2020年2月17日 報道ステーション

2020年2月17日 報道ステーション

2月17日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・政治的に公平な放送を行っていたか

まずは放送内容を見ていきます。
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【スタジオ】
富川悠太アナウンサー(以下富川アナ):桜を見る会の前夜祭について安倍総理は、これまで明細書はないと主張してきましたけれどもそれに対して今日の国会では野党がホテル側に直接問い合わせた結果を示して厳しく追及しました。

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【VTR】
安倍晋三総理大臣(以下安倍総理)『2月12日の質疑の中で辻元委員に対して、質疑終了後、不規則な発言をしたことをお詫びします。今後閣僚席からの不規則発言は厳として慎むよう、総理大臣として身を処して参ります』

ナレーション(以下ナレ):委員会の冒頭、安倍総理は先週、野党議員に対して意味のない質問だなどとやじを飛ばした問題について謝罪しました。「報道ステーション」ではこの週末ご覧の方法で世論調査を行いました。(全国18歳以上の男女2024人に電話調査 有効回答1072人) 安倍内閣の支持率は先月から5.6ポイント下落し39.8%となり1年2か月ぶりに、支持しないが支持するを上回りました。通常国会が始まって1か月が経ちますが桜を見る会をめぐる疑惑について安倍総理が十分に説明を行ったかについては77%の人が思わないと答えています。その桜を見る会の前夜に開かれた夕食会をめぐり立憲民主党の辻元議員は過去の明細書や領収書を出すよう今日、改めて安倍総理に迫りました。

辻元清美衆院議員(以下辻元議員)『どうしても納得いかないので(過去3回前夜祭を行った)ホテルに問い合わせをいたしました。ANAインターコンチネルホテル東京。貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか。この7年間に。回答「ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします」総理の答弁と違うじゃないですか。いかがですか』

安倍総理『安倍事務所との間でどうなっていたかということについてお問い合わせをいただきたい。明細書はいただいていないとうことでございます』

ナレ:更に、野党はこのホテルから代金は、主催者からまとめてお支払いいただく宛名が空欄の領収書を発行することはないと回答があったことを明らかにしました。安倍総理は、これまで会費は参加者一人ひとりが支払いそのままホテルに渡った。ホテル側が宛名が空欄の領収書を発行したとしていました。

辻元議員『総理、調べていただけますか』

安倍総理『事務所からあたらせたいと思います』

ナレ:安倍総理は午後の質疑で…。

安倍総理『私の事務所がホテルに確認したところ辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については営業の秘密にかかわるため回答には含まれていないとのことであります。また領収書は一般的には宛名は「上様」として発行する場合があり、夕食会では「上様」としていた可能性はあるとのことでした』

ナレ:これに対し…。

小川淳也衆院議員『総理、これ本当ですか。事務所が電話で確認したことに対して、ホテル側が電話で責任ある回答をしたとおっしゃるのは本当ですか』

安倍総理『私は指示をして、事務所がこの短い時間の間に先方と確認をした。それをそもそもいい加減にやってるんだと決めつけるのであればですね。それは、もうすでにコミュニケーションがみなさんとは成り立たないということになる』

ナレ:安倍総理が紹介したホテル側の説明は事実か番組がホテルに問い合わせたところ…。

ANAインターコンチネンタルホテル東京『当ホテルから回答したとおりではない部分がありましたので確認中です』

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【スタジオ】
富川アナ:桜を見る会の問題をめぐりましては来週も安倍総理が出席して予算委員会の集中審議が開かれる見通しでして野党側は引き続きこの問題を追及する方針です。

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【検証部分】
安倍総理が自らの不規則発言について謝罪したということが取り上げられていましたが、今回の放送ではどのようなやり取りの中での不規則発言であったのかが十分に分かりません。
そこで、問題となった不規則発言が出たときのやりとりを見ていきます。

——————————————————————————————————-辻元議員「総理、最後に申し上げます。鯛は頭から腐るという言葉、ご存知ですか。
これはですね、英語とかロシア語でもあるんですよ、死んだ魚の鮮度は魚の頭の状態から判断できる、従って社会、国、企業などの上層部が腐敗していると、残りもすぐに腐っていく。
総理が桜とか加計とか森友とか疑惑まみれと言われているから、それに引きずられるように官僚の示しがつかない。私ね、官僚のみなさん、可哀想です。
心痛めてる官僚の方、たくさんいると思いますよ。今回(和泉補佐官に関する問題)も見るに見かねて(編注:メディアへの情報提供は)内部からじゃないかな、というぐらい心配しています。
子供の教育にも悪いです。長期政権だからじゃないですよ、最初からやってるんですから。桜を見る会も、森友だって総理大臣になる前から講演に行こうとしてた。
まあですね、ここまで来たら原因は鯛の頭、頭を変えるしかないんじゃないですか。私は今日、総理がしっかりけじめをつけると仰ったら、ここまで言うつもりはなかったです。まあ、『私の手で憲法改正を成し遂げたい』と、総理の手で成し遂げることは、そろそろ総理自身の幕引きだということを申し上げて終わります」
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この直後に安倍首相は不規則発言をしました。
そして審議が再開した後の安倍首相の答弁についても切り取って放送していましたので、そちらの部分についても紹介します。

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安倍首相「あの、(質問の)最後のところでですね、ずっと辻元委員が私に質問ではなくて、ずっと、私から言わせれば罵詈雑言の連続だったわけですよ。頭から腐ると、腐ってる本体が私であると、ずっとこれを言い続けたわけですよね、政策に関わりなく。私に反論という反論する機会を与えられずに、延々とそれを繰り返された。私の目の前で、テレビつきで、ですね。それで終えられたんで、終えられたあとですね、それで、こんなやりとりは無意味じゃないか、ということを申し上げたわけでありますが、それは当然、そう思うじゃないですか。相互のやりとりがあって…ここで一方的に罵る、ここは質疑の場であってですね、一方的に罵る場なんですか?私はそうだとは思いませんよ。やっぱりそれでは質疑が無意味になる。私はそれでは質疑が無意味になってしまうと、こう思ったから、これじゃあ無意味じゃないかと、こう申し上げたわけであります」
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安倍首相はこのようなやり取りから、「意味のない質問」という不規則発言をしたのです。

このような前後の発言を十分に取り上げずに放送を行っては、何を論点として安倍総理が謝罪したのかが分かりません。

また安倍総理は謝罪をしましたが、総理への罵倒ともとれる言葉を浴びせ続けた辻元議員に問題はないのでしょうか。
辻元議員の発言の是非については全く取り上げられていませんでした。

このような放送は以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(2)政治的に公平であること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。

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