2020年7月12日 サンデーモーニング(前編)

2020年7月12日 サンデーモーニング(前編)

サンデーモーニング、2020年7月12日分の検証報告(前編)です。

今回の報告では、
① 新型コロナウイルスに関して、「陽性率と市中感染拡大」について報道された部分
② 新型コロナウイルスに関して、「二つの危惧」について報道された部分
③ 米軍基地でのクラスター発生について報道された部分

以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
① 新型コロナウイルスに関して、「陽性率と市中感染拡大」について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

【VTR要約】
新たな感染者が3日連続で200人を超え、金曜日には過去最多となる243人を記録する東京都新規感染者数。その多くは20代・30代の若者が占めています。9日東京都庁・小池知事は「今回224人の陽性者を出したのは検査が3400件に上っているということで」と述べ、感染者急増の理由として検査数の多さを強調しました。しかし、感染経路が分からない人も多く市中感染の広がりが懸念されています。
渋谷区の飲食店に勤務する20代の男性は、働いている店でもさまざまな感染対策を行っていたため突然のコロナ感染でした。PCR検査で陽性が判明すると、すぐに保健所から電話が入り「ホテルか病院に隔離される。家でもマスクと手袋だけはして、とにかく部屋から出ないように言われた」と話しました。陽性判明から3日後、男性はワゴン車で施設に移動し、隔離生活が始まりました。食事を含め宿泊費などは一切無料ですが、終日部屋にいることが求められ部屋を出られるのは1日3回の弁当を取りに行くときだけです。毎日2回、LINEで体調の報告を求められるという。未だにどこで感染したかわからないという男性は、発熱中にも知人と外出しており、感染を広げたのではないかと不安を口にしました。
埼玉県で独自にPCR検査を行なっている病院の院長も、市中への感染拡大の兆候はすでに表れているといいます。ふじみの救急クリニック鹿野院長は「職場での陽性者や、居酒屋やカラオケに仲間内で行って感染したと思われる方など、今は第1波を超えるような勢いで患者が増えている」と述べました。
東京で3日続けて新規感染者が200人を超えたことについて、菅官房長官は「政府としては徹底してPCR検査をして、陽性の人を探すという攻めの姿勢で今対応している」強気の姿勢を崩しませんでした。しかし、陽性率が東京都ではひとつき前は1%台だったのに、およそ6%に上昇。東京都医師会の角田副会長は「新宿だけでなく周辺の検査場の陽性率も少しずつ上がっていますから、市中感染が広がりつつあるということは懸念しないといけない」と危惧しています。

スタジオでの橋谷アナの説明。
これまで200人を超えたの4月16日だけでした。感染者数が100人を超えた7月2日は、休業要請が解除された6月19日から13日後に当たります。感染から発症までの目安とされる2週間とほぼ一致します。やはり休業要請の解除と感染拡大は関係しているのでしょうか。

【コメンテーター発言内容】
松本氏(全文):検査を、もちろん積極的にやれば本来ならば引っかからないような方も感染をしていることが判明するわけですから、検査の数を増やすことはすごくいいことなんですけれども、ただ、検査を実際にやってみて陽性になる方も増えているということは明らかに、感染者数自体が増えているということ。恐らく今、検査を受けに来られる方はもちろんそれぞれいろんなパターンがあると思いますが、症状があって来られる方もいると思いますが、それ以外の、あなた受けてくださいということで受けられる方も多いと思います。そういう人たち全部ひっくるめて、いろんな層があると言っても結局は1.6%だったぐらいだったのが6%ぐらいまで陽性者の割合が増えてきてるわけですのでそれは一つの数字としては市中感染が確かに増えていると思います。感染経路が不明の数も増えているんですね。これもやはり市中感染が増えていることの1つの指標になると思います。
≪関口氏:そして市中感染というのは、ある程度広がることをわれわれは覚悟しなきゃなんないんですか?≫
覚悟するというか、少なくとも本来であれば感染者数は抑えなければいけないんです。ただ、今この世の中の動きは決して感染者数を抑える方向には決してないわけですね。休業はすべて要請されているのは解除されていますしイベントの自粛もだんだん緩和される方向にありますし人と人の接触自体は今までよりも多くなるでしょうし、移動も増えていくと東京、関東中心に感染者が増えていたのがいろんなところに波及していきますのでそういう意味では、これは日本全体として感染者数がこれからさらに増えていくであろうということが考えられると思います。
≪関口氏:東京アラートとか緊急事態宣言とか出さないでいいんですか?≫
私はとにかく感染者を抑えるほうの対策はぜひとってほしいと思います。タイミングは逆に言えば今は遅いぐらいだと思っています。ただ、アラートだとか宣言だとかということだけで何らかの抑制に伴うような行動がないような単なる宣言だったりアラートだったら本当に意味がなくて呼びかけも意味がないと思います。なので、例えばこういうことはやめてくださいとかこういうことはきちんとこういうふうにしましょうと何らかの行動制限なり、少なくとも接触が抑えられるような何らかの対策を取らないと宣言とかだけでは、正直言って意味がないんじゃないかと思います。
≪関口氏:じゃもうちょっと厳しめに出したほうがいいと?≫
もちろん経済と感染対策を両立するのはすごく難しいというのはよく分かります。だけど今は、どちらかというと経済だけに軸足があって感染対策、じゃどうするんだろうという明らかなメッセージが届いていないので、そこをどうするのかをしっかりしてほしい。

大宅氏(全文):こういう統計を出すときっていうのはいろんな条件を一緒にしないと今みんな検査数が増えたんだから要請の人が増えて当たり前だって何となく納得させられそうになってるんですけどそれはちょっとまずいんじゃないかなというふうに思うんですよね。しかも、休業宣言をもう一度出すだけじゃなくて、緩和も促進したいと、明らかに経済のほうをやりたいというのが見え見えで私たちはなかなかそれが説得されないんですよね。もっと数字をちゃんと一定の形にして物差し替えたら全然違うわけですからこうこうこうだから、もう一回やる必要がないですって言えるんですか?何か言えなさそうに見えますけど。

松本氏(全文):私としては、感染者数が増えるとそれを受け入れるのは医療側なんですよね。本当に今の時点でも結構危機感を持ってますし感染者を受け入れている数も明らかに増えています、現時点で。これ以上どんどん増えていくと、やがては自分たちの病院が受けられませんという病院がだんだん出てくるということも決して先ではないと思います。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。

1、VTR内に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、大宅氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、VTR内に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
VTR内においては今回の報道で、以下のように述べています。

VTR要約(抜粋):東京で3日続けて新規感染者が200人を超えたことについて、菅官房長官は「政府としては徹底してPCR検査をして、陽性の人を探すという攻めの姿勢で今対応している」強気の姿勢を崩しませんでした。しかし、陽性率が東京都ではひとつき前は1%台だったのに、およそ6%に上昇。東京都医師会の角田副会長は「新宿だけでなく周辺の検査場の陽性率も少しずつ上がっていますから、市中感染が広がりつつあるということは懸念しないといけない」と危惧しています。

要旨をまとめると、
・東京で三日連続新規感染者200名越えに対して菅官房長官は強気の姿勢を崩していない。
・しかし陽性率は1%台から6%に上昇している。
・東京都医師会の角田副会長は危機感を示している。

というものです。

しかしながら、
・「陽性率は1%台から6%に上昇している。」という部分に関しては、「現在は感染者数の多い夜の街に対して一斉検査が行われている」や「そもそもひと月前と比べて検査数自体が増加している」といった事情があるにもかかわらず、その点を考慮せず陽性率という一つの指標のみを取り上げるという本VTR内の発言は、一方の意見にのみ偏った主張である。

以上のことから、今回の報道でのVTRの内容は政治的に公平でない恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

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2、大宅氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
大宅氏は今回の報道で、以下のように述べています。

大宅氏(抜粋):こういう統計を出すときっていうのはいろんな条件を一緒にしないと今みんな検査数が増えたんだから要請の人が増えて当たり前だって何となく納得させられそうになってるんですけどそれはちょっとまずいんじゃないかなというふうに思うんですよね。しかも、休業宣言をもう一度出すだけじゃなくて、緩和も促進したいと、明らかに経済のほうをやりたいというのが見え見えで私たちはなかなかそれが説得されないんですよね。もっと数字をちゃんと一定の形にして物差し替えたら全然違うわけですからこうこうこうだから、もう一回やる必要がないですって言えるんですか?何か言えなさそうに見えますけど。

要旨をまとめると、
・陽性率の話になると条件が違うためあまり参考にならないという意見があるが、それは少しまずいと思う。
・政府は明らかに経済の方をやりたいというのが見え見えである。
・数字を変えて物差しを変えれば全然違う為、その場合にも休業要請等を行う必要がないといえるのだろうか。
・何も言えないように見える。

というものです。

しかしながら、
・この問題には「現在は感染者数の多い夜の街に対して一斉検査が行われている」や「そもそも検査数を増やしているといった事情があるため一概に比較することはふさわしくない」という反論があり、大宅氏はそれについて発言内で取り上げているのにも関わらず、何の根拠もなくその反論を否定し、「経済ではなく感染防止に尽力すべき」といった自らの考えのみを主張している。そのため、大宅氏の発言は
事実に反する恐れがあり、政治的に公平ではない。

以上のことから、今回の報道での大宅氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して、「東京都での陽性率が増えていることは市中感染が増加していることの指標である」「経済対策よりも感染対策を重視すべきである」という立場に立った意見のみが出てきました。

この立場の意見は、特に、大宅氏の以下の発言に表れていました。
大宅氏(抜粋):休業宣言をもう一度出すだけじゃなくて、緩和も促進したいと、明らかに経済のほうをやりたいというのが見え見えで私たちはなかなかそれが説得されないんですよね。もっと数字をちゃんと一定の形にして物差し替えたら全然違うわけですからこうこうこうだから、もう一回やる必要がないですって言えるんですか?何か言えなさそうに見えますけど。

ですがこの問題に関しては「経済対策も感染対策も双方大切である」や「経済対策を重点的に行わなければ、感染症が広がる以上のダメージを負うことになる」などといった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の前編となります。前編では、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

この続きの
② 新型コロナウイルスに関して、「二つの危惧」について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

③ 米軍基地でのクラスター発生について報道された部分
については後編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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