2020年3月26日 報道ステーション

2020年3月26日 報道ステーション

3月26日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・様々な論点を取り上げた放送であったか

まずは放送内容を見ていきます。
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【スタジオ】
森川夕貴アナウンサー:では、ここからはそのほかのニュースを続けてお伝えしていきます。まずは、辺野古埋め立てをめぐり沖縄県が国を訴えた裁判。県の敗訴が確定しました。

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【VTR】
ナレーション:沖縄県名護市辺野古。国はアメリカ軍普天間基地の移設に向け埋め立て工事を進めています。沖縄県は、おととし埋め立て承認を撤回しましたが沖縄防衛局の請求を受けた国土交通大臣の裁決でその撤回が取り消されました。県は、この裁決が違法な国の関与にあたるなどと主張し去年、提訴しましたが今日、最高裁は訴えを退け沖縄県の敗訴が確定しました。

玉城デニー沖縄県知事『一連の選挙、県民投票によって明確に示された、辺野古移設に反対する県民の民意を無視し、埋め立て工事を強行している現状は許されません。民主主義の土台となる地方自治の理念に反するものであり、将来の国と地方公共団体の在り方に禍根を残すものと憂慮している』

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【検証部分】
普天間基地移設を巡る放送です。
上記のような短い放送では、この問題の難しさを正確には伝えられていないといえます。
これだけの放送では民意が全く無視されているという面が強調されているようにも受け取られかねません。

簡単にこの問題を整理してみます。

1:1945年 普天間飛行場は、沖縄戦で生まれた
2:1995年 米兵少女暴行事件で基地反対運動高まる
3:1996年 普天間飛行場の移設、条件付き合意
4:1999年 辺野古への移設を閣議決定
5:2004年 米軍ヘリが大学構内に墜落、炎上
6:2009年 鳩山首相「最低でも県外」
7:2010年 鳩山首相、「県外移設」を断念
8:2014年 基地反対派の翁長雄志氏が新知事に
9:翁長知事、辺野古の埋め立て承認を「取り消し」
10:2018年 翁長知事が急逝、沖縄県知事選へ

これは下記の記事の小見出しだけを抜粋したものです。
https://www.buzzfeed.com/jp/keiyoshikawa/okinawa-futenma
小見出しだけを見ても、様々な歴史がある問題ということが分かります。

一度アメリカと合意した移設を民主党の鳩山元総理の時にひっくり返し、移設問題は複雑なものになっているのです。

また沖縄の民意が移設にずっと反対だったという訳ではなく、1998年には移設賛成派の稲嶺知事が当選を果たしています。

もちろん今さら反対しても遅い、と言って今の民意を全くの蔑ろにするわけにもいきませんが、これだけ根が深い問題であるため様々な論点からの報道が必要でしょう。

その論点の中には、基地移設は国防にも大きく変わる問題であるため、一自治体だけで決めてよい問題なのか、という論点も必要ではないでしょうか。

このような様々な論点がある問題を上記だけのような放送で終わらせてしまっては下記の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。

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