2020年9月6日 サンデーモーニング(中編)

2020年9月6日 サンデーモーニング(中編)

TBS「サンデーモーニング」、2020年9月6日放送回の検証報告(中編)です。

今回の報告では、
① 自民党総裁選について報道された部分
② 立憲・国民合流新党の代表選について報道された部分
③ 「風をよむ」にて種苗法について報道された部分

 以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

中編で検証するのは、
② 立憲・国民合流新党の代表選について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

4日金曜日、野党が合流して結成する新党の代表選に立憲民主党・枝野代表、国民民主党の泉政調会長が立候補を表明しました。
立憲民主党・枝野代表「現政権に代わりうる選択肢となり感染症危機の中にある日本の政治に緊張感を取り戻し、新たな政治の流れを作っていくという志です。」
国民民主党・泉政調会長「長期政権を許してきた大きな理由はまさに野党にあると。だからこそ野党自身が国民に愛され親しまれる野党でなくてはいけない。」
代表選は10日投開票、15日には結党大会が行われ、新党には衆参合わせて149人が入党届を提出しています。一方、合流新党に参加しない意向を示す国民民主党の玉木代表などの議員十数人は15日に別の新党を結党する方針です。

萩上氏(全文):野党第1党の役割は政権交代の可能性を常にアピールすることで、そのことによって議会に対して、そして行政に対して緊張感をもたらすということなんですね。そうした力がここ数年間、本当に弱かった。そうした中で、野党が一定の大きい勢力にまとまっていこうということなんですけれども、政権交代の可能性ということを言うためには、やはり政策も問われてくることになります。その中では今回候補として挙がっている2人とも消費税の減税に踏み込みました。さらにその財源の在り方などについてはまだまだ議論の余地があるわけですけれどもこうしたさまざまなカウンターとなる政策をしっかりと足場を固めたうえで出していくということを続けていかなくてはいけないと思います。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。

1、 この報道全体が政治的に公平でない恐れがある
2、 この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
これについて以下にて解説します。

1、 この報道全体が政治的に公平でない恐れがある
今回の立憲民主党・国民民主党合流新党の代表選は、党員やサポーターに投票権がなく、完全に国会議員のみの投票で行われました。

その点今回の放送では前編「自民党総裁選について報道された部分」にもある通り、合流新党と同様に党員投票を取りやめ、国会議員票と地方票のみで行われた自民党総裁選に対しては党員投票を行わない形での総裁選を批判していました。
(詳細は前編「3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている」をご覧ください)

党員投票は行わなかったものの地方票を票に組み入れた自民党に対しては「党員投票を行って、より少しでも意思反映をできるような方法を私は取るべきだったんではないかなと思います(安田氏)」などと批判しているにもかかわらず、党員投票を行わなかった合流新党に関してはその点を批判はおろか言及すらしない今回の報道は、政治的に公平ではありません。

以上のことから、今回の放送は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」に違反する恐れがあります。

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2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

今回の放送では、この話題について、立憲民主党と国民民主党の合流や枝野・泉両候補とも消費税減税に言及していることに対して肯定的な立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの話題に関しては前者については「合流しても結局は分裂していた旧民進党がまたくっついたにすぎない」などといった否定的な意見が、後者については「そもそも消費税増税を閣議決定したのは枝野・泉両候補が所属していた当時の民主党政権であり、それを棚に上げて消費税減税に言及することは無責任である」などといった否定的な意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の中編となります。後編では政治的に公平でなかったり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

この続きの

③ 「風をよむ」にて種苗法について報道された部分
については、後編の報告をご覧ください。

① 自民党総裁選について報道された部分
については前編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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