TBS「サンデーモーニング」、2020年2月2日放送回の検証報告(後編)です。
今回の報告では、
① 新型コロナウイルスの感染拡大について報道された部分
② 「風を読む」にて太平洋戦争について報道された部分
③ 桜を見る会の新たな答弁について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。
後編で検証するのは、
③ 桜を見る会の新たな答弁について報道された部分
となります。
では、さっそく放送内容をみてみましょう。
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【VTR要約】
野党は国会で、桜を見る会の趣旨に反して安倍事務所が参加者を募集したのではないかと追求をしました。金曜日、野党は、桜を見る会の前日に行われた前夜祭について追求をしました。安倍総理は、安倍事務所として収支が一切なかったので、政治資金収支報告書へ記載する必要がないとの認識を示しました。しかし、政治資金規正法を所管する総務省は、収支がゼロになるかは関係ないと答弁を行いました。安倍総理は、参加者とホテルの関係において集金がなされたと主張。野党議員は、参加者800人一人一人がホテルと契約を結ぶわけがないではないかと、追求をしました。安倍総理が一問一答形式のし次に応じるのは2ヶ月半ぶりでしたが、桜を見る会をめぐる疑問は深まるばかりです。
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【コメンテーターの発言】
仁藤夢乃(全文):そうですね、まあ、さすがにこの答弁はむちゃくちゃですよね。なんかもうこんなに無理のあることしか言えないっていうのは、もうこれ以上の言い訳が見つからないっていうことなのではないのかなっていう風に考えてしまいます。いつまで経っても責任をとろうとしない、再調査もしない、えーあの国民に対して説明する気もないのかなと思ってしまいますね。そもそも、桜を見る会っていうのは、各界で功績功労のあった人を選んで招待するって集まりのはずなのに、あのー申込書を作って、安倍事務所が募っていたっていうのはどういうことなんですかね。まあこれは、その安倍事務所だけがそういうことを出来たのだとすれば、支援者に特権を与えて、私物化をしていたと言われても仕方がないと思います。
田中秀征氏(要約):そうですね、なんかコメントのしようがない。民主党の例をあげてましたが、問題は度を越してるんですよ。複雑怪奇ですよね。民主党を例にあげますが度を越すのは常識的に考えてだめですよ。とにかく反省して欲しいですね。
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以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。
1、仁藤氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
それぞれ順を追って解説します。
1、仁藤氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
仁藤氏は今回の報道で、以下のように述べています。
仁藤氏(抜粋):そうですね、まあ、さすがにこの答弁はむちゃくちゃですよね。なんかもうこんなに無理のあることしか言えないっていうのは、もうこれ以上の言い訳が見つからないっていうことなのではないのかなっていう風に考えてしまいます。いつまで経っても責任をとろうとしない、再調査もしない、えーあの国民に対して説明する気もないのかなと思ってしまいますね。そもそも、桜を見る会っていうのは、各界で功績功労のあった人を選んで招待するって集まりのはずなのに、あのー申込書を作って、安倍事務所が募っていたっていうのはどういうことなんですかね。まあこれは、その安倍事務所だけがそういうことを出来たのだとすれば、支援者に特権を与えて、私物化をしていたと言われても仕方がないと思います。
要旨をまとめると、
・答弁に瑕疵があることはこれ以上言い訳がないことを示している。
・いつまで経っても責任を取らない、再調査もない、国民に説明する気がないからだ。
・桜を見る会は各界で功績功労のある人を選んで招待する集まりであるのに、安倍事務所が募っていたのは支持者に特権を与えて私物化していたことに他ならない。
というものです。
しかしながら、
・答弁内容に瑕疵があることは、「これ以上言い訳がない」とする主張の根拠にはならない。また答弁を「言い訳」とする主張は政治的に公平とは言えない。
・桜を見る会について責任を取っていない、再調査をしないという主張は桜を見る会が重大な問題であるとする立場によるもので政治的に公平とは言えない。また「国民に説明する気がない」とする主張には根拠がない。
・安倍首相の事務所が桜を見る会の参加者を募ったことは、「功績功労がある人を呼ぶ趣旨に反する」「支持者に「特権」を与えている」とする主張の根拠にはならない。
など、発言の趣旨とは異なる事実が存在します。
以上のことから、今回の報道での仁藤氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。
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2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「桜を見る会の疑惑はますます深まった、もっと追及していくべきだ」という立場に立った意見ばかりが出てきました。
ですがこの問題に関しては「新型コロナウイルスなどもっと具体的で重大な問題がある中で国会を空転させるべきではない」「桜を見る会の様式は吉田茂首相の時代からの慣例であり責任問題とは言えない」といった反対の意見があります。
にもかかわらず、今回の報道におけるVTRやパネル説明ではそうした意見をほとんど取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。
以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。
以上が報告の後編となります。後編では事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
① 新型コロナウイルスの感染拡大について報道された部分
については前編の報告を、
② 「風を読む」にて太平洋戦争について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。