2月6日の報道ステーションのレポートです。
この日の放送ではトランプ大統領の弾劾裁判に関する報道がなされていました。
今回検証するのは以下の点です。
・弾劾裁判は何が争われていたのか、どのような性質であったかを伝えていたか
まずは短いですが、放送内容についてみていきます。
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【VTR】
ナレーション(以下ナレ):トランプ大統領を辞めさせるべきか。5日、弾劾裁判の評決が行われました。
米議会の決議『訴追された条項についてトランプ大統領を無罪とする』
ナレ:過半数を占める与党・共和党が反対し無罪が確定。共和党から造反したのは1人だけでした。直後、トランプ大統領はこんな映像をツイッターに投稿。
(TRUMP 4EVAと記された映像)
フォーエバー、つまり永遠に大統領の座にいたいということでしょうか。
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【検証部分】
今回の放送では放送時間が大変短く、弾劾裁判の論点や弾劾裁判がどういったものであったのかが全く分かりません。
放送法では様々な論点を放送すること、と定めてありますから、このような放送は放送法に抵触する恐れがあります。
では、トランプ大統領の弾劾裁判とはどのようなもだったのか、簡単に見ていきます。
今年の大統領選挙でトランプ氏の対抗馬となりうる、民主党のバイデン元副大統領という政治家がいます。
このバイデン氏の息子がウクライナの企業で不正な働きかけをしたのではないか、という疑いがありました。
弾劾裁判ではこの疑いを調査するよう、トランプ大統領がウクライナに働きかけたのではないか、それが大統領の職権濫用に当たるのではないか、ということが争われました。
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この弾劾騒ぎで最も大きなダメージを受ける人物は、トランプ大統領ではなく、民主党の本命対抗馬であるバイデン元副大統領である。彼の次男がウクライナのガス会社の取締役を務めていたこと、そして毎月550万円の給与を得ていた事実は、副大統領の子どもとして政治的な地位を利用したビジネスを行っていたことを示唆している。
《引用 渡瀬裕哉 トランプ大統領弾劾がもたらす政局上の地殻変動
ViewPoint https://vpoint.jp/world/usa/145018.html》
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これについて本来の弾劾裁判であれば、まず下院で証拠が出揃い上院で弾劾が決定するというのが流れですが、証拠という証拠は上がらず、弾劾は否決されました。
つまり弾劾裁判は政局上の問題であり、民主党のパフォーマンスであった、という
ことが本質に近いと言えます。
このような弾劾裁判についての論点について触れられていない放送は以下の放送法に抵触する恐れがあります。
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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して監視を続けて参ります。