今回検証するのは、
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー(9/11放送回)」にて、
「安倍政権の内閣改造による日韓関係への影響」について報道された部分
となります。
では、さっそく放送内容をみてみましょう。
【VTR要約】
今日行われる内閣改造で、19人の閣僚のうち17人が交代する大規模な人事刷新となる見込みである。韓国に厳しい姿勢を示してきた河野外相は防衛大臣へ横滑りした。混迷する日韓関係に与える影響は出るのか。日本だけでなくアメリカとの関係でも軋みが生じ始めている韓国。
日米韓の今後のゆくえをこの後徹底解説する。
【スタジオ発言】
羽鳥慎一アナ(パネル説明):さあ、日韓関係の実務を担当する3閣僚。外務・防衛・経産大臣ですけども、こういうふうになりました。まずは、元徴用工問題を担当する外務大臣ですけれども、河野大臣から、茂木さん。いま経済再生担当大臣ですが、茂木さんが外務大臣ということが内定しております。茂木さんは、日米貿易交渉の手腕を評価されたということです。さあ、そして、防衛大臣は、今は岩屋さんですが、河野外務大臣が、今度は防衛大臣になるということです。そして、輸出規制問題。これね、大きな問題になりました。それを担当するのが、経済産業大臣。世耕さんから、菅原さん。元の経済産業副大臣です。この菅原さんがおそらく起用されるであろうということです。
さあ、外務大臣から見ていきたいと思います。茂木さんです。田崎さん、どんな人なんでしょうか。“頭が良く語学能力も高く、仕事ができる人。その一方で、自分の部下には大変厳しい”ということですけれども、田崎さん、茂木さんですけども。
(省略) ※新たな外務大臣・防衛大臣・経産大臣の経歴等を解説
羽鳥アナ(パネル説明):さあ、今回の内閣改造で、韓国メディアの対応ですね。地元のメディアの報道ですけれども、東亜日報。保守系です。保守系ってのは、反文在寅政権系。反対すると。見出しが、“強硬派の「たらい回し」をしようとする安倍政権”。どういう記事の内容なんでしょうか。“内閣改造以降、強硬路線は一層強化されるだろう。河野外務大臣は、駐日韓国大使を招いた席で、はなしを途中で切り、面と向かって叱るなど、数多くの外交欠礼を生んだ。防衛大臣を検討するという部分では、日韓関係をどこまで追い詰めていこうとするか憂慮される”という内容です。そして、中道ややリベラル系。真ん中やや政権に近いというスタンスの韓国日報ですけれども。“河野氏を防衛大臣に?日韓対立より悪化”はい。良くないということですね。“穏健派とされる岩屋防衛大臣を更迭し、河野氏を任命するということは、今後GSOMIAや軍事協力問題においてもより強硬な路線を採択するというシグナルとして解釈される”ということです。保守系リベラル系、政権より反政権問わず、確認できたすべての新聞で日韓対立が維持されるか悪化するだろうという論調だということです。で、防衛大臣になる河野さんについて、これ、韓国の新聞の報道ですけれども。“政権の3台柱である財務大臣、外務大臣、官房長官の中で外務大臣だけが交代の対象に取り上げられているのは、河野氏が国内政治的立場だけを考慮して妄言を繰り返したためという指摘が多い”ということです。そして、新たに外務大臣に起用される茂木さんについて、韓国のメディア・新聞は、“韓国に対して強硬な態度を取る可能性が高いというのが大半の意見だ。ある外交筋は、「総理大臣を志望する茂木氏が外務大臣になれば強硬姿勢はむしろ強化するだろう」と予想した”というふうに報じております。さあ、じゃあ日韓関係はどうなるのか。辺さんの見立ては、「日韓ともに関係改善は見込めない人事になった」と辺さんなったいう。
辺真一氏(要約):河野前外相については、最初に登場した時はまさに韓国は拍手喝采。でも結果はワーストになった。茂木さんについては、もうこれ以上ワーストになることはならないので、少しはマシになるだろうという淡い期待はあるだろうけども、対韓政策は官邸主導でやっているので茂木さんの一任でどうのこうのできる話ではないだろうと。強硬派の河野大臣が防衛大臣になったことで、ギクシャクしている日韓関係がもっと収まりがつかない状況に陥るかもしれないという警戒心がある。
羽鳥アナ:やっぱり韓国メディアも相当厳しい見方をしてると。
田崎氏(要約):茂木さんに注目されているのは、これから茂木さんが総理総裁候補として、ステップアップしていく上で非常に重要なポストについたということです。茂木さんやる気満々ですから。
玉川徹氏:河野さんについて田崎さんに聞きたいんですけど、河野さんって僕昔から知ってて、ずーっとはぐれものだったじゃないですか。だから自分の主張っていうのが、党の考えと違っても、ずっと主張する人だったんですね。原発政策なんかまさに象徴的なことだったんですけど、なんかね、どっかで変わっちゃったのかなと。彼はだから、それで、大臣とかそういうふうなものに全然登用されないでずっときたわけですよ。それが外務大臣になって今度は防衛大臣でしょ。まさに重要閣僚を、これからいろんなとこ、渡り歩くっていう言い方はあれですけど、いろんな大臣を経験してってのが総理への道ですから。新次郎さんだって今回、大臣になったのってそういうふうなこと含みだと思うんです。そうすると、河野さんって、何が変わったんだろう。どこで、なんだろう。要するに、もう受け入れざるを得ないものを受け入れた上で総理目指すみたいな感じに変えたのか。なんなんですかね。
田崎氏:僕はあの、河野さんって政治家をどう見るかなんですけれども、党内の人の話を聞いても、信念の人だと思ってる人は少ないですよね。そりゃ。むしろ、その時々で、対応を変えていく。自分を変えられる人だというふうに見てる人が多いです。で、安倍総理は、河野さんが外務大臣になられたって、河野談話のことをあまりやるなよとか言われて、で、今回も防衛大臣の就任を要請するにあたって、いくつかの注意事項をしてますよ。で、それをきっと忠実に守る人。だから自分の考えよりも、言われたことをきちんとやる。この閣内においてはね。
羽鳥アナ:太田さんいかがですか?韓国メディアの反応って言うのは。
太田昌克氏(要約):気になるのは、この閣内に次の総理総裁候補が結構いて、皆安倍さんを取り巻いてる。時として忠告をしてブレーキ役になる人が非常に重要。ところが皆総理になりたいもんだから、結局同じことを考えて一色になってしまうのが怖い。
羽鳥アナ(要約):韓国も日韓関係が今のままかもっと悪くなると思っていますね。
浜田敬子氏(要約):安倍政権があと何年続くか分からないが、中長期的なことを誰が考えているのか。このまま対韓関係強化でいいのか。茂木さんは非常に実利的な方だと思った。官邸の意向だけで動いて良いのか。もっと長い目で見て両国の実を取る方を誰かが選んでほしい。
田崎氏:これはね、安倍総理が云々よりも、いわゆる韓国が国の約束事である日韓請求権協定を事実上破る行為にあるわけですね。で、それをダメだというか、じゃあちょっと彼らもそういうからなんか甘やかしてなんか与えようかと。そういう発想に立つかの違いなんです。これわやっぱり日本として、交渉方針を変えたってことです。で、今まで甘やかしたものから、甘えの構造からの脱却を図るんだと。それが政府の考え方。それが強硬に移っているという。
玉川氏:でも甘えの構造からの脱却の未来に何を見てるんですか?韓国とずーっと対立していくということで良いっていうふうな未来を見てるんですか?
田崎氏:それは、今までの甘えの構造から脱却した先に、何があるかは分かりませんよそりゃ。
玉川氏:でもそこを見てないと、手前の方針って決められないじゃないですか。
田崎氏:韓国側がどう変わるかって問題もありますでしょ?
玉川氏:韓国は変わらないですよ。人の国なんか変わりようがない。
玉川氏:どっちが悪いんかってことですよ。請求権協定をね、平気で破るような行為に出る、日韓慰安婦合意はつぶしちゃう、GSOMIAをなくしちゃう。そういうことをやる国と、どう対処するかってことです。
玉川氏:例えば、それはもう拉致問題っていうは安倍総理も官房副長官からのずっと念願ですけども、例えば北朝鮮と今こんな状態ですよ。韓国っていうパイプもなくなって、そこの問題をどう解決するんだっていうような話にもなってくるだろうし、一体どんなみらいを、韓国と対立する未来に見てるんだろう。
田崎氏:だから韓国、対北朝鮮に対する韓国の役割ってのは、この政権からめると非常に低いんですよ。もう既に米朝に移ってると。アメリカを頼りにした方が、これはうまくいくと。南北、北朝鮮と韓国の関係はそんなに良くないんだというふうな認識に立ってるんです。
玉川氏:それこそアメリカにべったり頼っててね、全ての対応をですよ。
田崎氏:全ての問題を頼ってるわけじゃないですよ。
玉川氏:アメリカが永遠にトランプ政権が続くわけでもなく、トランプ政権じゃなくなったときに、元のような状態に戻ったとしたら、それでまた話のはしごを外されるわけですよね。だから一体どんな未来を、全てアメリカに頼ってればいいっていう未来じゃなくて、日本は日本で、韓国と向き合っていくかってビジョンが、特に僕見えてこないんですよね。
田崎氏:それはあの、繰り返しになりますけど、日韓請求権協定と違うことをやってるのは韓国なんですから。
玉川氏:だからそれは、短期的にじゃあ起こったとしても、将来的には仲良くなるって未来を見てるんですか?
田崎氏:それは韓国と仲良くして日韓の訴訟をね、それに対して応じていけって話ですか?
玉川氏:いやいや、それは短期的にどういうって問題よりも、長期的に何を見ようとしてるのかわかんないから、僕は聞いてるんですよ。
田崎氏:だから長期的にはやっぱり、隣の国ですから、関係が切れないようにやっていくんですよ。今この時点では、強硬に出る他ない。
玉川氏:それで、未来もそのままでいくと思ってますか?
田崎氏:今は、今の原則を維持したままやっていく以外ないと。
羽鳥アナ:将来的にはもちろん、仲良くやった方がいいわけですよね。でも今はそういうスタンスでいくんだっていう。
玉川氏:じゃあその、今とってるスタンスが、将来になったらあんときはああだったけど、もう仲直りできるよねっていうふうになるっていうような確信を持ってるっていうことですか?
田崎氏:そういうこともあり得るから、しかし今は、原則を変えるわけにはいかないということです。
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。
1、羽島アナの発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、玉川氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
それぞれ順を追って解説します。
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1、羽島アナの発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
羽島アナは今回の報道で、以下のように述べています。
羽島アナ(抜粋):さあ、今回の内閣改造で、韓国メディアの対応ですね。地元のメディアの報道ですけれども、東亜日報。保守系です。保守系ってのは、反文在寅政権系。反対すると。見出しが、“強硬派の「たらい回し」をしようとする安倍政権”。どういう記事の内容なんでしょうか。“内閣改造以降、強硬路線は一層強化されるだろう。河野外務大臣は、駐日韓国大使を招いた席で、はなしを途中で切り、面と向かって叱るなど、数多くの外交欠礼を生んだ。防衛大臣を検討するという部分では、日韓関係をどこまで追い詰めていこうとするか憂慮される”という内容です。そして、中道ややリベラル系。真ん中やや政権に近いというスタンスの韓国日報ですけれども。“河野氏を防衛大臣に?日韓対立より悪化”はい。良くないということですね。“穏健派とされる岩屋防衛大臣を更迭し、河野氏を任命するということは、今後GSOMIAや軍事協力問題においてもより強硬な路線を採択するというシグナルとして解釈される”ということです。保守系リベラル系、政権より反政権問わず、確認できたすべての新聞で日韓対立が維持されるか悪化するだろうという論調だということです。で、防衛大臣になる河野さんについて、これ、韓国の新聞の報道ですけれども。“政権の3台柱である財務大臣、外務大臣、官房長官の中で外務大臣だけが交代の対象に取り上げられているのは、河野氏が国内政治的立場だけを考慮して妄言を繰り返したためという指摘が多い”ということです。そして、新たに外務大臣に起用される茂木さんについて、韓国のメディア・新聞は、“韓国に対して強硬な態度を取る可能性が高いというのが大半の意見だ。ある外交筋は、「総理大臣を志望する茂木氏が外務大臣になれば強硬姿勢はむしろ強化するだろう」と予想した”というふうに報じております。さあ、じゃあ日韓関係はどうなるのか。辺さんの見立ては、「日韓ともに関係改善は見込めない人事になった」と辺さんなったいう。
要旨をまとめると、
・韓国のメディアは「外交欠礼を生んだ河野大臣をはじめ、今回の内閣改造では対韓強硬派をたらいまわしにしている」「穏健派の岩谷防衛大臣が辞めることで日韓関係が悪化する」「河野大臣が外務大臣を降りたのは、国内の政治的立場を気にして外交において妄言を繰り返したからだ」などと報道している。
・辺氏も「日韓関係の改善は望めない」と述べているので、日韓関係は悪化するだろう。
というものです。
しかしながら、
・日韓関係の悪化は韓国側の国際条約違反と危険物品の管理不十分から来ており、安倍政権の人事刷新が日韓関係悪化の原因だとする論調は事実に即しているとは言えない。
・河野大臣が外務大臣を降りた理由は防衛大臣に着任するためで、対韓外交で失敗したからだという主張には根拠がなく、また事実に基づいていない。
・韓国メディアの主張を「韓国の報道」として扱うことはまだしも、その誤りを指摘せずあたかも事実かのように扱ったり、一方的な立場のみを報道したりすることは印象操作に当たる。
など、発言の趣旨とは異なる事実が存在します。
以上のことから、今回の報道での羽島アナの発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。
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2、玉川徹氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
玉川氏は今回の報道で、以下のような議論を展開しています。
田崎氏:(中略)で、今まで甘やかしたものから、甘えの構造からの脱却を図るんだと。それが政府の考え方。それが強硬に移っているという。
玉川氏:でも甘えの構造からの脱却の未来に何を見てるんですか?韓国とずーっと対立していくということで良いっていうふうな未来を見てるんですか?
田崎氏:それは、今までの甘えの構造から脱却した先に、何があるかは分かりませんよそりゃ。
玉川氏:でもそこを見てないと、手前の方針って決められないじゃないですか。
田崎氏:韓国側がどう変わるかって問題もありますでしょ?
玉川氏:韓国は変わらないですよ。人の国なんか変わりようがない。
田崎氏:どっちが悪いんかってことですよ。請求権協定をね、平気で破るような行為に出る、日韓慰安婦合意はつぶしちゃう、GSOMIAをなくしちゃう。そういうことをやる国と、どう対処するかってことです。
玉川氏:例えば、それはもう拉致問題っていうは安倍総理も官房副長官からのずっと念願ですけども、例えば北朝鮮と今こんな状態ですよ。韓国っていうパイプもなくなって、そこの問題をどう解決するんだっていうような話にもなってくるだろうし、一体どんな未来を、韓国と対立する未来に見てるんだろう。
田崎氏:だから韓国、対北朝鮮に対する韓国の役割ってのは、この政権からめると非常に低いんですよ。もう既に米朝に移ってると。アメリカを頼りにした方が、これはうまくいくと。南北、北朝鮮と韓国の関係はそんなに良くないんだというふうな認識に立ってるんです。
玉川氏:それこそアメリカにべったり頼っててね、全ての対応をですよ。
田崎氏:全ての問題を頼ってるわけじゃないですよ。
玉川氏:アメリカが永遠にトランプ政権が続くわけでもなく、トランプ政権じゃなくなったときに、元のような状態に戻ったとしたら、それでまた話のはしごを外されるわけですよね。だから一体どんな未来を、全てアメリカに頼ってればいいっていう未来じゃなくて、日本は日本で、韓国と向き合っていくかってビジョンが、特に僕見えてこないんですよね。
田崎氏:それはあの、繰り返しになりますけど、日韓請求権協定と違うことをやってるのは韓国なんですから。
玉川氏:だからそれは、短期的にじゃあ起こったとしても、将来的には仲良くなるって未来を見てるんですか?
田崎氏:それは韓国と仲良くして日韓の訴訟をね、それに対して応じていけって話ですか?
玉川氏:いやいや、それは短期的にどういうって問題よりも、長期的に何を見ようとしてるのかわかんないから、僕は聞いてるんですよ。
田崎氏:だから長期的にはやっぱり、隣の国ですから、関係が切れないようにやっていくんですよ。今この時点では、強硬に出る他ない。
玉川氏:それで、未来もそのままでいくと思ってますか?
田崎氏:今は、今の原則を維持したままやっていく以外ないと。
羽鳥アナ:将来的にはもちろん、仲良くやった方がいいわけですよね。でも今はそういうスタンスでいくんだっていう。
玉川氏:じゃあその、今とってるスタンスが、将来になったらあんときはああだったけど、もう仲直りできるよねっていうふうになるっていうような確信を持ってるっていうことですか?
田崎氏:そういうこともあり得るから、しかし今は、原則を変えるわけにはいかないということです。
非常に長くなりましたが、これらの要旨をまとめると、
・(安倍政権は韓国に対する「甘えの構造」からの脱却を目指しているという意見に対して)甘えの構造から脱却して、そこからどうするかという未来像がない。韓国はよその国だから変わることを期待することもできないので、日本は韓国への強硬姿勢を改めるべきだ。
・(韓国は請求権協定を破り、慰安婦合意を潰し、GSOMIAを破棄したので厳しく対処すべきだという意見に対して)韓国は北朝鮮とのパイプなので、韓国と対立すると安倍政権の悲願である拉致問題の解決が遠のいてしまう。韓国と対立すべきではない。
・(安倍政権にとって対北朝鮮政策におけるパートナーは韓国ではなくアメリカである、したがって韓国の重要性は低いという意見に対して)トランプ政権がずっと続くわけではないので、政権交代時にはしごを外されるに違いない。アメリカにすべての対応をべったり頼っていてはいけない。日本は日本でどのように韓国と向き合うのか考えるべきだ。
・(日韓請求権協定に違反しているのは韓国なので、ボールは韓国側にあるという意見に対して)短期的に仲が悪くなったとしても、将来的に仲良くなるという未来をちゃんと見ていないと思う。短期的な話はどうでもよく、長期的にどのようなビジョンを描いているのかが分からない。今強硬な姿勢でいくことは、将来的に仲良くなれるという確信がないならやめるべきだ。
というものです。
しかしながら、
・日本政府が韓国に対して強硬姿勢を取ることに未来像がないという主張には一切根拠がなく、玉川氏の主張は事実に基づいていない。また「日韓関係の未来像」なる玉川氏の主張は韓国の請求権協定違反や慰安婦合意破棄、GSOMIA破棄を正当化するものではなく、日本の強硬姿勢を改める根拠にはならない。
・韓国の文政権は過去類を見ないほどの親北政権として知られており、北朝鮮とのパイプとして機能するという主張は事実に即しているとは言えない。また、北朝鮮による日本人拉致問題と日韓対立とは因果関係のない事柄である。
・日米安保をはじめ日本と米国は互いに安全保障、外交における重要なパートナーである。したがって、アメリカの政権交代によって対北朝鮮政策で日米が強調できなくなるという主張は明らかな誤りである。
・現在日韓の間で起きている諸問題を「短期的な話」として矮小化し、明確な根拠もなしに「長期的なビジョンを持つべき」「韓国と仲良くするために強硬的な姿勢はやめるべき」という主張を行うことは、一方的に韓国側の立場に立つもので政治的な公平性を欠く。
など、発言の趣旨とは異なる事実が存在します。
以上のことから、今回の報道での玉川氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。
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3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「安倍政権の今回の人事は韓国強硬派が多く、日韓関係の悪化を招くものだ」「日本は長期的なビジョンを持って韓国に接するべきだ」という立場に立った意見ばかりが出てきました。
ですがこの問題に関しては「安倍政権の今回の人事は韓国だけを見て行われたものではない」「理想だけ追わずに韓国が引き起こす問題に現実的に対処すべきだ」といった反対の意見があります。
にもかかわらず、今回の報道におけるVTRやパネル説明ではそうした意見をほとんど取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。
以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。
以上が報告となります。事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。