2018年8月29日 報道ステーション

2018年8月29日 報道ステーション

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2018年8月29日の報道ステーションの報告です。
今回、最も多くの時間を割かれたのは体操協会パワハラ問題関連の話題についてでした。
今回は北朝鮮問題関連の部分を報告いたします。
では詳しく見ていきましょう。

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富川悠太アナウンサー(以下、富川):続いてはさて。続いては、この動き。何を意味するんでしょうか。
(CM)
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富川:北朝鮮金正恩委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏の側近。金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線部策略室長と、日本の北村滋内閣情報官が、今年の7月にベトナムのホーチミンで、極秘に接触していたことが分かりました。何らかの進展はあったんでしょうか。
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【VTR】
・日本は、北朝鮮との交渉窓口がなく、関係づくりを模索してきた
・先月15日、日本と北朝鮮の情報機関同士がベトナムで極秘接触していた
・極秘接触したのは、内閣情報調査室と北朝鮮の統一戦線部
・内閣情報調査室は、収集した情報を総理に直接報告し、CIAなどのカウンターパートも務める機関
・北村情報官は、安倍総理が長く重用している人物で、先月は毎日のように総理と面会していた
・金聖恵策略室長は、金与正氏の側近

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富川:今回の極秘接触からは、どんなことが見えてくるんですか?

ジャーナリスト後藤謙次(以下、後藤):私はこの、2つの溝というのが出てきたんじゃないかと思うんですね。これまでアメリカに対して日本政府は、拉致問題の解決をよろしく頼むと。こう頼んでいたんですが、今回の接触についてアメリカ側に一切の通告がないわけですね。それにまあ、ある意味で腹を立てたアメリカ側が、ワシントンポストに、その情報をリークしたと。北村滋さん、日本では相当高官で、一定の知名度はありますけども、国際的にはほとんど無名の人が実名で出ているということは、アメリカ政府の意図がそこ感じるわけですね。

富川:ワシントンポストの報道で、日米は親しく見えてるけれども、実は通商の問題、そして北朝鮮の問題で溝があるよっていうような記事ですね。

後藤:そうですね。そして日本側からすればですね、大統領。日米は100%共にあると言いながら、実は米朝首脳会談、突然開きましたね。で、今回ポンペオの、国務長官の訪朝が突然中止になる。つまり、トランプ大統領に振り回されてる限り、拉致問題は一向に進展しないと。ここは、安倍さんの側近が出てって、北朝鮮との接触を開始して、新たなパイプを構築しましょうと、いうのが一つの日米間の溝なんですが、もう一つですね、外務省と内閣情報調査室。どうも内閣情報調査室は、外務省にこの事実を、報告をしていないんですね。つまり外務省は非常に不快感をもっていて、しかも2004年の小泉訪朝ってのがありましたけれども、これもアメリカ側に全く極秘でやったんですね。その後、アメリカ側は非常に、反発をもって、日朝交渉は潰されたっていう経緯があるんですね。ですから、外務省は、アメリカときちっと協議、連携をしながら、非核化の枠内で拉致を進めようと。この方針の違いが、今回、表面化してしまった。つまり、これから安倍総理が、脱トランプでいくのかどうか、新たな方針でいく、そういう決断が迫られている、そういう局面にきてると思いますね。

富川:情報当局が動くってことは、政権主導っていうことなんですか?

後藤:まさに側近同士が会ってるってことですからね、まさにストレートに話し合いましょうと。ただ、パイプは作り始めたばっかりで、きちっとまだ、出来上がってないと、こう言われてます。

富川:じゃあ何らかの進展は今のところまだ、見えていないということですね。
この富川アナの発言を最後にこのコーナーが終了しました。

【検証部分】
今回の放送の問題点は、スタジオでの後藤氏と富川アナのやり取りが放送法違反に抵触する可能性があるということです。詳しく説明していきます。
この日、スタジオにてこんなやり取りがありました。
富川:ワシントンポストの報道で、日米は親しく見えてるけれども、実は通商の問題、そして北朝鮮の問題で溝があるよっていうような記事ですね。
後藤:そうですね。そして日本側からすればですね、大統領。日米は100%共にあると言いながら、実は米朝首脳会談、突然開きましたね。で、今回ポンペオの、国務長官の訪朝が突然中止になる。つまり、トランプ大統領に振り回されてる限り、拉致問題は一向に進展しないと。ここは、安倍さんの側近が出てって、北朝鮮との接触を開始して、新たなパイプを構築しましょうと、いうのが一つの日米間の溝なんです(中略)つまり、これから安倍総理が、脱トランプでいくのかどうか、新たな方針でいく、そういう決断が迫られている、そういう局面にきてると思いますね。
ここでは、北朝鮮と通商の問題で日米の緊密な連携に溝が出来つつあり、安倍総理が決断を迫られているという趣旨の発言がありました。
この場面で後藤氏は、米朝首脳会談が開かれたことを「日本が振り回されている」という風に表現し、日本がそれを解消するには北朝鮮との独自ルートを探るしかないが、それをすれば溝は深まると発言しています。しかし、そもそも米朝首脳会談が開かれた理由として、日本やアメリカが主導してきた国連による経済制裁が有力視する専門家もいます。
報道ステーションに限らず、日本外交が孤立している、あるいは出遅れているという見方を示す番組が多いですが、その多くは根拠を明示することがありません。現在の日本外交を客観的に報じるという面では説明が足りていないように感じるのは私だけでしょうか。
したがって、今回の放送は今回の放送は放送法第4条2項「政治的に公平であること」第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に抵触している可能性があります。

今後も監視を続けます。

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