TBS「サンデーモーニング」、2020年8月2日放送回の検証報告(前編)です。
今回の報告では、
①新型コロナウイルスの家庭内感染ついて報道された部分
②「風をよむ」にて米中新冷戦について報道された部分
③韓国に設置された土下座する安倍首相について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。
前編で検証するのは、
①新型コロナウイルスの家庭内感染ついて報道された部分
となります。
では、さっそく放送内容をみてみましょう。
夜の街関連など若い世代が中心だった6月からの感染の波は今、中高年層へと広がりを見せています。その原因の一つとされるのが家庭内感染です。陽性と判断された場合、無症状や軽症であっても自宅ではなく、ホテルなどでの宿泊療養が基本とされています。しかし先月下旬、愛知県に住む20代の女性は発症後もPCR検査をなかなか受けられず、陽性判明後も入院先はすぐには決まらず発熱から入院まで1週間以上、自宅での療養を余儀なくされました。
自宅療養中はできる限りの対策をしていたが、その後の検査で家族への感染が確認されました。
「自分が体調悪くて動けない分、必ず家の中の誰かに頼まなければならないので、マスクをしていても写してしまったので、防げないところがある」と女性は話しました。
1日東京都では経路が判明した167人のうち50人が家庭内での感染でした。原因の1つと考えられているのが、療養先となる病院やホテルなどには入れず調整中となっている感染者など自宅で療養している人たちで、その数は1500人を超えています。調整中の陽性患者の急増について東京都の小池知事はJNNのインタビューで「感染者数が増えれば増えるほど保健所の収容先の調整に時間がかかってくるということもあります。保健所というのは区の施設であって都の施設では無いんですね。」と述べました。
自宅療養の間に、若い世代から中高年層への家庭内感染が広がっています。東京医科歯科大学病院の新型コロナ患者専用病棟の映像では、病床で重症患者をうつぶせ状態にする作業が映っています。肺の圧迫を和らげるため看護師らが8人がかりで行っており、重症患者が1人いれば多くの医療従事者の手が必要となります。この病院の先月30日時点の入院患者は23人、約4分の1は家庭内感染の可能性があります。
東京医科歯科大学病院・荒井副病院長は「最初は若い人たちが同じ世代の中で増えてきたわけですが家に帰って今度は縦の世代で広がってきてしまう。持病を持っていた方とか高齢の方が重症化して結果的に病院のベットを埋めていく流れが起こっている」増え続ける家庭内感染。それは医療のひっ迫を引き起こす一つの要因となりつつあります。医療体制のひっ迫につながりかねない状態です。」と述べました。
スタジオでの水野アナの説明。
感染不明経路を除いた主な感染経路のグラフ(東京都)を解説。
7月1日〜7日では57%だった夜の街関連が7月26日〜8月1日では21.8%と割合は減少してしています。一方、家庭内感染は9%から27.1%まで3倍まで急増となっています。
家庭内感染の急増が示唆するのは、市中感染の広がっているということ、若い世代から中高年層への感染拡大が起こっている可能性があり、医療体制のひっ迫につながりかねない状態です。
【コメンテーター発言内容】
関口氏(全文):家の中にいてもだめだということになったらどこ行きゃいいんだよってことになっちゃいますね。この辺、賀来先生、感染経路がだいぶ変わってきているように聞こえますが、どうお感じになっていますか?
賀来氏(要約):感染経路は接触感染と会話等でのマイクロ飛まつによる感染が多いのではないかと言われています。 家庭というのはもともと感染が広がりやすい場所なんです。窓の開け方、消毒の仕方など、新型コロナウイルス感染症 市民向け感染予防ハンドブックを作成しました。
どうやったら家庭内感染を最小限に防げるかということを、自宅待機する場合は注意を守っていただければ完全ではないが少しずつ感染のリスクは下がると思うんですね。ただ、やっぱりホテル療養といったものが基本ですし、家庭の中で重症化したときに、すぐに連絡してすぐに入院できるような体制を取らないと、非常にリスクは高いと思います。
大宅氏(全文):ステイホームって言われてホームにいたらかかっちゃったって話ですよね。笑い話にもならないですけど。確かな情報をみんなが、専門家も含めてしっかりした情報をみんなに出してほしいんですね。みんな、それぞれ自分の思いだけで出てるんで、やっぱりこれ違いましたみたいな話ばかりが出てくるので、何で家庭内だと、家族だとうつらないのかな、変な話と思ってましたけど、ですよね?
関口氏(全文):考えればそういうことだけど、一番安全でくつろげるところは家庭だという意識があるからね。
大宅氏(全文):そりゃそうなんですけど、飛まつでうつるというなら家族で話したり、一緒に食べたり笑ったりしたらそりゃ当然、いきますよね。この間、夫婦で、どっちがかかったらどうするという話をして、ちゃんと隔離状態ができるかどうかって、ちょっと無理ですね。
関口氏(全文):そうでしょう、そんなすぐできる家なんかないですよ。
元村氏(全文):こうしたデータすべて、保健所の報告によって私たち知ることができているわけですけど、家庭内感染が増えても職場内感染が増えても保健所が一番、それをまとめて対処しているという意味では数の増加そのものが本当に心配なんです。日本はいったん活動を再開しましたよね。一部ですけれども海外からのお客さん、帰国者も受け入れるようになっている中で、ひとたび陽性者が出れば、その陽性者を積極的疫学調査ということで周囲の人まで含めて病状を聞いたり、検査を仲介したり、入院の調整をしたりということで業務が激増してるんですね。このままだと、もちろんPCR検査を増やすことも重要ですけど、それを一手に引き受けている保健所の業務を何とかリストラしないと、そこでボトルネックになって感染爆発を防げないということになりそうでそれが大変心配です。
関口氏(全文):何だかなぁ、どんどん話を聞けば聞くほどつらくなってっちゃうんだけど、これは世界的な傾向なので、続けましょう。
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。
1、大宅氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、元村氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
それぞれ順を追って解説します。
1、大宅氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
大宅氏は今回の報道で、以下のように述べています。
大宅氏(全文):ステイホームって言われてホームにいたらかかっちゃったって話ですよね。笑い話にもならないですけど。確かな情報をみんなが、専門家も含めてしっかりした情報をみんなに出してほしいんですね。みんな、それぞれ自分の思いだけで出てるんで、やっぱりこれ違いましたみたいな話ばかりが出てくるので、何で家庭内だと、家族だとうつらないのかな、変な話と思ってましたけど、ですよね?
関口氏(全文):考えればそういうことだけど、一番安全でくつろげるところは家庭だという意識があるからね。
大宅氏(全文):そりゃそうなんですけど、飛まつでうつるというなら家族で話したり、一緒に食べたり笑ったりしたらそりゃ当然、いきますよね。この間、夫婦で、どっちがかかったらどうするという話をして、ちゃんと隔離状態ができるかどうかって、ちょっと無理ですね。
関口氏(全文):そうでしょう、そんなすぐできる家なんかないですよ。
要旨をまとめると、
・それぞれがそれぞれの立場で言っているので、専門家を含めた各所が確かな情報を流してほしい。
・なぜ専門家たちは家庭内だと感染しないと考えていたのか。普通は家庭内で隔離状態をつくるなんて無理。
というものです。
しかしながら、
・家庭内感染のリスクが増えており、感染拡大を止めることはできないと視聴者を煽るだけで、具体的にどうやって家庭内感染のリスクを減らすことについては、関口氏・大宅氏双方から全く述べられておらず、政治的公平性を欠く。
など、発言内容とは異なる事実が存在します。
以上のことから、今回の報道での大宅氏の発言は政治的に公平でないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」に違反する恐れがあります。
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2、元村氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
元村氏は今回の報道で、以下のように述べています。
元村氏(抜粋):こうしたデータすべて、保健所の報告によって私たち知ることができているわけですけど、家庭内感染が増えても職場内感染が増えても保健所が一番、それをまとめて対処しているという意味では数の増加そのものが本当に心配なんです。日本はいったん活動を再開しましたよね。一部ですけれども海外からのお客さん、帰国者も受け入れるようになっている中で、ひとたび陽性者が出れば、その陽性者を積極的疫学調査ということで周囲の人まで含めて病状を聞いたり、検査を仲介したり、入院の調整をしたりということで業務が激増してるんですね。このままだと、もちろんPCR検査を増やすことも重要ですけど、それを一手に引き受けている保健所の業務を何とかリストラしないと、そこでボトルネックになって感染爆発を防げないということになりそうでそれが大変心配です。
要旨をまとめると、
・コロナの一連のデータ管理は保健所がしている。経済活動の再開により、再び陽性者が増えるとその接触者に対しても病状を聞いたりしないといけない。
・このままだと、保健所の業務が増えてしまい、感染爆発が起こってしまう。
というものです。
しかしながら、
・コロナウイルスの感染者が増えた後の対処についてしか述べておらず、そもそものコロナウイルスの発生抑制については言及されておらず政治的公平性を欠く
・保健所の業務が増えるから感染爆発が起きるという論理を元村氏は展開しているが、コロナウイルスの感染と保健所の業務量には何ら因果関係は存在せず、コロナウイルスの感染を減らす観点から保健所の業務を減らすべきであるという主張は、根拠の妥当性に乏しく事実に反する恐れがある。
など、発言内容とは異なる事実が存在します。
以上のことから、今回の報道での元村氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「家庭内感染を抑制できないのは政府のせいだ」「若い世代がコロナウイルスの感染を招いている」という立場に立った意見のみが出てきました。
ですがこの問題に関しては「ある程度感染がおこることはしょうがないことで、重症患者を抑制する防方針を取るべきだ」「若者が利用している飲食店などのサービス従事者の経済活動を支えていかないとならない」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。
以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。
以上が報告の前編となります。前編では、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
この続きの
②「風をよむ」にて米中新冷戦について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。
③韓国に設置された土下座する安倍首相について報道された部分
については後編の報告をご覧ください。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。