2019年5月3日 ひるおび!

2019年5月3日 ひるおび!

ひるおび、2019年5月3 日放送回の検証報告です。

今回の報告では、女性・女系の皇位継承問題について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

最初に検証するのは、○○について報道された部分となります。
では、さっそく放送内容をみていきましょう。

司会:恵俊彰 氏
アシスタント:日比麻音子 アナウンサー
コメンテーター
三田寛子 氏
八代英輝 氏
牧島博子 氏 (TBS解説・専門記者室長)
近藤幸也 氏 (『女性自身』皇室担当記者)

<女性・女系の皇位継承問題>
1:28~ 『“男系男子”に限る 皇位継承問題』
【コメンテーターの発言】(全文書き起こし)
恵氏:こちら(皇室の系図)をご覧頂こうと思うんですけれども、40歳以下の皇族っていうのが今囲ってありますけれども、7人いらっしゃるそうですが7人中女性が6人だそうです。ですから男性は悠仁さまだけということになります。年齢的にも若い人たちがまず少ないということ、それから女性が多いということ。近藤さん、これが課題と。

近藤氏:そうですね。女性皇族の方はご結婚により皇室を離れて一般の方になられます。一般の方になられるとご公務も担われないようになります。ゆくゆく、まあもう本当に近い将来ですね。悠仁さまお一人になってしまわれる可能性もあるわけですね。そうなると今、ご公務数が増えているものが悠仁さまお一人、悠仁さまのご家族だけになると、本当に少ない数しか担うことができない。それだけ皇室と国民のつながりが薄くなっていくということなんですね。

恵氏:成年皇族も40歳以下また20歳以上ということを考えますと、眞子さまも佳子さまもいろいろご公務参加されることもありますけれども、これご結婚されて一般の方とってことになりますと、皇族じゃなくなるということですから、例えばですけど眞子さまや佳子さまがされてたご公務を誰がやられるのかって話もなるんですよね。

三田氏:時代と共に本当にお二人がおっしゃられるように早くいろいろ議論して進めていかないと、もう一刻もね、日にちが経っていくわけですからね。

恵氏:時間がないという気がしますが、海外の反応なんかもあるんですよね。

日比アナ:メディアも皇室制度に言及しています。例えば、アメリカのニューヨークタイムズは「女性皇族の低い地位。これは日本の社会において女性が直面している困難の一例だ」さらにCNNのニュースは「剣璽等承継の儀について、参列できるのは皇位継承権のある成人の男性だけ。女性としては、ただ一人片山さつき議員の姿があった」またアメリカのワシントンポストです。「皇室は13人を占める女性が誰一人天皇になる道はない」さらにイギリスのBBCニュースは「男性の後継者がいなくなっていることが問題だ」と伝えています。

恵氏:皇室典範で定められている、八代さん、男系男子という事ですもんね。

八代氏:そうですね。女性天皇ということに関しては、新聞のデータアンケートなどを見てもかなりの方が受け入れる、または受け入れたいというふうに思っているようですけども、これが女系となると、やはり万世一系という、世界にない天皇制度の根幹に関わってきますので、やっぱり国民的議論というものが必要になってくると思うんですよね。

恵氏:ちょっと話し合ったこともあるんですよね。

日比アナ:そうなんです。それが2005年のことです。小泉政権の時のことでした。小泉氏は男系継承の維持は極めて困難と結論づけ、偶然性に左右される制度は安定的なものとはいえないとして女性の天皇や、父方が天皇の血筋ではない女系天皇を容認するように提言したんですが、一方で保守系の議員からは強い反対の声もありました。それが平沼氏からの意見だったんですが、「万世一系の男系は125代続いていて大事にしないといけない。40年50年の知識の中で変えるべきではない」こういった意見もあったんですね。しかしこの議論がされている中で2005年紀子様のご懐妊が分かりました。ということで今回この時には通常国会への典範改正案提出を見送ったということがあります。ちなみに現在の安倍政権はこの議論に消極的であるということもわかっています。

恵氏:牧村さんこのあたりいろいろなご意見があると思いますが。

牧村氏:そうですね。2つの問題があると思うんです。つまり皇統の継続っていうことで男性のみという
その問題が一つと、皇室全体で数が少なくなっているので公務をどうするのかという問題、というのはたぶんちょっと性質の違う事柄の問題だと思うんですよ。つまり男性のみしか天皇になれないということは女性の宮家を増やしたとしても解決できる問題ではないわけじゃないですか。ですからこの2つの問題について今後どういうふうに私たち国民が考えていくのかっていうことだと思うんですね。やはり悠仁さま、常陸宮さまもいらっしゃいますけどご高齢ですし、秋篠宮さまは天皇陛下と極めてお年が近いですよね。ですからその中で本当次の世の代ということを考えると悠仁さまのみということで、その議論をかなり早くからしておかないと、はっと気づいた時には女性皇族の皆様がすべて外に出られてしまって誰もいらっしゃらない可能性もゼロと言えないですよね。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは次の点です。
まず今回の女性天皇と女系天皇については、知っておかなくてはならない問題があります。

日比アナ
「偶然性に左右される制度は安定的なものとはいえないとして女性の天皇や、父方が天皇の血筋ではない女系天皇を容認するように」

とあるように、女性天皇と女系天皇という言葉には意味の違いがあります。
女性天皇というのは文字通り女性の天皇のことですが、女系天皇というのは母方のみが皇室の血を引いている天皇のことです。男性の女系天皇というのもありえるわけです。そして今回問題となっているのは女系天皇を認めるか否かであり、女性かどうかは論点とはなっていません。

今回の報道では、この点において視聴者に間違った情報を伝えかねない、もしくは視聴者を混乱させかねない内容がありました。

まず、上の違いについて、明確な説明がありません。言葉としてはすごく難しい違いであるのですが、上の日比アナの一瞬の説明だけで、フリップ等にも説明はありませんでした。また八代氏は二つを対比させていますが、両者の違いには触れていません。言葉として誤解を生みかねないものである以上、きちんと説明が加えられるべきでした。

次に、牧村氏の発言が更に誤解を生みかねない発言をしています。牧村氏は女性天皇と女系天皇を混ぜて持論を展開しており、より視聴者に誤解を招きかねません。またそれについて訂正もありませんでした。

最後に、海外メディアの反応を取り上げていますが、これも統一感が一切ありません。女性皇族と女系皇族も混ざっている上に、そのせいでポイントのずれた男女差別の問題とつなげているようにも見えます。確かに今回の問題では、男性の血筋を重要視していることも問題の一つであり、男女差別の問題も含まれています。また、女性皇族が婚姻により皇族でなくなることで、公務を行えなくなることによる人手不足の問題も事実としてあります。しかしながらそれは上記の通り、女性が天皇になれるかどうかの問題ではありません。無意味に男女差別の問題と繋げるべきではないでしょう。

以上の内容は第3項「事実と異なる内容を報道した」第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に抵触する可能性があります。

以上が今回の報告となります。今回の放送では事実と異なる内容を報道し、一定の立場に偏った内容だけを報道した恐れがあります。これは、視聴者への印象を誘導する恐れのある偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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