2020年1月20日 報道ステーション

2020年1月20日 報道ステーション

1月20日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・政治的に公正な報道を行っていたか

まずは放送内容を確認していきます。
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【VTR】(8:26~11:15を抜粋)
ナレーション(以下ナレ):午後、安倍総理は施政方針演説に臨みました。

安倍晋三総理大臣(以下安倍総理)『あの感動が再び我が国にやってきます。本年のオリンピック・パラリンピックもまた日本全体が力を合わせて世界中に感動を与える最高の大会とする……』

ナレ:演説には随所にオリンピック・パラリンピックの話題が盛り込まれました。成長戦略を語る場面でも…。

安倍総理『東洋の魔女が活躍したバレーボール。そのボールを生み出しのたのは広島の小さな町工場です』

ナレ:地方創生でも…。

安倍総理:『全体で500近い市町村が今回(五輪選手を受け入れる)ホストタウンとなります』

ナレ:外交についても…。

安倍総理『オリンピック・パラリンピックが開催される本年、我が国は積極的平和主義の旗のもと新しい時代の日本外交を確立する』

ナレ:そして演説の締めくくりでも…。

安倍総理『人間は4年ごとに夢を見る。1964年の(五輪の)記録映画はこの言葉で締めくくられています。その夢の実現は、今を生きる私たちの行動にかかっています。令和の新しい時代が始まり、オリンピック・パラリンピックを控え、未来への躍動感にあふれた今こそ実行のときです。先送りでは次の世代への責任を果たすことができません。国の形であるもの、それが憲法です』

ナレ:平和の祭典であるオリンピックの話題から自身の念願である憲法改正に…。
安倍総理『未来に向かってどのような国を示すのか。その案を示すのは私たち国会議員の責任ではないでしょうか。新たな時代を迎えた今こそ未来を見つめ歴史的な使命を果たすため憲法審査会の場で共にその責任を果たしていこうではありませんか』

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【コメンテーターによる解説】
徳永有美アナウンサー(以下徳永アナ):太田さん国会が開幕しました。安倍総理からは聞こえのいい華やかな言葉が聞こえてきたんですけれどもその一方で、やはり年を超えてもなお残る疑惑について総理からの説明聞きたかったなというところがあるんですが。

太田昌克氏(以下太田氏):おっしゃるとおりだと思います。多くの国民の皆さんは年を越されてもなんか、すっきりしてない方が多いと思うんですよね。やっぱりそれは森友・加計それから桜を見る会カジノ疑惑元閣僚の政治資金問題ですよね。通底しているのはいずれの問題も説明責任の決定的な欠如といっていいと思うんですよね。

徳永アナ:今回も世論調査の結果を見てみますと桜を見る会招待者名簿の保存や廃棄に対して安倍内閣の対応適切だと思わないという人が77%逆に適切だと思う人は7%にすぎないということなんですよね。やっぱり、どれだけの人が納得できてないかということですね。

太田氏:特に森友と桜の問題ですね。やはり、公文書の破棄という国民の知的財産ですよね。これを改ざんしたり破棄するということは神をも恐れぬ違法行為だと私は思いますよね。

徳永アナ:太田さん公文書の研究をずっとされていたんですよね。

太田氏:私は日米の歴史をずっと研究してましてアメリカでも何十万ページという公文書を20年かけて見てきたんですがなぜ、公文書を残すかということなんですね。政策は、立案をして決定をして執行しますね。一番最後の評価という部分が最も大切だといわれているんですね。民主主義のプロセスですね。政策は生き物であって評価したあとに、もう1回再立案というプロセスがあって政策はよりよきものになっていくんですね。その評価を行う際に最も大切なのが公文書。過去の問題点を洗い出して教訓を学ぶ。そして、市民のためによりよき政策をやっていくということなんですがそれがどうも日本では確立されていないんじゃないか。少し民主主義国としては言葉は悪いんですけど後進国というふうに思われても仕方がない。本日は、安倍総理が演説の中で7年前に3本の矢を放って諦めの壁をぶち壊したとおっしゃった。経済ですね。しかし、一方でこういった公文書の問題説明責任の欠如が実は国民の政治への諦めの壁をますます厚くして高くしているんじゃないかという問題がある。この国会では自民党もしっかりと行政府を監視して政治への諦めの壁をぜひ打破していただきたいと思います。

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【検証部分】

今回の放送では安倍総理の施政方針演説についてコメンテーターが解説を加えるという形で放送が進んでいきました。

その中で森友・加計・桜を見る会・IRのそれぞれで説明責任が果たされておらず、政治不信が生まれているといった趣旨の発言がありました。

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太田昌克氏:森友・加計それから桜を見る会カジノ疑惑元閣僚の政治資金問題ですよね。通底しているのはいずれの問題も説明責任の決定的な欠如といっていいと思うんですよね。
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この発言についてですが、メディア側が十分な放送を行わずに疑惑のままになっている側面があります。
特にそれが顕著なのが加計学園の問題ついてです。

この問題は獣医学部の新設について、安倍総理と理事長の加計氏が友人であることから便宜が図られたのではないか、と野党やメディアが追及していました。
しかし、実情を見てみると、加計学園は獣医学部の誘致する申請をして、10年もの間結果を待ち続けていました。
これは省令という形で官僚が決めたルールがあったためであり、それを国家戦略特区が岩盤規制に穴をあける形で申請が認められました。

このことについて当時知事を務めていた当事者である加戸知事が国会で証言もしています。

問題なのは、この加戸知事の発言を当時報道ステーションを始めとしたメディアは取り上げずに説明不足だ、と報道していました。

安倍総理も2017年10月11日の報道ステーションに出演し、こういった発言について十分な報道がなされていないことを指摘しています。
その時の様子を一部抜粋します。

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富川悠太「総理は以前、1月20日まで知らなかったとおっしゃっていました。加戸さんは『12年間、加計ありきで来た』とおっしゃっていましたが、それでも総理は知らなかったということでしょうか?」

安倍総理「それ(フリップ)は一部だけを取り出しておられるんですが、それ以外にも加戸さんは重要な証言をされておられます」

ここで安倍総理は改めて「加戸前知事は愛媛県に獣医学部が必要と考えていた」「協力してくれたのは加計学園だけだったので、そういう意味で加計ありきだった」という事情を説明する。

富川悠太「それは伝えたんけど、総理は知らなかったのかなと思って聞いただけ…」

安倍総理「いや、ちょっと待って。大切なところですから。それは伝えていないと思います!」

富川悠太「それっ(笑)いか…」

安倍総理「伝えていないと思いますよ!」
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この加計学園の問題については報道ステーションが公正な報道を行っていない可能性があり、下記の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(2)政治的に公平であること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。

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