2018年4月3日 報道ステーション

2018年4月3日 報道ステーション

2018年4月3日 テレビ朝日「報道ステーション」の報告です。

今回の放送で一番時間を割いた話題は「イラクPKO日報問題」についての話題でした。

今回はこの話題について検証していきます。
詳しく見ていきましょう。

【放送内容①】
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富川アナ「今日はこちらからお伝えします。稲田元防衛大臣。辞任するきっかけとなりました南スーダンの日報問題で、当初ですね日報は廃棄していたと、廃棄したとしていたんですが結局陸上自衛隊に保管されていたということがありました。でそれに関連しまして、じゃあイラクに派遣した時の日報はあるのかと当時国会で取り立たされたところ、稲田元防衛大臣はないと答えていたんですね。それも、一年経った今頃、一部が見つかったというんです。なんでそこまで時間がかかってしまったんでしょうか。そしてそもそも何が問題なんでしょうか。」
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このコーナーの冒頭、富川アナは先日、イラク戦争の際に現地部隊が作成した日報が発見されたことに触れ、VTRがスタートしました。

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小野寺五典防衛大臣「今回十数年前の文書でありますが、イラクの日報が見つかったということであります。」
ナレーター「ない。としていた日報が一転。見つかりました。あの時自衛隊は。」
小泉純一郎総理大臣(当時)「どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域かなんて、今この私に聞かれたってわかるわけない。」
ナレーター「この問題が突き付けていること。」
このナレーターの発言を最後に、いったんCMに入ります。


CM明け
小野寺大臣「国会での答弁並びに情報公開請求の際に、今回確認された文書を見つけられなかったことについてはお詫びを申し上げたいと思います。」
ナレーター「今回防衛省が見つかったと発表したのは、イラクに自衛隊を派遣した際に陸上自衛隊が作成していたとされる日報。去年2月国会では。」
続いて去年2月の衆院予算委の様子を放映。
民進党(当時)・後藤祐一衆院議員「イラクについてあるかどうかだけあるかどうか教えていただけますか。」
稲田朋美防衛大臣(当時)「現地部隊の日報については確認をいたしましたが、見つけることはできませんでした。」
ナレーター「ないとしていたものです。しかし今回日報の一部、およそ14000ページが見つかったと言います。」
小野寺大臣「昨年2月から3月にかけて、限られた時間の中で探索が行われましたが、イラクの日報の保有は確認されませんでした。他方昨年夏以降、陸上自衛隊が全国に所在する全ての部隊等が保有する文章を丹念に確認した結果、日報の一部が確認されたということであります。」
ナレーター「防衛省によると、日報は1月までに陸上自衛隊研究本部と陸幕衛生部に残されていたことを確認。ただ、大臣に報告されたのは先週土曜日。2ヶ月半経った後のことでした。」
記者「(2か月半後の報告だが)シビリアンコントロールの観点から問題は?」
小野寺大臣「改めて陸上幕僚監部を中心に日報の探索漏れがないか、行政文書の再確認を行ったということ。日報に該当するものか、またはあの文書に欠損がないかという観点から精査を重ねていたということ、これらの作業をして私に対しての報告を行ったという風に事務方からは聞いております。」
記者「その事実だけでも大臣の耳に入れるべきだったのでは?」
小野寺大臣「今回報告に時間がかかったということに関しては、どういう経緯があったかってことは再度確認したいと思っています。」

当時の南スーダンの内戦の様子を放映しながら
ナレーター「そもそもこの日報の存在が問われたのは去年2月のこと。当時国会で問題となっていたのは、これとは別の南スーダンに派遣されている PKO 部隊の日報でした。自衛隊が活動するジュバで政府は一貫して戦闘行為はなかったと説明。そして安保法制で新たに可能となった駆けつけ警護の任務を加えました。しかし後に存在を明らかにした日報には戦闘が起きたとの記述がありました。事態を伏せたまま自衛隊を派遣しているのではないか問題視される中で同様に問われたのがイラク派遣時の日報です。」

次に昨年2月の民進党(当時)の合同ヒアリングの様子を放映。
民進党(当時)辻元清美衆院議員「海外で自衛隊が活動している時の活動記録というのは生のデータがとても大事なわけですよ。あのイラクなんかはどっかに残ってるんですか。」
防衛省職員「日報の報告をすると用済み後廃棄していた。」

次に当日の稲田朋美衆院議員の国会内での発言を放映。
ナレーター「当時、『ない』と答弁した稲田元防衛大臣は。」
稲田朋美元防衛大臣「今回徹底的に捜索をした結果、見つかったということだと思います。」
記者「ご自身が大臣の時は徹底した捜索がなされてなかった?」
稲田元防衛大臣「その時は確認したけれども、発見されなかったということで。その報告を受けて答弁をしていたということです。」

【放送内容②】
ナレーター「2003年。小泉総理はイラク攻撃を開始したアメリカに、いち早く支持を表明し、自衛隊派遣を決断しました。」
小泉純一郎総理大臣(当時)「どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域かなんて、今この私に聞かれたってわかるわけない。」
「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域です。」
ナレーター「政府は非戦闘地域との概念を作り、自衛隊派遣に踏み切ったのです。当時、派遣部隊の隊長を務めた佐藤参院議員は。」
自民党佐藤正久参院議員「宿営地に着弾をしたとか、サマワの市内でオランダ兵がてりゅう弾によって殺害されたとか色々ありました。そういうことも当然、あの危険情報、安全対策というものは日報の中に入れて送っておりますので、つまり我々が体を張って、そして汗を流してまとめたものでありますから。日報というのは使ってもらわないと意味がありませんから。」
ナレーター「当時の防衛庁長官は」
石破茂衆院議員「後になってもきちんと検証されるために日報を残しておくのは当然のことで、それが残っていたということだと思う。」

ナレーター「イラク戦争の根拠となった大量破壊兵器は、結局見つかりませんでした。イギリスは当時戦争に参加したことは正しかったのか、15万件以上の文書や当時のブレア首相の証言をもとに7年かけて検証。」
イギリス・ブレア元首相「我々が受け取っていた情報が間違いだったという事実については謝罪する。さらに計画上の誤りや、政権崩壊後に何が起こるか認識する際に誤りがあったことは謝罪したい。」
ナレーター「報告書では平和的解決手段をつくす前に侵攻したと結論付けました。一方の日本。当時の政策判断が正しかったのかいまだ検証されていません。国会では、なぜ今になって一部が見つかり公表されたのか、追求されました。」

続いて当日の衆院財務金融委の様子を放映。
希望の党・今井雅人衆院議員「(書類が見つかった)この二つの組織は、当時の調査の時は調査の対象部署でしたか。」
防衛省統合幕僚監部・鈴木敦夫統括官「そのファイル名が非常に漠然とした形のファイル名でございまして、一見して日報であるということが分かるようなファイル名ではなかった。」
今井議員「いかに政府の調査がいい加減だったこと。大臣に報告したのは3月31日です。予算が上がった時ですね。これ予算の審議してる時にこのことを持ち出すと嫌だと思って握っていたんじゃないんですか。」
山本朋広防衛副大臣「(事務方は)報告があげられるそういう状況に至るまで一生懸命職務に精励をして調査をし、その結果防衛大臣に報告をした。」
ナレーター「あさって参議院では防衛大臣出席のもと質疑が行われる予定です。」
ナレーターのこの発言を最後に、カメラはスタジオへと戻ります。

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富川アナ「無いとしていましたイラクの日報が見つかった。しかもまだ一部だけ、しかもそれを公表するのに2ヶ月半もかかってしまった。これはどんな問題が。」
後藤謙次氏「そうですね、これ森友問題。これが公文書の問題ですが、これに通じるところがありますよね。政府及び霞が関全体が、国権の最高機関たる国会に対する情報を開示しない。そういう悪弊にですね、ある意味浸りきってしまってるんじゃないか、そんな感じがしますね。 (中略)ある面で歴史的な文書が、一時期行方不明になってしまった。これはある意味非常に大きな問題だと思いますね。」
富川アナ「隠ぺいしていたわけではないとしていますけれども、もし改ざんされていたとするならば、この公文書というのは、安保に関わる問題ですよね。」
後藤氏「そうですね。しかもこの間にですね、文民統制のトップの方に防衛大臣も知らされてなかったということは、まさにシビリアンコントロールに直接関わることなんですね。ですからこれ、一防衛省の隠蔽という問題に止まらない、日本政府全体及び日本の安全保障全体に深く根差す、そういう問題を孕んでるんだと思いますね。」
この後藤氏の発言を最後に、このコーナーは終了しました。
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【検証内容】
今回の放送の問題点は大きく分けて2つあります。
1点目はイギリスがイラク戦争に参戦したことと、自衛隊をイラクに派遣したことを混同していること。
2点目はスタジオでの富川アナの発言に問題があったこと。
この2点です。

まず、1点目についてですが、番組はVTRの中で、イラク戦争に参戦したイギリスについて触れました。
そのVTRの中では、イラク戦争の根拠となった大量破壊兵器が結局見つからなかったこと、当時、戦争に参加したことは正しかったのかを、15万件以上の文書や当時のブレア首相の証言をもとに7年かけて検証したことに触れ、ブレア首相のコメントなども放映しました。
その上で、当時の政府がイラクへ自衛隊を派遣したことについての検証が未だなされていないことに対する疑念のような発言もナレーターから発せられました。
ここで考えなければならないのは、日本政府が自衛隊を派遣したのは、戦闘終結宣言が出されてからということ、そして、主な任務が現地のインフラ整備であったことです。一方、イギリスは正規軍を戦闘中に派遣し、いわゆる多国籍軍の一員として戦いました。この2点を踏まえたうえで戦争の検証などについて触れるべきではなかったのでしょうか。
確かに今回の放送は誤った情報を流した、というわけではありませんでしたが、そのようなことに一切言及がなかったため、視聴者の誤解を生む可能性があります。

次に2点目についてですが、富川アナはスタジオで
「隠ぺいしていたわけではないとしていますけれども、もし改ざんされていたとするならば、この公文書というのは、安保に関わる問題ですよね。」
と発言しました。3月の初旬から、財務省による文書の書き換えの問題に関する報道が続いている中で、「公文書」という観点から今回のイラクPKO日報問題を関連して報道することは理解できないことではありません。
しかし、今回の日報問題を「改ざん」の文字を使って報道したことには何か根拠があったのでしょうか。日報の書き換えの有無について、番組内の他の箇所で触れられることはありませんでした。
このことから、今回の放送は放送法第4条第3項「事実は曲げないで報道すること」に抵触している疑いがあります。

今後も監視を続けます。

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