7月31日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。
・日韓関係に関する後藤氏の解説
まずは放送内容を確認していきます。
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【スタジオ】
徳永有美アナ:明後日、韓国への輸出管理上の優遇措置を外す閣議決定が行われると見られるなか、けさ韓国の国会議員団が来日しました。日韓関係が悪化の一途を辿る中、アメリカは仲裁に動く考えを示しました。
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【VTR】
ナレーション:ASEAN外相会議に向かう機内で、アメリカのポンペオ国務長官は、記者の質問にこう答えました。
ポンペオ国務長官:韓国の外相に会い、河野外務大臣に会い、その後3人で会います。前に進む道筋をつけられるよう促していくつもりです。
ナレーション:ロイター通信は、アメリカの政府高官が日韓両国に対して「お互いに対抗措置を取らない」とする協定を結ぶよう提案したとも伝えました。アメリカが日韓の仲裁に動き始めたようです。一方菅義偉官房長官は、今朝の会見で。
記者:仲介案を米国側が日韓に提示したそうだが、事実関係は?
菅義偉官房長官:報道は承知しておりますが、ご指摘のような事実はありません。引き続き韓国側には適切な対応を強く求めていく。その考えに変わりはありません。
ナレーション:アメリカからの提案について、事実関係を否定しました。明日は日韓の外相会談、そして明後日にも日米韓3カ国の外相会談が開かれる予定です。しかし、日本政府は、明後日にも輸出管理上の優遇措置を取る「ホワイト国」から韓国を除外する閣議決定をすると見られています。方針が変更される可能性はあるのでしょうか。
世耕弘成経産大臣:今回の輸出管理の運用の見直しについてはアメリカなど関係各国にもしっかりと説明をしてきているところでありますので、引き続き粛々と手続きを進めたい。
ナレーション:「ホワイト国」から除外する方針は全く変わらない。そんな中、今日超党派の韓国議員団が来日しました。日本の議員団との会談で、韓国側からは「ホワイト国からの除外を思いとどまってくれないか」との声が上がりましたが。
日韓議連額賀福志郎会長:そのことについては、これは政府のやることだから、直接には触れてません。核開発だとか、テロだとか、そんなものが蔓延っていく中で、しっかりと管理貿易をしていかなければならない面もあります。
韓国国会代表団 徐清源団長:これではいけないことは日本の議員も私たちも同じように共感している。輸出規制やホワイトリスト問題が発効されないよう、みなさんが最大限の努力を尽くしてくれるよう切に願う。
ナレーション:議員団は、自民党の二階幹事長との面談も模索していましたが、今日は実現しませんでした。今回は経済への影響が長期化することも懸念されています。佐賀の嬉野温泉では、韓国人観光客からのキャンセルが相次いでいます。こちらの旅館には、韓国の旅行代理店からFAXが届いていました。
松園女将 光武洋子さん:こちらのほうにある「大変申し訳ございませんが、キャンセルになりました。またよろしくお願いいたします」ということで。
ナレーション:また、別の韓国人観光客からは。
松園女将 光武洋子さん:その方は「こういう時期なので…」とお電話をいただきました。
記者:こういう時期というと。
松園女将 光武洋子さん:やっぱり日韓関係の…。
ナレーション:本格的な影響が出るのはこれからです。佐賀県が韓国の旅行代理店にヒアリングをしたところ、8月以降団体旅行の7割がキャンセルになったと言います。北海道も韓国人観光客から人気の観光地です。こちらの飲食店はこれまで、客の7割が韓国人観光客で賑わっていたそうですが。
札幌かに本家 和泉渉店長:(去年は)貸し切りになってしまって、バスが3台4台来まして、皆さん韓国の団体様で見えたときはありましたけれども。(今は)1日1台入るか入らないか。キャンセルが続いておりますので、ちょっと想像つかないものになるのかどうかという感じです。
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【スタジオ】
徳永有美アナ:アメリカから仲裁案とのことなんですが、菅官房長官は否定していますが、実際はどうなんでしょうか。
後藤謙次氏:日本政府としては今回、仲裁を受ける気は全くないわけです。ですから官房長官としてはそういう申し入れが来てないと言わざるを得なかったと思いますね。仲裁を受け入れてしまうと、喧嘩両成敗ですから、日本側に一定の譲歩を強いられる。それを受け入れなければならない。しかし今回については韓国側からは一方的に難癖をつけてきたというのが安倍政権の考え方ですから、これについては安倍総理の表現を借りれば、ゴールポストを1ミリも動かすことはできないと。とりわけ徴用工については1965年の日韓請求権協定に関わる問題ですから。そして2015年の慰安婦をめぐる日韓合意。これも一方的に破棄されてしまう。これ以上譲るわけには行かないと。完全にこの問題は安倍総理マターになってるんですね。つまり大臣といえども安倍総理の決断をどうするか、それを待たざるを得ないというのが今の状況ですよね。
徳永有美アナ:ということで今後の日程なんですけれども、まず明日、日韓の外相会談が行われます。そして明後日にはアメリカも加わって、日米韓の外相会談が行われる予定です。そして日本政府は同時にあさって、その韓国を「ホワイト国」から除外することを閣議決定する予定になっているということですね。
後藤謙次氏:これは時期の問題はあるにしても、貿易管理上の問題だと言ってますから、いずれこの決断はするんだと思います。ただこのGSOMIAと言われる軍事上の問題は、これについては日米韓の連携の問題になりますから、韓国が抜けたいと言ってもアメリカが許さないということになりますので、ここは自動更新するだろうと。結局この問題を安倍総理がどう決断するか、そういうタイミングが今日、明後日というところにきてるんだと思います。
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【検証部分】
今回検証する発言は以下の部分です。
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後藤謙次氏:日本政府としては今回、仲裁を受ける気は全くないわけです。ですから官房長官としてはそういう申し入れが来てないと言わざるを得なかったと思いますね。仲裁を受け入れてしまうと、喧嘩両成敗ですから、日本側に一定の譲歩を強いられる。それを受け入れなければならない。しかし今回については韓国側からは一方的に難癖をつけてきたというのが安倍政権の考え方ですから、これについては安倍総理の表現を借りれば、ゴールポストを1ミリも動かすことはできないと。とりわけ徴用工については1965年の日韓請求権協定に関わる問題ですから。そして2015年の慰安婦をめぐる日韓合意。これも一方的に破棄されてしまう。これ以上譲るわけには行かないと。完全にこの問題は安倍総理マターになってるんですね。つまり大臣といえども安倍総理の決断をどうするか、それを待たざるを得ないというのが今の状況ですよね。
徳永有美アナ:ということで今後の日程なんですけれども、まず明日、日韓の外相会談が行われます。そして明後日にはアメリカも加わって、日米韓の外相会談が行われる予定です。そして日本政府は同時にあさって、その韓国を「ホワイト国」から除外することを閣議決定する予定になっているということですね。
後藤謙次氏:これは時期の問題はあるにしても、貿易管理上の問題だと言ってますから、いずれこの決断はするんだと思います。ただこのGSOMIAと言われる軍事上の問題は、これについては日米韓の連携の問題になりますから、韓国が抜けたいと言ってもアメリカが許さないということになりますので、ここは自動更新するだろうと。結局この問題を安倍総理がどう決断するか、そういうタイミングが今日、明後日というところにきてるんだと思います。
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この発言の問題点は以下の2点です。
・事実に基づいていない発言があった可能性がある
・様々な論点を提示した発言ではなかった可能性がある
後藤氏は、アメリカによる日韓間を仲介するような申し入れはなかったと言わざるを得なかった、仲介を受け入れると喧嘩両成敗になる、といった解説をしていますがこれらの発言について検証していきます。
まず菅官房長官が会見で否定していたのは、折衷案の有無についてです。
アメリカ側からコンタクトがあったのかどうかについては言及していません。
折衷案については、ロイター通信が報じたに過ぎません。
後藤氏の述べている申し入れをなかったことにせざるを得なかった、という発言について、具体的な折衷案を政府が認めなかったのではなく、まだそれが政府に報告されていないだけの可能性など、具体的な折衷案があるのかも不明です。
また今回の問題は安倍総理マターだと解説していますが、安倍総理マターとは何たるかが今回の解説では不明です。
国際的な約束を守らないことについてそれらの遵守を強く求めることが安倍総理マターとなるのでしょうか。
このような主観に基づき、客観的ではない解説は以下の放送法に抵触する恐れがあります。
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放送法4条
(3)報道は事実をまげないですること
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続いて2点目の検証点について見ていきます。
後藤氏は日本が仲介案を受け入れられない理由として、喧嘩両成敗的な結果となってしまうからだと述べています。
しかし仲介案があったとしても、喧嘩両成敗、のような方法になるとは限りません。
そもそも今回の問題の発端となったのは、韓国側の輸出管理が徹底されていないことで、北朝鮮などに横流しが行われている可能性が指摘されていることなどにあります。
そのため韓国側が説明責任をしっかりと果たせば再び、優遇措置をとることもありえます。
ところが韓国側は今回の日本の措置に対して徴用工問題に対する報復だと論点をずらして反論をしています。
徴用工問題に関しても日韓請求権協定によって解決済みの問題であるはずですが、この問題を蒸し返して外交のカードとして使っているのです。
これらの点について言及せずに解説を行うのは以下の放送法に抵触する恐れがあります。
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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。