2018年3月18日 サンデーモーニング

2018年3月18日 サンデーモーニング

3/18のTBS『サンデーモーニング』監視レポートです。
森友文書に約3分の1を費やすほど、執着している様子。
当然、冒頭から森友文書の話題です。

どこの局でもやっていることですが、サンデーモーニングも文書の印象操作をやっていました。

---
ナレ:森友学園側が、「夫人からは『いい土地ですから前に進めてください』とのお言葉を頂いた」と述べていたことも削除されていました。
---

---
ナレ:森友学園側が、「夫人からは『いい土地ですから前に進めてください』とのお言葉を頂いた」と述べていたことも削除されていました。
---

籠池容疑者の供述を記録したものだとはVTR中には述べていません。
「首相夫人が土地取得に関与した」と視聴者が受け取ってしまう作り方です。

麻生財務大臣「悪役」、佐川前理財局長「被害者」に印象付けようとする箇所もありました。

---
ナレ:改ざんは財務省理財局の一部が行った、と強調した麻生財務大臣。自らの責任については…

記者:野党からは大臣の進退を考えるべきという厳しい発言がありましたが、その点についてはいかがお考えですか?

麻生財務相:私の進退については考えていません
---

「強調した」と強調することで、麻生財務大臣の印象を悪くしています。
なぜ、「述べた」や「回答した」ではないのでしょう。
そのすぐ後に、「自らの責任については…」「進退については考えていない」と答える姿を見せることで一層元凶感を際立たせました。
麻生財務相を悪役にすることで、その後に流れる佐川前理財局長の答弁映像は、責任を被せられたのだろうと視聴者の同情を誘う様になっています。
実際、小生は一度目に視聴した時にはそのように感じました。ですから、一般視聴者もそのような感想を持ったことでしょう。

安倍首相の答弁を違う意味合いを持たせようとしていました。

---
ナレ:改ざんが行われていたのは、去年2月下旬~4月にかけて。野党はそのきっかけが総理のこの答弁に会ったのではないかと追及しています。

安倍総理(2017年2/17衆院予算委):私や妻が関係していたということになれば、それは猛間違いなく総理大臣も国会議員も止めるということははっきりと申し上げておきたい。
---

これを唐突に流したら、「森友学園に少しでも関わっていたのなら辞任」と視聴者は思ってしまうのではないでしょうか?
しかし、この答弁は「もしも値引きに関与していたら」の話でしたよね?
去年の予算委員会では値引きの根拠について話し合っていました。
サンモニは視聴者に「安倍さんがどんなことであろうと少しでも森友に関与してたら辞任」という風に受け取れるVTRの作り方は問題かと思います。

この日の放送で一番問題だったのは、ゲストの中で森友文書を読んだ人が誰一人いなかったことです。

---
田中優子:「改ざん削除」の前に、どうして改ざん削除しなければならないような内容が書かれていたのか。「特例」ですよね。つまり特例であった理由を非常に細かく書いているわけで。(中略)非常にいい訳じみていて、しかもその中に安倍夫人の名前が出てくる。つまり関係のない人の名前です。そもそもは。この国有地を売るということについて言えば、関係のない人の名前だとか、日本会議の名前だとか、関係ないわけですよね。だけど、明らかに影響を及ぼしているかのように書かれている自体が非常に気になるんです。
---

森友文書を読んでいたら、首相夫人や日本会議が土地取得に影響を及ぼしたような記述がないことを知っているはずです。
しかし、田中優子氏は「明らかに影響を及ぼしているかのように書かれている」と断言しています。文書を読んでいないことが明白です。
しかも、他のゲストも誰一人としてそこを指摘しない。
誰も正確な情報を持っていないのに印象で進行する報道番組だ、と証明したようなものです。

そして、本来ならば名誉棄損にあたる発言がありました。

---
松原耕二:例えば加計学園の時のような総理の御意向などはですね
---

首相の意向があったかどうかが事実と断定されてないことをこのように言い切るのは、そのように視聴者に思わせる為の誘導だと取られても仕方のない発言かと思います。

森友文書は「風をよむ」のコーナーでも特集しました。

内容は、なぜ「公文書改ざん」が行われたのかについてです。

下記がVTR構成です。この世に存在しない単語も書いてありますが、番組内で使用していたものをそのまま書いています。

---
・街頭インタビュー…全て改ざん批判の声(矛先は政府なのか財務省なのかは不明)
・海外新聞メディア報道…安倍総理夫人のスキャンダル扱い
・小泉進次郎議員の自民批判…政権は佐川氏に責任を押し付けて逃げてる論
・過去の問題のおさらい…南スーダン日報、加計学園、裁量労働制データ
・安倍内閣以前の官僚…官僚の役職は各省庁の人事で行っていたが、縦割り行政で、省益優先や癒着が酷かった。
・安倍政権下の内閣人事局発足→幹部官僚人事を官邸決定に。
・東大 内山融教授:官僚も昇進したいし、クビになれば唯の人。官邸の意向に敏感になる。
・安倍「一強体制」で官邸主導が定着。「いわゆる共謀罪法」が成立。
・「官邸主導」が行き過ぎた状態。民主的な手続きを省いていて健全ではない。“一強体制”が持つ最大の弊害である。

VTR締めのナレ:全ての責任が一人の官僚に向けられたかに見える改ざん問題。それは私たちに何を問いかけているのでしょう?
---

要は、官邸に人事を掌握されているから、官僚が政治家に忖度するようになった、と言いたいようです。

サンモニはどうしても公文書の改ざんの原因を「安倍政権の圧力」に持って行こうとしていました。

---

関口:官邸主導ってのは、何か決める時にスピードアップを図れる。だけど行き過ぎるととんでもない力になってしまって、「官邸独裁」みたいなね、感じにもなるのかなって思いますが、どうでしょうか?
---

「強権発動」したと言いたいのでしょうか。
内閣からの指示があったという証拠もないのに、「官邸独裁」という単語で悪い印象を視聴者に与えるのは、報道番組の司会者として大丈夫でしょうか?公平性を欠いていると思います。
先週分でも書きましたが、そういうどちらか一方に肩入れする番組を作りたいなら、TBSは放送法から「公平な報道」を取り払うよう総務省に働きかけるべきです。

一方に肩入れした報道といえば、
「ビーチ前川」でお馴染みの元文科事務次官の前川喜平氏のことが他の話題で取り上げられました。
名古屋の中学校で講演を行い、文科省がその授業内容や録音データの提出などを求めたというものです。

---

田中優子:教育基本法って、支配に服さない教育現場を作るってことになってるんですね。つまり文科省は支配に服さない教育をする人たちをサポートしなければならない。そういう立場なんです。それなのに、今回わかってきたのは、どなたか分かりませんけど議員からの依頼があったというようなことを聞いていますが、文科省自体が支配に服してるのかもしれない。何かこうそういうことで行政が歪められたとおっしゃった前川さん、今回も行政が歪められたという気がしますね。で、もうこうなったならば、もっとたくさんの中学校高校が前川さんをお呼びしてドンドン講演していただいて、こういう時に文科省どうするのかな?と、それを見てみたいです。

田中秀征:前川さんという人は文科省にとっては誇らしい人であるんですよね。だからどうしてこうなっちゃうのかな。ちゃんと追及する必要があるんですけれども。それにしてもその教育委員会とか、学校側の対応がね、「神対応」っていうんですかね、波風立たせないようにして尚且つ譲らないというね。関心しました。

関口:何か国家の力が色んな所にこう強く出てて、何か不自然なものを感じる時代に僕はなってると思うんだけど、松原さんはどう思う?

松原:直接命令する形ではなくて、問い合わせという形で圧力を掛ける。これはすごく嫌な感じがしますね。まぁよくありますけどね。
---

「前川さんが文科省から圧力を掛けられている」といった意見ばかりです。
出会い系バーに週4日通っていた元文科省官僚を中学校で講演させることに嫌悪感を抱く保護者の気持ちをサンモニ出演者は汲んでくれないのでしょうか?
サンモニではよく出演者が「少数の意見に耳を傾けろ」と発言しますが、こういう時は少数者の味方はしてくれないようです。
田中秀征氏にいたっては「文科省にとっては誇らしい人」と大層な持ち上げっぷり。
前川氏が文科省を辞めた理由を知らないのでしょうか?
松原氏はTBSの記者ですので、そのくらいのことは知っているはずです。しかし、その情報を番組中に言わないのは、また「報道しない自由」行使ですか。
司会者に発言を振られなくても、「天下り問題で事務次官を辞めた人だ」と補足説明するのは報道番組としても記者としても当然のことだと思います。
「文科省に『天下り問題で辞職した前川喜平氏が公立の学校で生徒相手に授業するなんて何事だ」とクレームがくるかもしれないから把握しておく必要がある」といったコメントが一つも出てこないのは、公平性を欠く報道番組だと判断されても仕方ありません。

監視を続けます。

サンデーモーニングカテゴリの最新記事