2018年10月1日 報道ステーション

2018年10月1日 報道ステーション

2018年10月1日、報道ステーションの報告です。
今回、最も多くの時間を割かれたのは日本人ノーベル賞受賞関連の話題でした。
今回は、前日、9月30日投開票だった、沖縄知事選挙関連の部分を報告していきます。
では、詳しく見ていきましょう。

——–
【スタジオ】
徳永有美アナ:続いて、3選を果たした安倍総理ですが、いきなり出鼻を挫かれた形です。
——–
【VTR】
ナレーター:8万票という大差での勝利。与党の誤算とは。
——-
【スタジオ】
徳永アナ:接戦になるのではという予想とは裏腹に、意外な大差がつきました。

富川悠太アナ:そうなんですよね。昨日行われました沖縄知事選、このような結果となったんですね。辺野古への基地移設反対、玉城デニー氏が、自民・公明など与党などが推薦した佐喜眞淳氏を8万票と大差をつけて当選したんですね。与党は総力戦で菅官房長官ですとか、小泉新次郎さん。応援にね、呼びつけるなどして、必勝を期していたわけなんですけれども、どこに誤算があったんでしょうか。
——–
【VTR】
ナレーター:翁長知事の後継候補、玉城デニー氏は、県知事選では過去最多となる39万6632票を獲得し、与党が支援した佐喜眞淳氏を破りました。

玉城デニー氏:県民が、認められないもの。その最たるものは、辺野古の新基地建設です。県民の思いをしっかりと政府に要求していきたいと、突きつけていきたいと思います。

ナレーター:安倍総理は。

安倍首相:選挙の結果は、政府としては真摯に受け止め、今後、沖縄の振興、そして基地負担の軽減に努めてまいります。

ナレーター:大接戦が予想されていた今回の知事選ですが、8万票を超える大差に。そこには、与党の誤算がありました。台風24号が直撃した一昨日のことです。佐喜眞氏は、急きょ記者を集めて。

佐喜眞氏:来週、台風対策で忙しいんです。

ナレーター:来週は、知事となり台風対策にあたるという自信の表れなのでしょうか。今回与党は、佐喜眞氏の支援に、かつてないほどの総力戦で臨みました。

小泉進次郎氏:この、沖縄県を作っていくのは誰ですか。

聴衆:佐喜眞―!

菅官房長官:携帯料金があまりにも皆さん、高すぎるのではないでしょうか。私は4割程度、引き下げる。

ナレーター:菅官房長官と小泉進次郎議員が、それぞれ3回も沖縄入りする異例の力の入れようでした。自民党は、地方議員を数百人規模で派遣するなど、徹底的な組織選挙を展開しました。こうした、中央からの物量作戦に、翁長知事の妻、樹子さんが最初で最後の演説を行います。

樹子さん:私は今回、本当は静かに、皆さん県民の一人ひとりの方が出す結論を待とうと思ってました。ところが、政府の権力をすべて行使して、私たち沖縄県民を、まるで愚弄するように、押しつぶそうとする、民意を押しつぶそうとする。何なんですかこれは。

ナレーター:投票1週間前のこの訴えが転機となったのでしょうか。台風を前に、期日前投票の会場には長蛇の列ができ、最終的な投票率も、ほぼ前回並みを維持しました。QAB・朝日新聞・沖縄タイムズの3社共同の出口調査によると、無党派層のおよそ7割が玉城氏に投票しています。

70歳男性:佐喜眞さんも、結構頑張っていましたけど、上から応援いっぱい来たでしょう。要するに押し付けですよ。

49歳男性:沖縄県民が、じゃあ経済だけをとって諦めましたっていうのは、ちょっと、すごい悔しいというか。

ナレーター:誤算は、公明党にも。

(CM)

ナレーター:公明党は、今回は佐喜眞氏の推薦に廻り、支持母体の創価学会をあげての組織戦が展開されました。玉城氏の当選を祝う会場には、なぜか、創価学会の三色旗がはためきました。玉城氏に投票した野原さんは。

野原善正氏(創価学会員):組織の力で縛るというのはもってのほかで、平和・福祉っていうのを立党以来掲げてきた公明党が、まあそういうことを平気でするというのはですね、やっぱおかしいですよね。

ナレーター:出口調査では、公明党支持層の4人に1人が玉城氏に投票しました。佐喜眞氏は、辺野古移設の是非について。

記者:辺野古については。

佐喜眞氏:次の日程がありますから

ナレーター:争点隠しに、沖縄県民は。

68歳男性:辺野古のことは全然触れてなかったでしょう。普天間基地返還は言っても。それでもうやっぱり、まあ、おかしいなと。

30歳女性:翁長さんは熱心に基地問題について、取り組んでいたじゃないですか。翁長さんで変わったと思います、気持ちが。みんなの気持ちが。

ナレーター:再び示された、菅官房長官は。

菅官房長官:まあ政府としては、早期に辺野古への移設と普天間飛行場の返還を実現をしたい。そうした考え方に変わりはありません。

ナレーター:辺野古をめぐっては、沖縄県が埋め立て承認を撤回しましたが、政府は工事を進めるため、法的措置をとる構えです。

玉城氏:私はあの、翁長知事もそうだったと思いますが、決して私たちから対立や分断を持ち込んでいるわけではありません。

記者:政府と対峙することの厳しさ・難しさってのは、どの程度感じていられますか。

玉城氏:政府と対峙することのむずかしさを、私は考えておりません。なぜなら、我々の民意に沿って政府が判断すればいいと思います。
——-
【スタジオ】
富川アナ:選挙前にね、オール沖縄の結束が崩れてきたと言われていて、一方で与党は総力戦で挑んだということで、接戦が予想されていた。ただ、蓋を開けてみたら玉城さんが圧勝という結果になりましたね。

後藤謙次氏:そうですね、この結果を見ますと、やはり沖縄県の人達のですね、翁長さんに対する思いの強さ。それから4年前に翁長さんが当選した後からのですね、政府の対応。ここに、まあその、今回の圧勝の原因があったというふうに思いますね。特に翁長さんが当選した後、政府は4か月間面会しなかったんですね。そこのボタンの掛け違いがずっとこれだけの軋轢を生んでしまった。今回の結果によって、沖縄の県民の人たちは、力づくでは変えられないんだということはもう少し政府は学ばないといけないですね。

徳永アナ:そうなってくると、その沖縄と政府の対話と言いますか、対立と言いますか。それはこれからどうなっていくのか。それから、基地問題はどうなっていくのかというところが気になります。

後藤氏:はい、そうですね。これはまず、玉城さんが、とにかく政府と話したいと。こう言ってるわけですから、なるべく早い段階で、新知事と官房長官がきちっと話し合うと。その上でですね、今、東アジアのさまざまな犯罪払拭空気が変わってますよね。米朝首脳会談が行われたり。果たして今のままの大きな基地でいいのかどうか。もう一回基本から話し合うと。それから沖縄県民と腹の底から話し合うという姿勢がないとですね、この沖縄の民意を変えるということは、もう力づくでできないということが今回確定したんですから、民意の確定を受けて、次は政府が答えを出す番。そうだと思いますね。

——-

【検証部分】
今回の放送の問題点は大きく分けて2点あります。
1点目は、選挙期間中の両陣営(玉城、佐喜眞両氏)の動向についての報じ方が放送法違反に抵触する可能性があること。
2点目は、スタジオでの後藤氏の発言、並びに富川アナの発言にかつての発言との齟齬が生じていること。
以上の2点です。
詳しく説明していきます。

まず1点目についてです。
今回の知事選挙の動向について、番組はこんな報じ方をしていました。
ナレーター:菅官房長官と小泉進次郎議員が、それぞれ3回も沖縄入りする異例の力の入れようでした。自民党は、地方議員を数百人規模で派遣するなど、徹底的な組織選挙を展開しました。こうした、中央からの物量作戦に、翁長知事の妻、樹子さんが最初で最後の演説を行います。
樹子さん:私は今回、本当は静かに、皆さん県民の一人ひとりの方が出す結論を待とうと思ってました。ところが、政府の権力をすべて行使して、私たち沖縄県民を、まるで愚弄するように、押しつぶそうとする、民意を押しつぶそうとする。何なんですかこれは。
ナレーター:投票1週間前のこの訴えが転機となったのでしょうか。(以下略)

つまり、中央から多くの国会議員が派遣された佐喜眞陣営と視聴者に印象付けたうえで、翁長前知事の妻の演説によって玉城氏が応援され、それは政府の意見とは異なる沖縄の意見だ、というVTRを放映したのです。
これでは、政府の権力を利用する佐喜眞氏と、政府の権力を沖縄の民意を用いて跳ね返すという単純な構図が視聴者の中でできあがってしまいます。
そもそも、長きにわたる法廷闘争などを通じて冷え切ってしまった、政府と沖縄の関係を良くしたいとして立候補した佐喜眞氏に対して、不利な報じ方をしているのではないかと考えざるを得ません。

次に2点目についてです。
当日のスタジオでこんなやり取りがありました。
富川アナ「選挙前にね、オール沖縄の結束が崩れてきたと言われていて、一方で与党は総力戦で挑んだということで、接戦が予想されていた。ただ、蓋を開けてみたら玉城さんが圧勝という結果になりましたね」
後藤謙次氏「そうですね、この結果を見ますと、やはり沖縄県の人達のですね、翁長さんに対する思いの強さ。それから4年前に翁長さんが当選した後からのですね、政府の対応。ここに、まあその、今回の圧勝の原因があったというふうに思いますね(以下略)」
これは玉城氏が有権者の約55%の票を獲得して当選したことに対する、後藤氏と富川アナの意見だと言えます。
一方、9月20日の報道ステーションにこんなやり取りがありました。
富川悠太アナ「総裁選ですが、安倍総理と石破元幹事長の一騎打ちとなりました。このような結果となりました。議員票は329対73。党員票は224対181。合計、553票と254票で安倍総理が3選を決めました。これは、石破さんが善戦したと・・」・
後藤謙次氏「大善戦といっていいと思いますね。この結果で見えてくるのは、安倍一強というのは、永田町だけの虚構だったっていうことが言えると思いますね」
この日、自民党総裁選挙に勝利した安倍総理の得票率は55%。
このように、同じ「55%」という得票率でありながらかたや「圧勝」、かたや「大善戦」。
数字を使って視聴者を困惑させるのは、果たして報道機関としてのあるべき姿と言えるのでしょうか。

したがって、今回の放送は放送法第4条2項「政治的に公平であること」第3項「事実は曲げないで報道すること」に抵触している可能性があります。

今後も監視を続けます。

報道ステーションカテゴリの最新記事