2020年9月6日 サンデーモーニング(前編)

2020年9月6日 サンデーモーニング(前編)

サンデーモーニング、2020年9月6日分の検証報告(前編)です。

今回の報告では、
① 自民党総裁選について報道された部分
② 立憲・国民合流新党の代表選について報道された部分
③ 「風をよむ」にて種苗法について報道された部分

以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
① 自民党総裁選について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

【VTR要約】
水曜日、菅官房長官は自民党総裁選に正式に出馬を表明しました。秋田の農家の長男として生まれた菅氏は高校卒業後、集団就職で上京。その後、法政大学に入学し国会議員秘書などを経て38歳で横浜市議に当選。ベテラン議員にも臆せず頭角を現し47歳で国政に進出。2006年第1次安倍内閣に総務大臣として初入閣、第2次安倍内閣発足に伴い官房長官に就任。政治の師は梶山静六元官房長官だという。安倍政治の継承を強調しているが、その負の遺産とされる森友問題の再調査については「財務省関係の処分も行われ検察の捜査も行われて、すでに結論が出ているということであるから、そこについては現在のまま」と会見で述べました。
共に総裁選を争う石破氏は、菅氏について「安倍政権を継承するということについて相当アクセント重点を置かれたなと」述べ、岸田氏は「安倍政権の成果については評価する。しかし一つの政策、10年20年同じ政策で通用するほど世の中は甘くはない」と述べました。
石破・岸田両氏にとって厳しい戦いが予想される今回の総裁選。
水曜日、菅氏の出馬表明直後に細田派、麻生派、竹下派、3つの派閥の会長が会見し、一斉に菅氏を支持する構えを見せました。
派閥の実力者がそろって会見したのはいち早く菅氏の支持を打ち出した二階派に対抗したいという思惑がうかがえますが、麻生派・麻生会長は「主導権なんか争ったってしょうがないですから」と話しました。これに対し、二階派・河村会長代行は「一緒に(会見を)やるべきなんではないか。でないとすでに菅氏を応援する中で主導権争いをやっているんじゃないかとか余計な憶測を呼んでもおかしいですよ」と不快感を示しました。
自民党総裁選の投開票日は14日、16日には新たな総理大臣が決まる見通しです。

スタジオでの水野アナによる解説。
自民党総裁選での各派閥の投票先を見てみますと菅官房長官は自身に近い議員の菅グループのほか、最大派閥の細田派、麻生派、竹下派、二階派、そして石原派の支持を固めていて、国会議員票では石破氏や岸田氏を圧倒しています。まだ支持先が決まっていない地方票の141票がどうなるのかも注目されています。

【コメンテーター発言内容】
寺島氏(全文):自民党という党の強さというか魅了と言ってもいいと思うんですけど復原力だったと思うんですね。右に寄りすぎたなと思ったら、リベラルの路線にバネを働かせると。それは、その背後にある国民のまなざしを常に意識していたからだと思うんですね。ところが、安倍政権の継承というのが1つのキーワードになってきているけれども、支持率が30%台に落ちていたような政権の継承といっても、国民としてはピンとこないよなと。例えばコロナに対する対応マネジメント、それからアベノミクスなるものの限界を明らかに露呈している現状ですね。金融じゃぶじゃぶにして、株だけ上げているけど、産業の実体が動かないし、国民が豊かになってない。さらに対米過剰依存というかトランプに過剰同調する日本みたいな空気になっている。こういう状況に対して、次の日本はどうしたらいいんだということを本気で議論して、その中からわれわれの進むべき道が見えてくるというなら大変結構なんだけど権力維持装置だけが働いている気がしてしようがないですね。

大宅氏(要約):憲政史上最長だけが目的だったんだなというがっかり感がある中で、安倍さんのやってきたことをやりますというのが出て、しかもあっという間に派閥が集まって決まりという形になってしまう。昔の自民党の派閥って、もう少しいろんな色があってその情報が出ていて、左とかリベラルだとかが見えてたんです。今何も見えなくて数合わせでやっているようにしか見えないんでいよいよしらけるという状況です。

安田氏(全文):菅さんの会見を見ていると、安倍政権の方針をほぼほぼ、丸々継承しますということを主におっしゃってるんです。ということは事実上、安倍政権の7年9カ月目を始めますということをおっしゃっているに等しいんじゃないかなと思うんですね。総裁だったり総理が代わるのであれば、それまで積み残してきた課題がたくさんあるので、それを引き受けられるのかということが問われてくる。記者会見中、これまでの反省点はと問われる場面もあったんですがそれに正面から実は答えていないんですよね。そうなるとこの7年8カ月、菅官房長官としてやってきた記者会見、例えば、全く問題ないとか、批判には当たらないという、事実上のゼロ回答を繰り返してきたわけで今後もそれを繰り返しますと宣言しているようなものだと思うんです。意思決定の過程に、せめてもの多様性を持たせるのであれば、やはり党員投票を行って、より少しでも意思反映をできるような方法を私は取るべきだったんではないかなと思います。

萩上氏(全文):菅さんは例えば森友学園問題については再検証しないということを言っています。これは決裁文書の改ざんによって自殺にまで追い込まれた近畿財務局の職員そのご遺族が求めているようなさまざまな対応を無視するという格好になっているわけですね。 こういった、菅さんが仮に総理になったらという前提でいろいろ報道がされているんですけれどもそのVTRの作り方も結構ワンパターンになっていて、要は菅さんは実はたたき上げなんだ、苦労人なんだという語りをするわけです。それを見た方々は、へえ、実はそうだったんだみたいに思って何か頼ってみようかというか、あるいは見直したなと思われた人も多いと思うんですがへえ、実はそうだったんだと多くの方が思うのは、ここ数年間、菅さんは何をやっていたかというと、たたき上げなんていう雰囲気はなくて、基本的には疑惑や疑問に対しては蓋をし続ける、無視続ける、そういう記者会見の対応があったわけです。そうした人が実はたたき上げなんだと言われても別にこれから期待することはできないわけですよね。 これまでのそうした姿勢、いろいろ改めなければならないポイントを指摘できるようなリーダー、そこについては大きな疑問があります。

松原氏(全文):自民党員の方からも、私が担当する番組にたくさんのメールが届いたんですけど、多くは、何で派閥で決めるんだ、何で党員投票きちんとやってフルスペックの総裁選やらないんだと。自民党員の方も多くはそういう気持ちなんじゃないかと思います。われわれ、コロナ禍で民主主義に優位があるのか、それとも独裁的な体制に優位があるのか、これはずっと問われてきた。私は民主主義的なもののほうが優位があると思うんです。なぜかというと、リーダーが定期的に代わることでリセットできると思うんです。もちろん安倍政権の評価はいろいろあると思います。ただこの数年、やはり自民党議員の方と話していても安倍さんの次は大変だよねとみんな口をそろえるんです。これはなぜかというと、いろいろ看板掛け替えてやっている感を出していたけれども、長期的な難しいテーマは先送りしていて、状況はさらに悪化してきている。しかも、公務員の公文書の問題とかいろんな問題、負の遺産のど真ん中にいた菅さんはやっぱり否定しにくいだろうなと。しかも今回の流れを見ているとリセットさせないための流れのようにも見えるわけですよね。菅さんが心の中では何を考えているか分からないですよ。ただ、変えるべきものを変えずしてどこが民主主義なのかという問いもあるわけで、やっぱり主権者である国民は、これから変わるのか変わらないのかこれはじっとちゃんとチェックしたほうがいいと思いますね。

関口氏:皆さんの意見を聞いていると、やはり何かの変化を待っているけども、変化しないままこのままじゃ意味ないんじゃないですかと仰っているという気がしました。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。

1、 寺島氏の発言に政治的に公平でない恐れのある内容が含まれている
2、 荻上氏の発言に政治的に公平でない恐れのある内容が含まれている
3、 この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、寺島氏の発言に政治的に公平でない恐れのある内容が含まれている
寺島氏は今回の報道で、以下のように述べています。

寺島氏(抜粋):例えばコロナに対する対応マネジメント、それからアベノミクスなるものの限界を明らかに露呈している現状ですね。金融じゃぶじゃぶにして、株だけ上げているけど、産業の実体が動かないし、国民が豊かになってない。さらに対米過剰依存というかトランプに過剰同調する日本みたいな空気になっている。こういう状況に対して、次の日本はどうしたらいいんだということを本気で議論して、その中からわれわれの進むべき道が見えてくるというなら大変結構なんだけど権力維持装置だけが働いている気がしてしようがないですね。

要旨をまとめると、
・現在の安倍政権はコロナに対する対応マネジメントやアベノミクスの限界が明らかに露呈しているのが現状である。
・アベノミクスでは金融をじゃぶじゃぶにして株だけ上げているが、産業の実体は動かず、国民が豊かになってない。
・また、安倍政権の下でトランプ大統領に過剰同調する日本みたいな空気になっている。
・こういう状況に対して、次の日本はどうしたらいいんだということを本気で議論し、その中からわれわれの進むべき道が見えてくるというなら結構だが、権力維持装置だけが働いている気がしてならない。

というものです。

しかしながら、
・「アベノミクスの限界が明らかに露呈している」や「アベノミクスでは金融をじゃぶじゃぶにして株だけ上げているが、産業の実体は動かず、国民が豊かになってない」という寺島氏の主張は、「アベノミクスは失業率の低下や雇用の増加といった雇用情勢の改善を生んだ」や「雇用者数増加の高止まり等は新型コロナウイルスによる影響もあるため、一概にアベノミクスが限界にきているとは言えない」などといった反対意見もある中、一方の意見にのみ偏った主張である。

以上のことから、今回の報道での寺島氏の発言は政治的に公平でない恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

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2、荻上氏の発言に政治的に公平でない恐れのある内容が含まれている
荻上氏は今回の報道で、以下のように述べています。

萩上氏(全文):菅さんは例えば森友学園問題については再検証しないということを言っています。これは決裁文書の改ざんによって自殺にまで追い込まれた近畿財務局の職員そのご遺族が求めているようなさまざまな対応を無視するという格好になっているわけですね。 こういった、菅さんが仮に総理になったらという前提でいろいろ報道がされているんですけれどもそのVTRの作り方も結構ワンパターンになっていて、要は菅さんは実はたたき上げなんだ、苦労人なんだという語りをするわけです。それを見た方々は、へえ、実はそうだったんだみたいに思って何か頼ってみようかというか、あるいは見直したなと思われた人も多いと思うんですがへえ、実はそうだったんだと多くの方が思うのは、ここ数年間、菅さんは何をやっていたかというと、たたき上げなんていう雰囲気はなくて、基本的には疑惑や疑問に対しては蓋をし続ける、無視続ける、そういう記者会見の対応があったわけです。そうした人が実はたたき上げなんだと言われても別にこれから期待することはできないわけですよね。 これまでのそうした姿勢、いろいろ改めなければならないポイントを指摘できるようなリーダー、そこについては大きな疑問があります。

要旨をまとめると、
・菅氏は森友学園問題については再検証しないと言っている。
・これは決裁文書の改ざんによって自殺にまで追い込まれた近畿財務局の職員の遺族が求めている対応を無視する形になっている。
・現在菅氏が仮に総理になったらという前提で行われている各種報道は、「菅さんは実はたたき上げなんだ」や「苦労人なんだ」という語りをするワンパターンな作りになっている。
・それを見て「頼ってみたいな」や「見直したな」と思った人も多いと思うが、そう多くの人が思うのは、菅氏がここ数年間、たたき上げなどという雰囲気はなく、基本的には疑惑や疑問に対しては蓋をし続け、無視続けるというような記者会見の対応などがあったからである。
・そのような人物が実はたたき上げなんだと言われても別にこれから期待することはできない。
・これまでのそうした姿勢や様々な改善点を指摘されるような人物がリーダーであることには大きな疑問がある。

というものです。

しかしながら、
森友学園問題の再検証という点に関しては、VTR内でも述べられているように「検察の捜査や会計検査院の検査、財務省関係者への処罰もすでに終わっており、再検証の必要はない」などといった反対意見がある。
にもかかわらず、こうした意見に一切言及せず森友学園問題を再検証しないとする菅氏の姿勢を「疑惑や疑問に対しては蓋をし続ける、無視続ける」や「これまでのそうした姿勢、いろいろ改めなければならないポイントを指摘できるようなリーダー、そこについては大きな疑問があります」などと批判する同氏の発言は、政治的に公平でない。

以上のことから、今回の報道での同氏の発言は政治的に公平でない恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

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3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して、「党員投票を行わない形での総裁選は不十分である」という立場に立った意見のみが出てきました。

松原氏(抜粋):自民党員の方からも、私が担当する番組にたくさんのメールが届いたんですけど、多くは、何で派閥で決めるんだ、何で党員投票きちんとやってフルスペックの総裁選やらないんだと。自民党員の方も多くはそういう気持ちなんじゃないかと思います。われわれ、コロナ禍で民主主義に優位があるのか、それとも独裁的な体制に優位があるのか、これはずっと問われてきた。私は民主主義的なもののほうが優位があると思うんです。

安田氏(抜粋): 意思決定の過程に、せめてもの多様性を持たせるのであれば、やはり党員投票を行って、より少しでも意思反映をできるような方法を私は取るべきだったんではないかなと思います。

など、こうした姿勢が顕著にみられる発言もありました。

ですがこの問題に関しては「新型コロナウイルスの対応も含め政治空白を避ける必要があり、フルスペックでの党員投票を行う時間はない」や「党員投票は行わないものの党執行部は各都道府県連に対して党員の意見集約に努めるよう要請しており、その結果44の都府県連は予備選を実施する方針であり、党員の意思はある程度投票に反映される」などといった反対の意見があります。

にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の前編となります。前編では、政治的に公平でない恐れがあったり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

この続きの
② 立憲・国民合流新党の代表選について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

③ 「風をよむ」にて種苗法について報道された部分
については後編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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