2018年7月24日 報道ステーション

2018年7月24日 報道ステーション

2018年7月24日の報道ステーションの報告です。
この日最も多くの時間を割かれたのは東京オリンピックに関しての話題でした。
今回は自由民主党総裁選挙について報じた部分を検証していきます。

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富川悠太アナウンサー(以下、富川):続いては、この方。戦わないことに決めたようです。
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【VTR】
・岸田氏、総裁選に不出馬を表明
・岸田氏と安倍総理は会談し、政策の違いを話し合った

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【コメンテーターの発言】
富川:岸田さんが今日、総裁選不出馬と表明しまして、安倍総理を支持すると表明しましたので、安倍総理がこれで、自民党内の6割を超える支持を集めることになったんですね。

ジャーナリスト後藤謙次(以下、後藤):そうなんですね。永田町に言い古された言葉で、 “幕が上がったときには芝居は終わってた”そういう言葉があるんですが、それになりかねないような、今日、状況が生まれましたね。

富川:それぐらいの状況なんですね。こうなってきますと、石破さん、野田さん、野田聖子さん、出馬を表明したとしても、かなり厳しい戦いになると。

後藤:そうですね。今日まあ岸田さんの表明、非常にがっかりしましたね。総裁選挙ってのは次の総裁を決める場なんですが、それと同時に党内のいろんな意見を戦わせて、より良い日本はどう作っていくのか、そういう議論の場だったんですね。そして今日岸田さんは、記者会見の中でですね、安倍総理と2点、政策が違うところがあると。そういったわけです。

富川:前々からね、何回も言ってますよね。

後藤:それにもかかわらず、今日2つのことを岸田さんは言ったわけですね。1つは自分は出ませんよってこと。不出馬表明。それと同時に、安倍総理支持表明。今日の段階はですね、私はやっぱり、不出馬はまあ、しょうがない。しかし安倍さんの支持については、これこれこういう理念と政策が一致したからやるんだってところをきちっとやらないと、先ほどの記者会見でも、安倍さんと意見交換をしたと。それをあくまでも密室だけの話であって、それはやはり国民の前でやってもらいたいと思いますね。

富川:なるほどね。じゃもうこれで、ほぼ決まりということになってるんですか?

後藤:ただ、大きな流れはそうなったと思いますが、やはり党員票ってのがひとつあるんですね。

富川:いわゆる地方票というやつですね。405票あります。

後藤:これはあの、6年前のですね、安倍総理が2度目の当選をしたときの総裁選。このときに石破さんが、165取ったんですね。それに対して安倍さんは87だったんです。それが、国会議員投票で大逆転した。それに対して党員から強い不満が出てですね、それで国会議員の数だけ、党員票も同じ数だけ与えようと。

富川:今回は国会議員票と地方票が1対1。405票、405票ということなんですね。

後藤:はい。この票の流れはですね、勝敗とは関係なしにしても、これで仮に、石破さん、あるいは野田さんが大きく票を取るということになると、党員は安倍さんに対してこういう気持ちでありますよっていう意思表示につながるので、この党員票ってのは非常に重要なポイントになると思いますね。

富川:安倍総理、6割の支持を今得ていますけれども、極端な話、全員の地方票を石破さんが取ればこれだけ高くなるっていうことにもなりますよね。

後藤:そうなります。ですから、この党員票の行方というのがおそらく今後の自民党の政治、あるいは日本の政治の流れを決めると、いう意味まあ、岸田さん自身がですね、早く判断ってことが無責任だと、しないことがですよ。と言ってましたけど私は、出ないことの方が、はるかに無責任だなあと、そんな気がしますね。

富川:なるほど。ひとつ、キーマンは?

後藤:キーマンはやっぱり小泉進次郎さんでしょうね。進次郎さんがどう動くのか。誰を支援するのか。6年前は、進次郎さんは石破さんを支持したんですね。その流れが今回も続くのかどうか。そこは注目したいと思いますね。

富川:そして、出馬を表明されたら議論をとことん戦わせていただきたいと。

後藤:そうです。それをしていただきたいですね。

この後藤氏の発言を最後にこのコーナーが終了しました。

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【検証部分】
今回の放送の問題点は、後藤氏と富川氏の発言が放送法違反に抵触する可能性があることです。
詳しく説明していきます。
今回の放送では、スタジオでこんなやり取りがありました。
富川:岸田さんが今日、総裁選不出馬と表明しまして、安倍総理を支持すると表明しましたので、安倍総理がこれで、自民党内の6割を超える支持を集めることになったんですね。
ジャーナリスト後藤謙次(以下、後藤):そうなんですね。永田町に言い古された言葉で、 “幕が上がったときには芝居は終わってた”そういう言葉があるんですが、それになりかねないような、今日、状況が生まれましたね。
やり取りの中で後藤氏は今回の総裁選についてこのように発言。今回の自民党総裁選挙が出来レースであるかのような発言をしています。
また、その後の流れの中で
後藤:はい。この票の流れはですね、勝敗とは関係なしにしても、これで仮に、石破さん、あるいは野田さんが大きく票を取るということになると、党員は安倍さんに対してこういう気持ちでありますよっていう意思表示につながるので、この党員票ってのは非常に重要なポイントになると思いますね。(中略)キーマンはやっぱり小泉進次郎さんでしょうね。進次郎さんがどう動くのか。誰を支援するのか。6年前は、進次郎さんは石破さんを支持したんですね。その流れが今回も続くのかどうか。そこは注目したいと思いますね。
と発言。この二つの発言からは安倍首相ではない側の陣営がより多く票を集めることが、今回の総裁選挙のポイントであるかのような印象を受けます。そして、視聴者はその後藤氏の考え方に流されかねません。実際に、後藤氏はそのキーマンとして小泉進次郎氏を挙げ、前回は石破氏に投票した、と指摘しています。このような明らかに公平中立とは言えない発言は許されてしかるべきなのでしょうか。

したがって、今回の放送は今回の放送は放送法第4条2項「政治的に公平であること」、第3項「事実は曲げないで報道すること」に抵触している可能性があります。

今後も監視を続けます。

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