2018年12月12日 プライムニュース イブニング

2018年12月12日 プライムニュース イブニング

プライムニュース イブニング、2018年12月12日放送回の検証報告です。

今回の報告では、河野太郎外務大臣の発言について報道された部分について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

では、さっそく放送内容をみていきましょう。

倉田大誠アナウンサー:さて、今日のはてなは河野外務大臣の発言について。昨日、北方領土問題について記者から質問を受けたんですが、それを無視する形で「次の質問どうぞ」と発言しました。で、続いての質問についても「次の質問どうぞ」。3回目も同じ。更に4回目も同じ言葉。こういった言葉、「次の質問どうぞ」を繰り返して波紋が広がっているんです。なぜ、河野大臣はこういった態度をとったんでしょうか。

【VTR】(街頭インタビュー)
60代女性:どうして~?≪編集=カット≫あり得ない。
50代女性:ちょっと、こう、もう少し言い方が…
【VTR終】

ナレーション:街からも疑問の声が上がった河野大臣の会見。北方領土について記者から問われた際に…。

【VTR】(外相会見)
河野外相:次の質問どうぞ。
【VTR終】

ナレーション:質問を無視し何も答えず。 そのあとの質問に対しても…。

【VTR】(外相会見)
河野外相:次の質問どうぞ。
河野外相:次の質問どうぞ。
河野外相:次の質問どうぞ。
【VTR終】

ナレーション:繰り返すこと4回。ここまでの対応は異例です。

【VTR】(街頭インタビュー)
40代女性①:何か…そうする深い理由があったのかなと思いますけど…。
40代女性②:答えられないこともあるとは思うんですけど、不器用なんだなと思います。
【VTR終】

ナレーション:そこで今日は…北方領土の質問。何故繰り返し無視?

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは次の3点です。

1、河野外相の発言について、重要な情報が欠如している点
2、街頭インタビューについて、事実を歪曲した可能性のある編集が見受けられる点
3、街頭インタビューについて、回答者の立場が偏っている点

それぞれ順を追って解説します。

1、河野外相の発言について、重要な情報が欠如している点

VTRでは、河野外相の記者会見映像のうち「次の質問どうぞ」という発言のみカットされ「4回連続で発言した」として放送されています。

しかしながら、これでは発言の前後の文脈が全く伝えられておらず、各発言が如何なる趣旨・タイミングで発せられたかは不明です。

従って、この放送内容は放送法第2章第4条第3項「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、街頭インタビューについて、事実を歪曲した可能性のある編集が見受けられる点

二つのVTRに跨って「街からの疑問の声」として放送された街頭インタビュー。このインタビュー映像には幾つかの問題があります。

まず、インタビューにおける質問の内容が明示されていない事です。いずれの回答者のVTRを観ても、インタビュアーがどのように質問したかが見受けられず、何をもって・何に対してされた回答かが不明です。

また、回答者の発言の一部のみがカット・編集されている事も注目すべき問題です。特に街頭インタビュー序盤に出演している【60代女性】の回答については、異なる二つの発言映像をあたかも一度の発言かのように編集で繋げられて放送されています。

以上のことから、この放送内容は放送法第2章第4条第3項「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

3、街頭インタビューについて、回答者の立場が偏っている点

「街からの疑問の声」として放送された街頭インタビューは、いずれも東京・銀座で収録されたものとの表記で、上記のとおり40代~60代の女性のみの回答が放送されています。

これでは、男性の意見が一人も取り上げられていないばかりか、若い世代の意見もまったく取り上げられておりません。しかしながら、VTRではあたかも街全体の意見かのように放送されています。

よって、この放送内容は放送法第2章第4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が今回の報告となります。今回の放送では事実と異なる内容を報道、ならびに一定の立場に偏った内容だけを報道した恐れがあります。これは、視聴者への印象を誘導する恐れのある偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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