2019年10月3日 報道ステーション

2019年10月3日 報道ステーション

10月3日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・日本の国防体制・自衛隊の現状について適切な論点を取り上げて解説がなされていたか

早速放送内容を確認していきます。

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【スタジオ】
徳永有美アナウンサー(以下徳永アナ):日本政府の対応は、これで大丈夫だったのでしょうか。
富川悠太アナウンサー(以下富川アナ):こちらは今日の北朝鮮の労働新聞の1面です。大きく載っているのは昨日、発射しました新型SLBM。潜水艦発射弾道ミサイルの発射直後の写真です。しかも、ここに成功という文字が躍っています。一方でこのミサイルを迎撃するためのイージス艦が日本海に1隻も出ていなかったことが分かりました。日本政府の対応の甘さを指摘する声も出ています。

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【VTR】
ナレーション(以下ナレ):海面から飛び出すSLBM。圧縮ガスなどで発射されているため炎が出ていません。その後、点火します。コールド・ローンチと呼ばれる技術です。ただ北朝鮮が今日公開したのは画像のみで動画は出してきませんでした。金正恩委員長については…。

北朝鮮メディア『敬愛する最高指導者金正恩同志は国防科学院に熱烈な祝賀を送った』

と伝えるだけ。どうやら、この実験には立ち会わなかったようです。動画は公開せず新型ミサイルなのに金正恩委員長が立ち会わない。5日から始まる米朝実務者協議に北朝鮮側は過度な刺激は避け一定の配慮をしたとみられています。

森林華子レポーター:今、北朝鮮の代表団がチェックインを終えました。これからスウェーデンに向かうとみられます。北京の空港です。

Q.どのような成果を期待しますか
金明吉首席代表『米国側から新たなシグナルがあったので大きな期待と楽観を持って臨みます』

ナレ:トランプ大統領は今のところ、自らの弾劾問題でいっぱいなのか北朝鮮のSLBMについてや再開する米朝実務者協議に関してコメントをしていません。そんな現状に日本政府の中にはモヤモヤ感も出ています。

Q.最大の連携相手であるトランプ大統領が国連安保理決議と矛盾しているが
菅義偉官房長官『安保理決議を実行に移していると思っています。例えば瀬取り……。そうしたことを日本政府が中心となって行っているのは事実ではないのでしょうか』

ナレ:一方、河野防衛大臣は…。

河野太郎防衛大臣『仮にこのミサイルが通常の軌道で発射されたとすればその射程が最大2500キロメートルに達する可能性がある。準中距離弾道ミサイルになるという可能性があります』

ナレ:技術の進展に懸念を示しました。北朝鮮のSLBMをめぐっては先月末にアメリカの研究グループが発射の兆候を指摘していました。しかし日本の備えはというと…。

政府関係者『日本海に自衛隊のイージス艦が一隻もいなかった。米朝首脳会談の後、常時展開をやめてしまった。今回、EEZ内に撃たれたので再配備をどうするかですったもんだしている』

【コメンテーターによる解説】
徳永アナ:2年前、北朝鮮からミサイルが発射されたときにはJアラートがなって総理は国難とまで言われたわけですね。それに比べて今回の日本政府の対応っていうのは随分と違いますよね。

後藤謙次氏(以下後藤氏):やはり率直に言って政府全体の緊張感の欠如だと言っていいと思いますね。今年の7月の終わりでしたが安倍総理が別荘で静養中に北朝鮮がミサイルを発射したんですね。このとき安倍総理は大好きだったゴルフをそのまま続行しているわけですね。これに対しては自民党の二階幹事長が苦言を呈したとそういうこともあったんですね。ただ、今回について言うと3つポイントがあったと。1つは、タイプが違うと。ミサイルのタイプが。潜水艦から発射したのと陸上から発射したのと全然違っています。それから飛距離が違う。先ほど防衛大臣も言っていましたように中距離に近い。それからもう1つ、着水点。これがEEZ内だった。この3つの点からこれは日本の安全保障上大きな影響を与えるということで安倍総理が朝から集まって協議したといっていいと思いますね。

徳永アナ:ただトランプ大統領が今回、まだ何も言っていない。

後藤氏:トランプ大統領としてみたら短距離でないことは間違いない。短距離だったらいいよと言っていた言動を今、そのまま継続するわけにはいかない。しかも、すぐ北朝鮮との交渉が始まる段階で身動きが取れないそのトランプ大統領の動きを、日本が固唾をのんで見守っているしかない。水面下では国務省レベルで注文を付けているようですが安倍総理が表立ってトランプ大統領に注文を付けていないこういう状況の中でどちらにも行けないというのが日本の立場だと思います。

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【検証部分】

今回検証する発言は以下の部分です。

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【コメンテーターによる解説】
徳永アナ:2年前、北朝鮮からミサイルが発射されたときにはJアラートがなって総理は国難とまで言われたわけですね。それに比べて今回の日本政府の対応っていうのは随分と違いますよね。

後藤謙次氏(以下後藤氏):やはり率直に言って政府全体の緊張感の欠如だと言っていいと思いますね。今年の7月の終わりでしたが安倍総理が別荘で静養中に北朝鮮がミサイルを発射したんですね。このとき安倍総理は大好きだったゴルフをそのまま続行しているわけですね。これに対しては自民党の二階幹事長が苦言を呈したとそういうこともあったんですね。ただ、今回について言うと3つポイントがあったと。1つは、タイプが違うと。ミサイルのタイプが。潜水艦から発射したのと陸上から発射したのと全然違っています。それから飛距離が違う。先ほど防衛大臣も言っていましたように中距離に近い。それからもう1つ、着水点。これがEEZ内だった。この3つの点からこれは日本の安全保障上大きな影響を与えるということで安倍総理が朝から集まって協議したといっていいと思いますね。

徳永アナ:ただトランプ大統領が今回、まだ何も言っていない。

後藤氏:トランプ大統領としてみたら短距離でないことは間違いない。短距離だったらいいよと言っていた言動を今、そのまま継続するわけにはいかない。しかも、すぐ北朝鮮との交渉が始まる段階で身動きが取れないそのトランプ大統領の動きを、日本が固唾をのんで見守っているしかない。水面下では国務省レベルで注文を付けているようですが安倍総理が表立ってトランプ大統領に注文を付けていないこういう状況の中でどちらにも行けないというのが日本の立場だと思います。

後藤氏の発言を簡単にまとめると、日本政府に緊張感がないという前提のもと、今回のミサイル発射には以下の3つのポイントがある、と述べています。
① 今回は陸上からではなく、潜水艦から発射されたミサイルであること
② 中距離ミサイルの可能性が高いこと
③ 着水店が日本のEEZ内だったこと
後藤氏は「3つの点からこれは日本の安全保障上大きな影響を与えるということで安倍総理が朝から集まって協議したといっていいと思います」といった解説を行っています。

この解説の問題点は以下の2点です。

・印象操作と思われる発言があった可能性がある
・様々な論点からの解説がなされていなかった可能性がある

まずは1点目についてですが、後藤氏は解説の前提として、日本政府の緊張感がなくなっているといった解説を行っています。
しかし、この解説は後藤氏の主観によるものであり、根拠は述べられていません。
後藤氏が解説した3つのポイントもこの政府の緊張とはおよそ関係のない論点です。
このように政府の緊張感がなくなっている、といった解説を根拠もなく行うことは視聴者に誤った印象を与えかねない放送であり、我々は問題視しています。

次に、2つめの問題点について見ていきます。
後藤氏は日本政府としてはどうすることもできないといった解説をしています。
この日本政府の動きを見ていくためには、今回のミサイル発射の狙いについて見ていく必要があります。

北朝鮮はアメリカとの交渉を再開するか否かという段階でミサイルを発射しました。つまり今回のミサイル発射は交渉を牽制するという意味合いがあるのです。
アメリカと日本に対して、北朝鮮は強気だぞ、というメッセージが込められていると考えられます。
そういった牽制・挑発ともとれるミサイル発射に過度に反応することは政府の対応として適切なものであるとは言えず、政府に大きな動きがみられないことにも理由があると考えられるのです。

このような論点を取り上げずに、解説を行うことは以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。

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