2019年3月11日 ひるおび!

2019年3月11日 ひるおび!

【大阪府知事選、市長選】
TBSテレビ「ひるおび」2019年3月11日放送回の検証報告です。

今回の報告では、
・大阪府知事選、市長選に関して背景の説明が不十分である点。
以上、1点について検証を行い、その問題点を探ります。

はじめに、今回の報道内容をお伝えいたします。

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※敬称略

恵俊彰
「さあ今日のテーマは大阪の選挙と自民党内の動きの関係ですね。お客様です。」

江藤愛
「政治ジャーナリストの伊藤惇夫さん。流通経済大学教授の龍崎孝さんです。」

恵俊彰
「今年はまあ、統一地方選挙あるんですけれども。こちらちょっとごらん頂きましょう。
大阪はどうやら入れ替えダブル選挙となりそうだということです。えー今月の8日金曜日ですね。松井さん、それから吉村さんですけど、辞職願を提出して入れ替えダブル選挙ということになりました。府知事選が告示日が3月21日。投開票が4月7日。投開票は市長選も一緒なんですが、市長選は告示日が3月24日ということになります。で、昨日このニュースになりました。俳優の辰巳琢郎さんへ、大阪府知事線への出馬要請があったというような報道がありました。辰巳さんです。皆さんお馴染みだとは思いますが。」

江藤愛
「辰巳琢郎さん。京都大学ご出身で、出身が大阪市でいらっしゃるんですね。ですので、大阪に愛着があるというふうにも、御本人おっしゃっていました。このように、近畿大学の教授や、広島経済大学の特別客員教授などを務めているそうです。」

恵俊彰
「なんかイメージ的にはね三雲さん、なんかクイズ番組でも必ずクイズに正解なさる方っていう。」

三雲孝江
「政治的な経験が全く無い中で受けるっていうのは中々、自分でもね受け止めにくいところは有るでしょうね。話題にはなるけど。」

恵俊彰
「でも多くの方が、辰巳さんなら知事、そんなに違和感あるわけでもない感じもするんです。で昨日の午後六時頃に取材に応じまして、辰巳さんが「やっぱり今回はちょっと受けられません」っていうのをおっしゃった。これちょっと映像でご覧頂きましょう。
【VTR】
辰巳琢郎
「まあ正直、この騒動というかこの人図にもびっくりしてます、本当にね。大阪愛は人一倍持ってると思いますけど。だからと言って、選挙に出てどうするのというのは、それとはまた別の話だと思いますし。自分の仕事でも無いとは思っていますし。」

【スタジオ】
恵俊彰
「ということで、お話があったこと、お認めになりました。『えー正直この騒動というか、この人数にもびっくりしています。』とあります。この時間帯にこれだけの人が集まるんだと、それだけ注目されているんだということだと思いますが。『大阪愛は人一倍持ってると思います。だからといって、選挙に出てどうするというね。また別の話だと思いますし、自分の仕事でも無いと思っています。』ということなんですが、要するにお断りになったということなんですが、伊藤さん。自民党にとってはショックなんじゃないかなと。」

伊藤惇夫
「これかなりショックでしょうね。あのー、お話の中であの、家族の反対ということが出ていましたけど、私も候補者のリクルート現場でやったことあるんですが。一番最後にネックになるのは家族の反対なんですよ。本人がその気になってても、例えば奥さんなり旦那さんなりが選挙出るんだったら離婚します。って言われるともうそれで終わりなんですね。ですからあのずっと流れ見てると、本人はかなり前向きだったんじゃないのかなあと。そうでなければここまでの報道にならないし、それから二階さんがわざわざね、直接会うっていうのもそれなりに好感触だったから、そういうセットがされたんじゃないかなって気がするんですね。だとする、やっぱり最後の壁があったのかな、そんな気もしますけどね。」

恵俊彰
「これは、出てたら勝てました。」

伊藤惇夫
「かなりいい勝負になると思うんですが、僕あの昨日から大阪行ってたんですが。大阪人は基本的にはインテリあんまり好きじゃないって言ってました。」

恵俊彰
「でも地元の方じゃないですか。」

伊藤惇夫
「地元の方なんですが、非常に知的なイメージがありますから。どうかなっていうようなことを言ってた人はいますね。」

恵俊彰
「龍崎さんですけど。『辰巳さん以上に勝てる候補はいないんだけど・・・』」

龍崎孝
「ものすごい短期決戦ですよね。」

恵俊彰
「だって4月7日ですもん。もう来月ですよ。あと一ヶ月ないですよもう。」

龍崎孝
「ですからこの、現職の二人に比べると、その名前を超える人って中々思いつかない。そういう中で言えば、言い方あれかもしれないですけ学歴も含めてですね。つまり、推せるものはたくさんあるわけですから。ですから、今パッと考える上では最高の候補。」

【CM】

【スタジオ】
恵俊彰
「さあ、大阪府知事選なんですけれども。投開票が4月7日。もう一ヶ月を切っているわけなんですが、自民党が辰巳琢郎さんに打診した。でも断られたというニュースです。さっき、伊藤さんの解説の中で出てきましたけど、辰巳さん口説いたのが、実はこの方だというお話なんですね。めくりますね。二階さんがどうやら動いたという情報が入ってまいりました。『大阪を元気にしなければいけない、期待している』『光栄です』しかしまあ決めきれない様子でしたというのが昨日の時事通信のニュースにありました。二階さんが動いてるってどういうことなんだろう。ここに注目しようと思うんですが、大阪です。ざっくり説明しますが、出直すならクロスですよということで入れ替わって、4月7日投開票です。そうすると4年また任期ということになりますね、新たなね。その間にやりたいのは大阪都構想だと思うんですけれども。それに関して、クロスに関してなんですけど。二階さんはこんなことおっしゃりました。これ映像でご覧頂きましょう。」

【VTR】
二階俊博
「遠慮なく言わせてもらえば、いささか思い上がってるんじゃないですか。次の選挙も当選できるからという自身ね、それを持って、そんなことするっていうのはね、適当ではないんじゃないですか。もっと謙虚にやってくださいよって要望したいですね。」

【スタジオ】
恵俊彰
「という発言がございました。今ご覧頂いたように、『いささか思い上がっているんじゃないですか』と二階さんおっしゃってる。ところがですね、官邸はどういう思いかといいますと。これ出直すならクロスということに関して、朝日新聞これこういう風に伝えてるんですが。クロス選を伝達したそうですね、やっぱいきますね私達と。入れ替わって選挙しますよということに関しては、これ表現難しいですね、実際どうなのかわかりませんが、容認という表現になっています。別に怒ってるわけではない。でも自民党の幹事長は怒っている。ここがどうなってるのという感じなんですが。このことに関して、田崎さん、伊藤さん、龍崎さんに伺います。今日お越しになっていませんが、田崎さんは、『自民党大阪府連が辰巳氏を説得していたがあと一歩のところでの感触だった。そこで二階さんに最後のひと押しをお願いした。』だから本気で勝ちに行くと、そういう感じがします。さあ伊藤さんですけど。『自民党の幹事長が直接口説くのはこれ異例なんですよ』と。これ異例なんですか。」

伊藤惇夫
「まあ普通の候補者の場合は選対委員長なり選対の幹部なりっていうのが口説きますよね。必ずしも全く無いってことではないんですけど、よほどの大物候補の場合は幹事長なり、総裁総理が直接口説くケースもあります。」

恵俊彰
「なるほど。とこれ見てると、やっぱり維新というのは、自民党にとっても憲法改正も含めてですね非常に必要な存在なのかもしれません。でも、いやいやいや本気で叩きにいきますよ。だとしたら、ここちょっとどういう感じなんだろうっていうのが気になるんですが。龍崎さんは、二階さんは公明党との友好関係をとるか、憲法改正に必要な維新を取るか二者択一だった。これどういうことです。

龍崎孝
「安倍政権ということで考えれば、それは維新との関係を維持していくことが憲法改正にとっては必要ですね。しかし、そうしますと、今回維新と公明党がこじれた結果こういう選挙になってきているわけです。もしこの松井さん、吉村さんを応援するとなれば、容認するということになれば、公明党はメンツ丸つぶれということになるんですね。選挙を司る幹事長としては、公明党と一緒に選挙やるということは、国政上ものすごい重要ですから。二階さんとしては公明党のほうが大事だ。ここは選挙に打って出る。ていう風に考えた。」

恵俊彰
「そうやってみると形式としては、こことここが意見が違うように見えるんですが、その裏には一体何があるのかってことに今日迫りましょうかね。杉山君お願いします。」

杉山真也
「人物相関図、更には関係図、思惑がかなり複雑に入り組んでいますので、ひとつずつ見ていきます。まずは維新が目指している大阪都構想というのはどういうものなのか、改めて見ていきます。東京都と東京23区。これに倣って大阪府と大阪市ここを目指していこうというものが非常に目指すべきところです。大阪市をなくして、東京23区のように特別区に再編する。大都市制度改革のことをいいます。これまでは、大阪府、大阪市で二重に仕事がかぶっているところがあった。この二重の行政の無駄を省きましょうよというのが改革のポイントです。ですので、もしこの大阪都構想になったら、大阪府としてはインフラ整備など広域行政、大阪府に一元します。」

恵俊彰
「だから例えば、図書館が2つあったりとか、水道局が2つあったりとか。そういうのを全部一つにしていきましょうということですね、単純に言えばね。そっちの方がいいじゃないという。」

杉山真也
「そして、特別区というのが出来たら、こちらには福祉や教育など身近な行政をお願いしようと。仕事を分けましょうよといった改革です。実現するためにはこういったことが必要です。まずは大阪府知事、大阪市長 大阪府議、大阪市議で作る法定協議会で区割りを盛り込んだ制度案を作らなければいけません。続いて大阪府議会、大阪市議会の両方で制度案を承認しなければならない。過半数が必要です。で過半数を取ったら3番に行きます。大阪市民を対象にした住民投票。2015年の5月の時には上の1、2をクリアしました。この時には公明党が協力をしてくれました、住民投票してもいいですよと。容認があって、3番の住民投票をしましたが、票差にして一万票ぐらいでしょうか。僅差、僅差で反対が多くて結果としては否決をされたわけです。これによって橋下徹、当時の大阪市長は政界を引退することになりました 。」

恵俊彰
「知事、市長、府議、市議ではうまくいき、それからそれぞれの議会も過半数を突破して、あと住民投票ってとこまでは行けたわけですもんね。今回もだからそこまで行きたいわけですよね。」

伊藤惇夫
「まあそうなんでしょうけども、ただあの2015年の住民投票で、一応1万票差とは言え否決されてるわけですね。ここで住民の意思は、大阪都構想に関しては明確に出ているわけです。その後大きく中身で事情が変わったのかと言うと、変わってないんですね。それをもう一回やろうっていうのは一体何なのかなという感じはします。」

杉山真也
「そして今回です。今回はどういうステップなのか。2017年の4月です。維新と公明が住民投票の実施を確約する合意書を水面下で交わしていたようです。しかし今月7日、一番の段階、法定協議会で公明が維新の提案を拒否しました。そんなに早期にやらなくてもいいんじゃないのという話で、一番で既に公明党が『今回協力するのは・・・』といった姿勢を見せた。これによって、住民投票まで進めないじゃないかと。ただ松井知事としては死んでも死にきれない、もう一度民意を聞きたいとして、一旦府知事市長をそれぞれ辞職して入れ替えてダブル選挙をするという方法をとりました。これに関して伊藤さんこういう風に話をしています。『ロシアのプーチン大統領とメドベージェフ首相みたいである。府知事や市長を簡単に変えていいのか疑問である。』龍崎さんは、『大阪維新の会のエゴの様に感じる人が多いのではないでしょうか』と。」

恵俊彰
「3つステップがあるとしたら、1から躓いちゃうから、1で躓くのは嫌だから、入れ替えでダブルでという。」

伊藤惇夫
「そうですね。ただあのちょっとロシアのマネしたのかなと思うんですけど。あの、単純に考えて、府知事や大阪市長、大都市大阪の市長。そんなに簡単、はいじゃあ交代しましょうってやるほど軽いポジションなのかなっていうのが非常に素朴な感じがあるし。そもそもあのお二人とも維新で、ふたりとも非常に意思疎通は出来てるわけですから、大阪都構想云々じゃなくても、行政の二重化、二重行政を解消していく方法っていくらでもあったと思うんですね。それがじゃあ今まで進んでいるのかというと、どうも見てるとそれほど進んでいない。で、僕、昨日から大阪に居たんですけど。大阪都構想に関心持ってますかって聞いたんですけど、僕が聞いた範囲では一人も関心持ってないって言ったんですよ。もう興味ないと。それほど、全部が全部民意じゃないでしょうか、僕が聞いてる範囲ではほとんど関心持っていないですね。そういう問題にここまで大騒ぎする必要があるのかなってちょっと考えてしまいますね。」

龍崎孝
「これ彼ら一丁目一番地といって、まさに根本のところにあるわけですけれども。それだからこそ、まず議会を説得して、議会の多数賛成を得て、そして最後住民投票に諮ると。ちゃんと手続きがあるわけですよね。これいきなり住民投票に行くようなものですよね。これある意味ルール無視、うまくいかないからまあ破れかぶれになって、選挙やるという、そういう形に映ってしまう。そうすると一丁目一番地を大事にするあまり、ルールを無視するという風にも見えなくもない。」

八代英輝(要約)
「法定協議会の経過を見ると、公明党が時間延ばしをしたように見える。議会で二重行政の解消の議論が進めばそれがいいが、中々うまくいかないのも実情。確かに先の住民投票の争点を覚えている人は少ないかもしれないが、都構想を二択でもう一度問うたときに、今の現状を問題だと思っている人は多くいるだろう。都構想は、大阪府をよくしたいという思い出やっているということは、府民の半数近くは理解しているのでは。決して、もう一回やることが、けしからんということではないと思う。」

三雲孝江(要約)
「どれだけ正当性が伝わるのか、どれだけの人が協力してくれるのか、そうした読みがどこまで出来てるのか。誰も協力してくれなければ難しいのでは。」

中略(府議会、市議会の議席比率を見て維新だけでは、議会を通すことは難しいことを確認。)

荻原次晴(要約)
「先ほど府民の関心が低いという話があった。私の友人は先の住民投票では賛成に入れた。差は一万票くらい。もっと本気で大阪の人たちが考えたり、若い人たちにも無駄を省こうという関心が高ければ可決していたんではないかと、私の友人は言っていた。」
恵俊彰(要約)
「伊藤さんも言っていたが、他の手段についても議論すべき。都構想だけではない。」

伊藤敦夫(要約)
「公明党は折衷案みたいな案も出している。」

(中略 今年は統一地方選、参議院選挙があり、自民党と公明党が協力をしなければいけない。先の衆議院選挙で、維新と公明は選挙協力をしたが、今回維新は公明党に裏切られた形となった。公明党と維新が都構想で協力するのは難しいと話す。)

恵俊彰
「となると維新と自民党の関係なんですが。」

【アナウンサーによるパネル説明】
・入れ替え選挙に、維新と近い菅官房長官も困惑。
・安倍政権と大阪府、市は大阪万博やサミットで協力をしてきた。
・松井府知事が、人気までに大阪都構想にめどがつかなければ退任する意向をみせる。
・それに対して、菅官房長官は身勝手であると反応。

【コメンテーターによるそれに対する反応】
伊藤惇夫(要約)
・安倍さんと菅さんでは、維新に対する距離感が違う。菅さんと松井さんの関係が非常に深い。
・安倍さんはこれまで参加していた年末の食事会に参加しなかった。その理由は2つ。
1:安倍さんは、去年の総裁選で大阪都構想に反対した。
2:安倍さんが、維新の存在理由に引き始めた。憲法改正の可能性を難しいと感じ始めたのでは。
・安倍さんは二階幹事長と菅官房長官の対立構造にならないように、少し引いている。

龍崎孝(要約)
・維新との協力は公明党への牽制になり、政権運営の安定化に寄与する。そのために、大阪の万博などに協力してきた。
・菅さんからすれば、大阪都構想の優先度はそんなに高くない。
・今回の件で、菅さんと松井さんの間に大きな溝は出来ていない。
・二階さんは怒っている。二階さんは、安倍政権も大事だが、今後続く自民党政権が大切。維新と協力して公明党との関係を薄めるのか。どっちが大事なのか考えている。

恵俊彰(要約)
・安倍さんからすれば、悲願の憲法改正のためには維新の力が必要。
・二階さんからすれば、今後の自民党のことを考えれば、維新より、公明党との関係のほうが大事である。

伊藤淳史
・二階さんは関西の議員だから、維新を苦々しく思っている。
・大阪には、二階派の議員が多いことも関係あるだろう。
・維新なんてどうでもよくて、次の参議院選挙で勝つことが大切。

(中略 自民党が推す、対抗馬について。)

恵俊彰
「どんな候補が出てくるのでしょうか。伊藤さん、龍崎さんありがとうございました。」

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以上が報道内容になります。
当会が調査を行い問題性があると考えたのは以下の点です。

・大阪都構想に関わる問題が、自民党の政局を中心報道がされていた点です。

報道の初めに触れたのは、話題性のある俳優の辰巳琢郎氏が自民党から出馬を要請され、それを断ったということについてでした。お昼のワイドショーですから、ある程度は仕方がないのかもしれませんが、問題の本質を捉え、報道をする姿勢とはあまりにかけ離れていると言わざるを得ません。またそれに関連して、大阪の人はインテリが嫌いであると決めつけるなど、自身の持つ印象に基づく発言もあり、公共の電波を利用した放送であることに対する自覚は感じられませんでした。

その後、自民党の二階幹事長が「いささか思い上がっているんではないか。」と発言するVTRが流され、クロス選挙を行う側ではなく、それを受ける側に着目した観点から報道が始まりました。その後は終始、自民党を中心とした議論が交わされました。

報道の中盤になって、大阪都構想に関するパネルを用いた説明が入ります。しかし、ここまで、松井大阪府知事や吉村大阪市長の発言には全く触れません。パネルでの説明後、コメンテーターが、今回のクロス選挙を、ロシアのプーチン大統領とメドベージェフ首相のタンデム体制になぞらえて批判をしました。しかし、今回の報道で一見して擁護されているようにも感じられる自民党も似たようなことをやっています。郵政解散です。参議院で郵政関連法案を否決された当時の小泉首相は、衆議院を解散しました。参議院での否決は、直接衆議院の解散につながるようには思えませんが、それを容認する意見もあります。それを考えると、今回のクロス選も全く意味のないものであるとは言えないでしょう。

またコメンテーターは、「私が知り合いに聞いた限りでは大阪都構想に興味を持っている人はいない。」などと憶測に基づく発言ををして、なんの根拠もなく大阪都構想への興味は薄いという印象をつけています。一方で、法定協議会の過程などに言及するコメンテーターがいますから、その差に驚くばかりです。ほかにも、若者の関心が高ければ可決していたかもしれないという趣旨の発言をしたコメンテーターもいました。ここでも現実に即していない発言が見られます。都構想の住民投票において、若者は賛成率が高く、逆に高齢者は反対の割合が高かったというのは有名な話です。こうした基本的な知識もなく、公共の電波を利用して意見を発表しているのは驚くべきことであると思います。

その後も、終始統一地方選や夏の参議院選挙に関する政局の話に終始し、問題の本質である、都構想や維新の会の反応に関してはほとんど触れられませんでした。

こうした点も含め報道全体を通して、放送法 4 条(2)政治的に公平であること(3)報道は事実をまげないですること に違反している可能性があります。特に、問題の本質を捉えず、印象や憶測に基づく発言を繰り返すことは悪質と言わざるを得ません。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けてまいります。

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