2020年5月26日 報道ステーション

2020年5月26日 報道ステーション

5月26日の報道ステーションのレポートです。
検証するのは以下の点です。

・様々な論点を提示した放送であったか

今回はコロナ禍における経済対策について太田氏のコメントを見ていきます。
短いコメントですが、見てましょう。
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【コメンテーターによる解説】
森川夕貴アナウンサー:太田さんにお話を伺います。太田さん、政府は異例ともいえる規模で支援をなんとかして経済を立て直そうとしていますが私たちの経済への不安はまだまだ尽きないところですね。

太田昌克氏:そうですね。今回、経済の面においてもコロナ禍がやっぱり日本の社会に突きつけていることがあるんです。それは社会の裕度という概念だと思うんです。
裕度というのはすなわち余裕の度合いですよね。9年前の原発事故でもこの概念が注目されたんです。想定を超えた地震や津波への余裕を示す度合い原子力安全の裕度という問題が非常に注目された。日本の経済についていうなら今回のような、未曽有の事態に備えた裕度がそもそも備わっていたのか。今、竹森先生がおっしゃったように有事の際に弱っていらっしゃる方困っていらっしゃる方にお金を手当てするというのは政府の公助の観点から非常に重要な役割で使命なんです。そのために平時から財政の健全化これをしっかり保つ必要がある。すなわち放漫財政をいつまでも続けていてはいけないんです。
なぜなら有事の際に借金もできなくなる。すなわち財政の裕度が実は問われてくるんです。
それから、今回はPCR検査に象徴されますように医療や感染症対策への裕度も問題になった。
これから新しい生活様式ということで裕度を増やした社会設計をやっていかないといけない。
それが社会の復元力それから強靭さ、危機克服のレジデンシーにつながっていくと思います。

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【検証部分】
太田氏はコロナのような緊急時に借金ができるように、日頃から財政を健全化しておく必要があるとしています。
太田氏が国の借金をどのように捉えているかこの発言だけでは、分かりませんが、国の借金を悪とするような発言であると思われます。

しかし、国の借金は必ずしも悪とは言えません。

なぜ借金を悪と考えるのか、それは個人の借金と同様に考えてしまうからでしょう。
人間は生きている間で、自分が返すことのできる範囲でしか借金ができません。
返済能力がないと判断されてしまった人はそもそもお金を貸してもらえません。

一方、国の借金を考えてみると、国がなくなることは原則ありません。
借金して、国の経済を盛り上げて将来の人たちもお金が稼げるようにして、借金を返す。また借金をして・・・ということを繰り返しているのです。
今ある借金だけで国の借金を語ることはできません。

そして国が危機に瀕している時は惜しみなく借金をします。
例えば日露戦争の時の日本がそうでした。
欧米列強をここで跳ね返すことができなければ、植民地になる恐れもありました。
まさに亡国の危機に外国からも国民からも借金をして、戦費を調達しました。国民一丸となって増税に耐え、戦争に勝利したのです。
日露戦争は1904年開戦ですが、この時の借金を返し終えたのは20世紀末と言われています。

財政均衡にこだわりすぎるがあまり、国が滅びてはなんの意味もありません。
国の借金は将来に対する投資でもあるのです。

こういった国の借金が持つ意味をしっかりと放送すべきですが、放送では一面的な面でしか放送がなされていません。
このような放送は下記の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して監視を続けて参ります。

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