1月14日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。
・麻生氏の発言について十分な論点が紹介されていたか
まずは放送内容を確認します。
——-
【スタジオ】
徳永有美アナウンサー:昨日、日本は2000年の長きにわたって1つの民族が続いていると発言し政府の方針と矛盾すると指摘された麻生副総理が今日、発言を陳謝し訂正しました。
——-
【VTR】
ナレーション(以下ナレ)麻生副総理が陳謝・訂正したのは昨日、地元で開いた会合での発言です。
麻生太郎副総理『(日本は)2000年の長きにわたって一つの国で、一つの場所で、一つの言葉で、一つの民族、一つの天皇という王朝を126代の長きにわたって一つの王朝が続いてる国はここしかありませんから』
ナレ:去年5月に施行されたアイヌ民族支援法ではアイヌの人々を先住民族と明記していて、発言は政府の方針と矛盾することになります。
麻生太郎副総理『政府の方針を否定するつもりはまったくありませんから、言い方に気をつけなきゃいかん。訂正せないかんところ』
——-
【検証部分】
麻生氏の「2000年の長きにわたって一つの国で、一つの場所で、一つの言葉で、一つの民族、一つの天皇という王朝を126代の長きにわたって一つの王朝が続いてる国はここしかありません」という発言の中から、民族について「アイヌの人々を先住民族」と明記しているアイヌ民族支援法と矛盾するため麻生氏は陳謝しました。
この民族という概念について十分な説明がなされていません。
確かにアイヌ民族は少数民族の中の一つです。
しかし、アイヌが日本民族ではない、ということではありません。日本の中の少数民族であり、日本民族です。
Weblio英和辞典の「Nation」という単語を見ると、≪(政府の下で共通の文化・言語などを有する)国民、(1 の国民から成る)国家、民族≫とあります。
この意味ではアイヌ民族は日本民族です。
一方「Ethnic」という単語見てみると、≪少数民族の人≫とあります。
つまりアイヌ民族は日本の少数民族ですが、日本人であり、日本民族です。
麻生氏の発言についてこういった論点が提示されていないため、以下の放送法に抵触する可能性があります。
—————————————————————————————-
放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
—————————————————————————————-
視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。