2020年4月6日 報道ステーション

2020年4月6日 報道ステーション

4月6日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・様々な論点を取り上げた放送であったか

短いですが、放送内容を見ていきます。
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【VTR】
ナレーション(以下ナレ):東京電力福島第一原発で放射性物質トリチウムなどを含む処理水がたまり続けています。その処分方法をめぐり政府は、今日自治体や地元の業界団体との意見交換会を行いました。
漁業関係者などからは海洋放出について反対の声が上がりました。

野崎哲・福島漁連会長『国の出荷制限が2日に解除され増産に向けてかじを切ろうとしている矢先です。海洋放出は反対するという考えに至らざるをえない』

ナレ:一方で旅館やホテルなどの組合は国に損失の補填を求めたうえで海洋放出を容認する考えを示しました。

【検証部分】
新型コロナウイルスが連日大きく取り上げられていますが、この日の報道ステーションでは原発に関する放送がありました。
トリチウムを含む処理水をどう処分するかということを国と業界団体が意見交換を行いました。
漁業関係者は海洋放出に反対の声を上げたということです。

やはり「放射線」「原発」と聞くと健康被害が心配になってしまいます。

もちろん心配や備えは必要ですが、正しく現状を認識しなければ風評被害を産んでしまうこともあります。

実際、東日本大震災後の福島への風評被害は酷いものでした。

近年では豊洲市場への風評被害も記憶に新しいところです。

ではこのトリチウムを含んだ処理水ですが、どのくらい危険なものなのでしょうか。
オープン情報から見ていきます。

QA7-15 汚染処理水(トリチウム)の海洋放出によって、海洋汚染は起こりますか。

A
①トリチウムは宇宙線等により年間7.0×1016ベクレル(Bq)程度生成されます。大気から雨として地表に降下し、天然水、人体中と幅広く存在します。
②平成22年度における国内の一つの原子力発電所(例えば福島第二原子力発電所の場合、1~4号機の合計)からのトリチウムの海洋への放出は、2.2×1010 ~ 1.0×1014ベクレル(Bq)です。これは自然発生起源トリチウムの0.14%程度以下となります。
≪引用 環境省 第7章 環境モニタリングhttps://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30qa-07-15.html≫
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②にある通り自然発生起源トリチウムより安全ということが分かります。

さらに、非常に多くの国の原子力発電所では多くのトリチウムを海洋・気中へと放出しています。
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/008_02_02.pdf

上記資料、最後のページを見ると、アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・韓国などの国々、20か所以上の原子力発電所でトリチウムが排出されていることが確認できます。

これらからトリチウムを含む処理水が環境に与える影響は小さいということが言えそうです。
トリチウムを含む処理水について十分な検証も行わなければ風評被害はなかなか消えません。
こういった論点をしっかりと提示する必要があるのではないでしょうか。

このような放送は以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。

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