2018年初っ端のサンデーモーニングは、
なんと3時間の拡大版!
SNSを賑わせた発言が頻発しましたが、
ここでは小生が特に皆さんにお伝えしたい「サンモニ発言」をご紹介します。
新年初話題は北朝鮮問題から。
VTRでは、北朝鮮が経済制裁で疲弊して融和態度を示していると伝えました。
ゲストのコメントを見てみましょう。
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寺島実郎:北朝鮮の変化なんですけど、これは明らかに米韓の分断を狙ってるんです。対話か圧力かなんていう枠組みで一喜一憂するところから一歩踏み込んで考えなければいけない。
(中略)
日本こそ本来なら北東アジアの非核化だとか、この後、東アジアをどうしていくんだというビジョンとか構想を示さなきゃいけないのに、ただひたすら、トランプと一緒になって動こうとしているというだけで。日本独自のメッセージというものが問われるのが今年だというふうに、僕は考えるべきだと思います。
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「米韓離反工作」などと、珍しくまともなことを指摘しました。
しかし後半は日米離反推進?
寺島氏は昨年11月19日のサンモニで、トランプ訪韓の慰安婦抱きつき&独島エビ晩餐会を「これって韓国が勝手にやったんだって思うかもしれないけれど、アメリカのある種の意思がここにあるというかね…」と言っていました。
米韓離反はさせたくないけど、日米は仲良くしてほしくないのでしょうか?
フォトジャーナリストの安田菜津紀氏は、「冬の経済制裁」について…、
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安田:韓国との国境地帯を訪れたことがあるんですけれども、国境を隔てる川は凍っていましたし、その北の大地というのは、さらに厳しい大地を巡る死線というのがそこに巡っているのかもしれない。(中略)私たちはのっぺらぼうの、顔のない集団と向き合っているのではなくて、そこには1人1人の選択、1人1人の生活、私たちの選択が揺るがしかねない、そういった想像力を同時に欠いてはいけないと改めて思います。
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北朝鮮に住む人たちのことを思いやるのは安田氏の勝手ですが、
「心持ち一つで核ボタンを押しかねない、配下の人のことを考えない敵対心むき出しの指導者がいる地域が近くにある」そういった想像力を欠いてはいけない、
というような反対意見を述べる人も同時に出演させるべきと思います。
次は東大の日米政治学者、西崎文子氏。
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西崎:もし制裁が効いているとすれば、アメリカの方がもっと余裕を持って北朝鮮の態度の変化に向けて外向的な努力をすべきだと思うんですね。それができていないところが非常に大きな問題で。だからこそ今、寺島さんがおっしゃったように、日本が韓国ともっと緊密に連携を取り合いながら対話をどうやって進めていくのか、何をゴールにするのかということを検討していくべきだろうと思います。
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北朝鮮はロシアに接触してアメリカとの対話を模索している、と以前サンモニで伝えていたのに、水面下で進行している可能性も上げませんでした。
強い立場の方が「対話しようぜ」と譲歩する外交なんてありえないでしょう。
西崎氏は外交の専門家なんですがねぇ。
しかも、寺島氏は「日本と韓国はもっと緊密に連携を」なんて言ってなかったのですが…。
BuzzFeed古田氏が「北朝鮮は核の実戦配備が近づくまでは対話にはのってこないでしょう」と西崎氏とは反対の意見を述べていたので、この話題では公平と判断します。
ただ…、
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古田:この先どうやって北朝鮮を抑えていくのかということについて、日本がビジョンを示してほしいなと。そのビジョンがアメリカからどうも出そうにないですよというのが今の状況なのかなと思います。
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外交戦略を逐一国民に知らせなきゃならない、という発想にどうしてなるのでしょう?
日本国民に知らせることは相手国に知られる、ということです。
北朝鮮を抑える術を知らせたら、北朝鮮はそれを打開する策を練ってくるでしょう。
という反論はこの番組で出てきませんでした。
造園デザイナーの涌井雅之氏も「手の内を明かせ」みたいなことを言っていました。
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涌井:解決策へのビジョンをどうやって世界に対して提示するのかという一番重要な場所にいるんだということを認識すべきだと思うんですね。
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こういった北朝鮮の話題でも、護憲したいサンモニ。
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涌井:一番に指摘したいのは、この不安定な情勢をテコにして、日本の国内の情勢を1つの方向性を誘導していこうというのは絶対にやってはいけないことだろうと思うんですね。例えば憲法改正の議論とか。
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北朝鮮の脅威をVTRやゲストコメントで散々伝えていた後の「憲法改正反対」は説得力をもちませんが、一つの考えとして提示するのは結構でしょう。
ただし、「憲法改正」意見を誰かが述べて、両論提示されればですが…。
出演者を一方的に批判するのはフェアではないので、小生が賛同したところもご紹介します。
ロシア、ドイツ、中国の首脳が新年にテレビ演説した話題で、
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寺島:僕は、とにかく今年注目しなければいけないのは中国だと思ってましてね。不気味な中国というか、習近平第2期政権に入って。僕は台北で新年を迎えたんですけども、台湾の人たちが口をそろえて言っていたことが、やっぱり中国が不気味に台湾を締め上げてきてるんですね。独立なんていう議論は一切吹き飛び、例えば9万社、台湾に進出している企業、2万社ぐらい引き上げたいんだけれども、引き上げようにもお金を送金させないってぐらいの圧力をかけてる。ですから香港に圧力かけ、台湾に圧力をかけ、そして北朝鮮問題を自分たちで主導的にグリップしようとしている。東アジアにおける中国の実績を第2期政権のベースにして、第3期にまで入っていこうという中国の不気味さというものに正面からどういうふうに向き合っていくかが日本の課題だと思いますね。
関口:台湾は北朝鮮よりも付き合ってる国が少なくなっちゃったんでしょ。
寺島:20カ国しか外交関係がない。それもオセロゲームのように中国が札びらでひっくり返しているんです。
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寺島氏が中国について批判的にコメントしていたので、見直しました。
そして、思想的ではなく、放送的にこの日一番フェアでなかった箇所です。
慰安婦問題の日韓合意に関する話題で、
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西崎:元慰安婦の意見を聞かずに一方的に推し進めた、意見を聞かなかったというのは、これは当時から言われていたことで。やはり朴槿恵元大統領と今度の文在寅大統領の立場の違いが明らかになって、韓国の中の分裂も見えていると思うんですけれども、やはりこの問題は、政治決着といいますか政治的な外交問題として語る部分と、それから慰安婦の人たちの人権と、それから歴史の問題ですね。これをどういうふうに今後とも考えていくのかということ、それはやや切り離した形で進めていく必要があるのではないかと思います。
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日本からの支援金を元慰安婦の77%が受取済だと伝えていません。
事情を知らない人は「元慰安婦全員が納得していない」と受け取るでしょう。
フェアではないですね。
ちなみに3年以上前のことですが、朝日新聞が慰安婦報道の虚偽を認めた件をサンデーモーニングも取り上げたのですが、その時関口氏は「吉田証言というのは、時々おかしいのではないかという指摘はあった」と述べていました。
http://news.livedoor.com/article/detail/9254748/
おかしいと思っていたのであれば、報道番組らしく、慰安婦問題が巻き起こった当時からの時系列を追った特集を放送してほしいものです。
監視を続けます。