から強い反発』

(フリップの説明)三村明夫会頭(日本商工会議所)
「消費税の問題については短期の若干の経済の変動でこれを云々するというのは私はちょっと間違いだと思う」

伊藤氏:商工会議所のメンバーというのは中小企業で構成されていますから、増税ってものすごく負担何ですね。でも決まった以上はしょうがないからみんな苦労しながら準備をしている。例えばレジスタを変えるとかですね。もう動き出してるのに今さらなんだ、という話だと思う。
——-

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは次の点です。
まず、消費税増税に関しては賛成、反対含め、多くの意見があるために、結局のところ様々な意見を必要とします。荻生田氏の発言に対しても、否定的な意見だけでなく、様々な意見が出るべきです。
しかしながら、放送内容を見る通り、擁護意見はありませんでした。田崎氏や伊藤氏も、消費税増税に異を唱えていますが、それに代わる擁護意見は見当たりませんでした。
また、増税については消費が落ち込む等、デメリットが多かったのですが、最後の伊藤氏の発言のように、消費税増税についての準備が進んでいることは述べていますが、実際に延期になって好意的な反応を示す側の意見というのは発見されませんでした。

このような内容は第3項、「報道は事実を曲げないですること」と、第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反している可能性があります。

視聴者への印象を誘導する恐れのある偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

その他 特別レポート等カテゴリの最新記事