2019年5月15日 ひるおび!

2019年5月15日 ひるおび!

ひるおび、2019年5月15日放送回の検証報告です。

今回の報告では、自民党失言防止マニュアルについて報道された部分について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

最初に検証するのは、○○について報道された部分となります。
では、さっそく放送内容をみていきましょう。

司会:恵俊彰 氏
コメンテーター:
八代英輝 氏
田中里沙 氏
立川志らく 氏

<自民党失言防止マニュアル>
10:49~ 『自民党“失言防止マニュアル”』
【VTR】(要約)
・自民党が失言や誤解を防ぐにはと題した失言防止マニュアルを作成し党内に配布していた。
[以下失言一覧]
“歴史認識政治信条に関する個人的見解”
麻生副総理「いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒットラーはやっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよそれじゃあ」

“事故や災害に関し配慮に欠ける発言”
今村雅弘復興大臣「これはまだ東北でですね。あっちのほうだったから良かった。これがもっと首都圏に近かったりすると莫大なですね、甚大な被害であったというふうに思っております」

桜田義孝前オリンピックパラリンピック担当大臣「復興以上に大切なのは高橋さん(議員)でございますのでよろしくお願い致します」

“気心知れた身内と話すようなわかりやすくウケも狙える雑談口調の表現”
塚田一郎前国土交通副大臣「私すごく物分かりがいいんです。すぐ忖度します。」(本州と九州を結ぶ道路事業で安倍総理と麻生副総理の意向を忖度したと発言)

【フリップの説明】(要約)
・丸山議員の「戦争しないと」失言について毎日新聞の記事“議員の劣化止まらず”
・自民党失言防止マニュアルの概要
「発言は切り取られる」「強めのワードには注意」として具体例を挙げる。
1. 歴史認識や政治信条に関する個人的見解
2.ジェンダー、LGBTについての個人的見解→杉田議員「LGBTは生産性がない」
3.事故や災害に関し配慮に欠ける発言→今村復興相(当時)「これはまだ東北でですね。あっちだったからよかった」
4.病気や老いに関する発言→麻生外相(当時)「アルツハイマーの人でもこれぐらいわかる」
5.身内と話すようなウケも狙える雑談口調の表現→塚田国交副大臣(当時)「私はものわかりがいいんです。すぐ忖度する」

・マニュアルが出されたにも関わらず、5月14日の会合で桜田前五輪相が「私のようにならない政治家を育てていただきたい。反面教師にしてください」「評判が悪いからあいさつはしないと言ったが、自民党議員の出席が少ないから選ばれた」と発言。

【コメンテーターの発言】(全文書き起こし)
恵氏:八代さん。この番組でもたびたび言ってきたようなことですよね。

八代氏:そうですね。今上げている中で唯一、一番下の国交副大臣の「私は物分かりがいい」の部分は辞職の理由になるわけじゃなくて、それ以外の中身の部分だったわけですけども。やはり切り取られる部分があるっていうのは政治家の言い訳かなというふうに思いますね。ですから切り取られた部分に本音が乗ってしまうということが多々あるので、気を付けて下さいということだと思います。今までは先生だからこんなことをあえて今さらということだったと思いますけど、あまりに多いですから。政治家に対する信頼自身が揺らいでいる中ですから、これ(マニュアル)別に部外秘にする必要ないと思うんですけども。

恵氏:ですよね。田中さんどう思いますか。

田中氏:こういうテクニックを身に付けても、有権者にはバレバレですよっていうのを知ってもらいたいかなと思います。メディアが発言切り取るのって当たり前のことで、やっぱり一番重要なところとかポイントを強調するわけですよね。でもその時に変なことを言ってしまって切り取られた場合に、自分のせいではなくてメディアのせいだと思ってしまう、その考え自体が全く間違っていて、やっぱりまずこういうことを学ぶ前に政治家としての信条は大丈夫かとか、姿勢はいいのか、ちゃんとできているのかっていうことを自問自答してから臨んでもらいたいと切に願います。

恵氏:全部聞いてもらえばわかるんですよみたいなののかよく聞きますもんね。師匠どうですか。

立川氏:メディアもちょっといやらしい切り取り方する場合もあるけど、まぁ普通はこういう間抜けな失言を言っちゃうのは、そういう資質のある人は私のような芸人になるんですよ、本来は。こういうことを言わない人が政治家になるべきなのに今逆になっている。私の方がちゃんと空気読んでやってるくらいだもの。こんなこと絶対言わないですよ、アルツハイマーの人でも分かりますとかね。あと私を反面教師になんて、お前、お前って言ったら申し訳ないけど、これ失言なんだけど政治家だってお前なんて言ったらいけないんだけど、思わず言いたくなっちゃう。私は反面教師って言うぐらいなら直しなさいよ、反省してね。他の人が反面教師にって言うなら分かるけど自分で、それをギャグだと思ってるあたりも情けないしね。こんなの別に読まなくたって、たぶんみんな読まないですよ。読んだって理解できない。なんか自分たちがいじめられてるとぐらい思ってるきっと。それを選んじゃったのも有権者なんだけどね。ちゃんと見る目を持たないと。

恵氏:そういうことですね。そっちに返ってきますよね

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは次の点です。

今回の報道では、自民党が作成し、議員に配布した「失言防止マニュアル」についての報道でした。失言があいつぐ自民党で、参院選を前に、党内の引き締めを図る目的があると推定されています。

その内容ですが、メディアは文字数や放送時間の制約から発言を切り取る傾向にあるため、発言に注意するとともに、特に問題になりやすい話題については発言に気をつけるように注意喚起を促すといったものでした。

確かに、このようなマニュアルを読んだ上での発言を有権者が果たして飲み込めるのか、これで上部を隠したような政治家が果たして本心から国民の生活をよくしていけるのかといった問題は存在し、コメンテーターがそれぞれ発言したような意見は当然に理解することができます。

しかしながら、これまでメディアが前後の文脈を報道することなく切り取った発言を報道することによって、発言の内容に含まれる問題が大きくなったり、場合によっては歪曲されてきた実例は多々あります。

政治家とて人間であり、様々な意見や考え方を持つことは当然に認められるはずです。公の立場で繰り返しそれを発言する彼らにとって、多少なりとも受け取り方によっては失言と取られかねない発言をすることはあるでしょう。

ところが、実際に報道された時に、発言から様々に類推され、より評価を下げるような形で編集され、世論を誘導するような報道が過去にあった、もしくはあったのではないかと疑われるような意見もあってしかるべきです。

それにも関わらず、一方的にメディアには非がなく、マニュアルに対して批判を繰り返す今回の報道は放送法第4条第4項、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に反する可能性があります。

今回は、一定の立場に偏った内容だけを報道した恐れがあり、視聴者への印象を誘導する恐れのある偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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