2020年12月27日 サンデーモーニング(中編)

2020年12月27日 サンデーモーニング(中編)

12月27日のサンデーモーニングのレポート中編、新型コロナウイルス感染症による生活困窮者の増加について報道された部分です。

今回検証するのは以下の点です。

・さまざまな論点を取り上げた報道であったか

まずは放送内容を確認していきます。
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【VTR】(要約)
 コロナ禍において企業の休業や廃業が相次ぐ中、弱い立場の人ほどより厳しい状況に追い込まれている。東京商工リサーチによると、休業や廃業、解散した企業は去年より2割も増え、過去最多を大幅に上回るペースで、女性が多く働く飲食などのサービス業が全体の3割を占めた。
 東京都庁前で食料配布を行ったNPO法人を主催する大西理事長は「製造業の失業が目立ったリーマンショック時と比較し、今回は飲食店や旅館などかなり多岐にわたって影響がある」と話す。過去の不況とは全く違う新型コロナの影響で仕事を失った人や失う見込みの人は、国が把握しているだけで既に7万9000人に達している。

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【パネル解説】
政府の新型コロナの経済対策で、雇用調整助成金と、休業支援金、給付金については来年の2月末まで延長されている。一方、厚労省が生活に困窮する人からの相談件数を調査したところ、去年に比較し今年は大幅に増加している。去年の同じ時期の相談件数はおよそ12万4000人だったものが、今年はおよそ39万2000人。去年の3倍以上の声が寄せられた。また、自殺者の数を見ても先月(11月)は1835人、5カ月連続で前の年と比べても増加している。こうした状況を困窮者の支援を行っている『もやい』の大西理事長は「これまでぎりぎり耐えていた人も、年末で仕事が減って一気に困窮することがある。コロナ禍でもともと孤立しやすい人が、より孤立する状況に追い込まれている」と危機感を露わにした。

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【コメンテーターによる解説】(一部要約)
高橋純子 氏:女性が輝く社会というふうに掲げられてきたわけですが、実際は非正規で何とか生きているという実相が現れてきていると思います。ただ、コロナで私たちは社会の一員だということを強く意識したと思うので、そのパワーを前向きに使って社会や政治を変えていくことが求められていると思います。(要約)

寺島実郎 氏:1月16日に日本で最初のコロナの患者が出てから約1年たとうとしてるんですね。日本のパンデミック対応の政策科学は進化したのかと。このままいくとマスク2枚と10万円配って、給付金の議論ばっかりしてる国ということになる。要するに、パンデミックに対する研究、医療体制というものをこれを機会にこれだけ装備したとか、今の社会政策的に困窮者を助ける仕組みというものをこういうふうに作ったんだとか、キリッとした政策科学の議論がなされずに今日までに至っている。自殺1835人というのは11月だけの話で、毎年、日本というのは2万人近く自殺するんですけど、今年は本当に驚くべき状況になってきていて、特に気にしているのは若い人の自殺。15歳から30代までの人の自殺が本当に5000人をはるかに超えていくと思います、今年。若い人たちが希望を失うということの意味を日本の将来とかね合わせてよーく考えてみたらいいと思います。

松本哲哉 氏:新しい感染症で世の中が本当にガラッと変わり、社会の弱者の方たちは本当に苦労されていると思います。とにかく感染者を減らしていくことが大事ですが、個人の努力ではかなり難しいので、政治がリーダーシップをとって、国なり自治体に、実効性のある積極的な策を早めに打ち出していただいきたいです。(要約)

【検証部分】
今回取り上げたのは、コロナ禍における生活困窮者の実態に関する報道です。
この放送で問題となるのは、寺島氏の指摘が偏った視点からのものとなっている点です。

該当する箇所は、「1月16日に日本で最初のコロナの患者が出てから約1年たとうとしてるんですね。日本のパンデミック対応の政策科学は進化したのかと。このままいくとマスク2枚と10万円配って、給付金の議論ばっかりしてる国ということになる。要するに、パンデミックに対する研究、医療体制というものをこれを機会にこれだけ装備したとか、今の社会政策的に困窮者を助ける仕組みというものをこういうふうに作ったんだとか、キリッとした政策科学の議論がなされずに今日までに至っている。」という部分です。寺島氏は、日本のコロナ対策が、マスクの配布と10万円の一律給付に終始しており、現在も給付金の議論ばかりであると批判しています。

しかし日本のコロナ対策には、マスク、補助金以外にもさまざまあります。例えば手洗い、うがい、消毒などの、無理のない範囲での対策を励行するといった、感染の拡大を抑えつつ日常生活を維持するための取り組みを行ってきました。また、3密を避ける、大人数の集会の制限、テレワークといった、感染が発生しやすい行動に対してのピンポイントの対策によって、普段の生活や仕事への支障を最小限にとどめる努力がなされています。
そして同時に科学的な研究によって、これらの対策がどれほどの効果をあげるのかについて研究が進んでいます。マスクやフェイスシールド、定期的な消毒によってどれほど感染を防げるかということは、感染拡大初期に比べてかなり可視化されています。そしてこのような研究をもとに、どのような感染対策の措置を取るべきかということが検討されています。

これらの対策によって、日本ではなるべく日常生活を維持しつつ、ある程度感染拡大を抑制するという成果を上げることができています。

また寺島氏は政府が現在補助金について重点的に検討していることを批判的に指摘していますが、一方で給付金についてより検討するべきという意見もあります。現在、コロナ禍での休業や需要の減少などで、経済的に困窮した人や事業者が多くいます。そのような人々は、生活を続ける、また事業を維持するための資金を必要としています。もちろん医療体制の整備なども必要とされていますが、政府から事業者や困窮者への補助金も同時に求められているといえます。

このような事実を踏まえると、寺島氏の日本政府の対策はマスク、補助金に終始しているという批判は、偏った視点からの一面的な指摘といわざるを得ません。

このような放送は次の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して監視を続けてまいります。

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