2019年10月2日 報道ステーション

2019年10月2日 報道ステーション

10月2日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・北朝鮮との関係について様々な論点からの解説がなされていたか

まずは放送内容を確認していきます。
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【スタジオ】
徳永有美アナウンサー(以下徳永アナ):こちらは北朝鮮が開発を進めている新型の潜水艦です。今朝、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射しました。新型のSLBM・潜水艦発射弾道ミサイルだったとみられています。なぜこのタイミングだったのでしょうか。

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【VTR】
ナレーション(以下ナレ):総理官邸では今日NSCが異例の2回開かれました。北朝鮮が弾道ミサイルを打ったからです。

安倍晋三総理大臣『弾道ミサイルの発射は国連決議違反であり、厳重に抗議し強く非難します』

ナレ:韓国でも…。

鄭景斗国防相『海上から発射されたとするとSLBMの可能性がある』

ナレ:SLBMとは潜水艦から発射する弾道ミサイル潜水艦発射弾道ミサイルのことです。北朝鮮はこれまでも幾度かSLBMの発射実験を行ってきました。しかし今回は最大高度がおよそ900kmでロフテッド軌道だったことから最新型だったのではという分析がされています。

河野太郎防衛大臣『北朝鮮は度重なる弾道ミサイルの発射など、引き続きこうした関連技術の高度化を図っており……』

ナレ:北朝鮮は今複数発のSLBMを搭載できる潜水艦の建造も進めています。最新型の潜水艦にSLBMが搭載されれば安全保障上の脅威となることは確実です。

崔善姫第一外務次官『朝米双方は10月5日に実務者協議を行うことで合意した。朝米関係の前向きな展開が加速すると予想する。』

ナレ:北朝鮮は昨日、米朝協議の実施を発表したばかり。最新兵器をアピールするには絶好のタイミングでした。日本は、今回の実験に危機感を強めています。SLBMは日本の排他的経済水域・EEZに落ちました。島根県沖で操業中だった漁船などに被害は出ていませんがEEZに撃ち込まれるのは2年ぶりのことです。

二階俊博幹事長『私は政府にどれほどのことをやってるんだと聞きたい。“円満に円満に”なんて言ってられる状況じゃないと思います』

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【コメンテーターによる解説】
富川アナ:二階幹事長はかなり厳しい口調で政府に対して申しましたね。

後藤謙次氏(以下後藤氏):恐らく、北朝鮮がある種、日本を試しているところがあったと思います。それに対応して日本どうするんだと。二階さん自身もそう思ったんだと思うんですね。今回、北朝鮮は恐らく2つの狙いがあったとみられています。1つは、対アメリカです。アメリカのトランプ大統領は短距離ミサイルは問題ないんだと。今度ロフテッド軌道っていう非常に高いところに上げるミサイル。これは東京にも飛ばすことができるんですね。しかも潜水艦から飛ばすとなればアメリカの脅威にもなる。それに対してトランプ大統領は黙っているんですかと。とりわけ米朝協議の前にアメリカの出方を探ろうというのが北朝鮮の1つの狙い。もう1つ、日本に対してはこれまでEEZの中に撃ち込んでも日本はどういう態度をとるのか。引き続きトランプ頼みなのかを多分見たんだと思いますね。まさにその通りの展開になってると思いますね。

徳永アナ:今回EEZに届いたのは2年ぶりということですが日本政府としては今までどおりでいいんですか?

後藤氏:これについては政府関係者の中にも不満があるんです。1つは、トランプ大統領にいい加減にしてくれと。きちっと金正恩委員長に伝えてもらいたいのが1つ。それから安倍総理が繰り返している
日朝首脳会談を前提条件にやると。これは足元を見られるだけだからやめたほうがいいと。いろいろ出始めているのが今の日朝関係の1つの特徴だと思います。
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【検証部分】
今回検証する発言は以下の部分です。
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後藤謙次氏(以下後藤氏):恐らく、北朝鮮がある種、日本を試しているところがあったと思います。それに対応して日本どうするんだと。二階さん自身もそう思ったんだと思うんですね。今回、北朝鮮は恐らく2つの狙いがあったとみられています。1つは、対アメリカです。アメリカのトランプ大統領は短距離ミサイルは問題ないんだと。今度ロフテッド軌道っていう非常に高いところに上げるミサイル。これは東京にも飛ばすことができるんですね。しかも潜水艦から飛ばすとなればアメリカの脅威にもなる。それに対してトランプ大統領は黙っているんですかと。とりわけ米朝協議の前にアメリカの出方を探ろうというのが北朝鮮の1つの狙い。もう1つ、日本に対してはこれまでEEZの中に撃ち込んでも日本はどういう態度をとるのか。引き続きトランプ頼みなのかを多分見たんだと思いますね。まさにその通りの展開になってると思いますね。

徳永アナ:今回EEZに届いたのは2年ぶりということですが日本政府としては今までどおりでいいんですか?

後藤氏:これについては政府関係者の中にも不満があるんです。1つは、トランプ大統領にいい加減にしてくれと。きちっと金正恩委員長に伝えてもらいたいのが1つ。それから安倍総理が繰り返している
日朝首脳会談を前提条件にやると。これは足元を見られるだけだからやめたほうがいいと。いろいろ出始めているのが今の日朝関係の1つの特徴だと思います。
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北朝鮮は今回のミサイル発射に対する日本の反応を見ているといった解説がなされていました。
このままアメリカ頼みの対応を続けていくのか、が論点の一つとして扱われています。

アメリカ頼みではない国防体制を築くことに関して、取り上げられるべき論点が取り上げられていません。
それは予算という観点です。

在日米軍の駐留費や装備に年間かかる予算は年間約1兆円にものぼります。
これに対して、日本が米軍に支払っている予算は年間5000億円となっています。

たたでさえ、防衛費が足りずに自衛官は自費でトイレットペッパーを購入しているという状態で、在日米軍と同等の力を日本だけで維持しようとするのは現実的に難しい話です。

米軍抜きの国防体制を考えるときにまず必要なステップは国防費を挙げることが必要になってきます。
もし戦闘となったとき自衛隊が戦闘力を十分に発揮できる期間は数ヵ月とも言われています。まずはそういった自衛隊の能力がしっかりと発揮できるように防衛費を確保したうえで米軍抜きの国防体制を考える必要があります。

また別の論点としてはアメリカの世界戦略としての在日米軍基地という視点です。
アメリカは世界規模で軍隊を動かしている国です。
中国や北朝鮮を牽制するためやイスラエルとの同盟関係から中東にも影響力を持ち、軍を派遣できるようにするためには、在日米軍基地が必要となってくるのです。

このような在日米軍基地と日本・アメリカの国防体制についての論点を触れずに解説を行うことは以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。

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