2020年4月29日 報道ステーション

2020年4月29日 報道ステーション

4月29日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・様々な論点を取り上げた放送であったか

まずは放送内容を確認していきます。

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【コメンテーターによる解説】
徳永有美アナウンサー(以下徳永アナ):続いてPCR検査についてもお話を伺いたいんですが、こちらは東京都のPCR検査のグラフですが、検査数は増えていまして累計ではおよそ2万5000件となっているんですが、ただ、検査をした人数はというとおよそ1万人なんですね。そもそも、PCR検査というのは最初に陽性か陰性かを判断する検査があります。そのあと、陽性だった方が退院をするときにも検査が必要で同じ人が何度か検査を行っているということなんですなので、2万5000件と1万人という開きが出るのは1つの理由だということなんです。ただ、二木先生、重要なのは新たな感染者を見つけるための検査なのかなと思うんですがいかがでしょうか。

昭和大学感染症学・二木芳人客員教授(以下二木教授):おっしゃるとおりで最初のころはクラスター対策でクラスターの周辺だけ検査しておけばよかったんですが今、蔓延期ですので少し検査の数を増やして、市中感染や周辺の方々の中からも早期にそういう方を見つけてきちんと隔離をしていくことが非常に重要ですね。

徳永アナ:感染者がこのあと増えていけば、やはり確認のための検査というのが増えてきますよね。政府が目標としている2万件のためにはちょっと難しくなるのかなという面もあると思いますが。

二木教授:政府が2万件を一応、目標ということで今、準備ができているとおっしゃっているんですがこれは先ほどのホテルと同じで検査の機械はそろえることができてもそれをきちんと動かしてくれる人員が足らないんですね。ですから、車があっても運転手さんがいないということでなかなか検査の数が上がっていかないのが実情だと思います。

徳永アナ:検査する方も感染のリスクも高いですしやはり、簡単に検査数を増やすわけにはなかなかいかないという現状はありますかね。

二木教授:特に検査をしてくださる方っていうのはいわゆる技師さんですがこういう方は数も限られておりますし大変難しいですね。ですので、もし数を増やすということを考えるのであれば最近、新しい機器が出てきています非常に早く検査ができるようなものもありますのでそれを活用する。あとは民間の検査会社があります。ここに少し頑張っていただくともう少し検査件数を増やせるゆとりがあると思いますね。もう1つはこういう時期ですから国際協力ということで周辺の国々ではある程度、感染が収まっている地域もありますね。そういうところでは、検査に少しゆとりがあると思いますのでそういうところになんとか助けていただくということも考えていいんじゃないかなと思います。

徳永アナ:二木先生、今日はどうもありがとうございました。

【検証部分】

今回は繰り返して取り上げていますが、PCR検査の増加に関する報道を取り上げます。

PCR検査を増加させることに関して賛否両論あるでしょう。
放送でも紹介しているように感染者数をしっかりと把握して感染防止に努めるというメリットはあるでしょう。

しかし、PCR検査をただ増加させるべきだという論調での放送は放送法に抵触する恐れがあります。

PCR検査を増加させることについて慎重意見もあることをしっかりと放送するべきでしょう。
慎重論について見ていきましょう。

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新型コロナウイルスの感染拡大が続き、政府は7都府県だった緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大した。日本感染症学会と日本感染環境学会は、感染症診療のあり方を変えていく必要があるとして、診療に携わる臨床現場などに向けて「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方」を発表した。ポイントの一つが、軽症の患者に対してはPCR検査を勧めていないことだ。さらに、医療崩壊を防ぐために重症患者の治療に特化することを提言している。

(中略)

感染拡大初期から「風邪の症状だが、新型コロナではないか」といって検査を求める声が殺到したという事情がある。舘田理事長は「不安な気持ちは分かるが、治療法もなく、軽症でも入院が必要になるなど、医療資源を逼迫(ひっぱく)させてしまう可能性が学会では危惧されていた」と言う。 (後略)

《PCR検査、軽症者に推奨せず―新型コロナ 感染2学会「考え方」まとめる
https://medical.jiji.com/topics/1614
》より引用
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このような意見もあります。
PCR検査によって医療資源が逼迫してしまう恐れがあるのです。

このような意見をしっかりと放送する必要があるでしょう。
様々な論点がある問題にもかかわらず、この日の放送のように論点をしっかりと提示しなければ下記の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して監視を続けてまいります。

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