2019年9月12日 報道ステーション

2019年9月12日 報道ステーション

9月12日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・視聴者に誤った印象を与える可能性がある

まずは放送内容を見ていきます。
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【スタジオ】
徳永有美アナウンサー(以下徳永アナ):内閣府は今日、台風15号による大規模停電で被害の大きい市原市や南房総市など千葉県の41市町村に災害救助法が適用されたと発表しました。食料の配布や避難所の設置住宅の応急修理などの費用を国と県が市町村に代わって負担をしていくということです。後藤さん、本当に現場は電力の復旧それから物資が足りないということで命の危険にさらされているという方が本当にいっぱいいらっしゃるわけですよね。

後藤謙次氏:今回の大きな停電。政府の危機管理が見えてこないんですね、全く。この間に改造をやっていますよね。改造をやったためにそこに空白が生まれた。新しい大臣が登場した。全く官庁組織が把握していないまま現場に飛び込んでいっても何もできていない。いまだに官邸に対策本部すら設置されていない。これ異常といっていいと思うんですね。そこで思い出すのが1999年10月に渕内閣が改造をしたんですが、このときの改造はそれまで自由党を加えた自民党と自自連立から公明党を加えた自公へ移行する歴史的な改造だったんですが、10月1日の改造予定日の前日9月30日に東海村の核燃料工場で臨界事故が発生して、そのときの官房長官野中広務さんの進言によって小渕総理大臣は改造の期日を5日間延期するんです。その間に官邸で危機管理を一手に引き受けて、そして古いかつての手慣れた大臣で乗り切ったと。今回も古いといいますか前任者がこの対応にあたっていればもっときちんとできた。今からでも遅くないんです。停電が解消しても残る問題はいっぱいありますから政府が前面に出て対応するというのが責任だと思います。

徳永アナ:苦しんでいる方がたくさんいらっしゃいますから、一刻も早い国の大きな助けというのが望まれます。

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【検証部分】

今回取り上げた放送部分は短い内容となっていますが、内閣改造が災害対策に遅れが出ているといった指摘がされています。

この指摘についてですが、具体的に災害対策への遅れとはどのようなことを指すのかが分かりません。もちろん停電の復旧が遅れていることは知られていますが、この復旧の遅れは災害の規模が想定より大きかったという面が大きいとされています。
後藤氏は対策本部が設置されていないことを例としてあげていますが、対策本部が設置されていないことによって何か問題が起きているという訳でもありません。

仮に災害対応上の問題が起きていたとしても、それが大臣空白によるものなのかという話は全くの別物です。

1999年の東海村の核燃料工場での臨界事故を引き合いに、その時は内閣改造が延期されたといった解説がなされていますが、台風と東海村の核燃料工場での臨界事故を比べるのは正しいことでしょうか。
核燃料工場での臨界事故とった問題は年に何度も発生する台風被害とはわけが違います。
もちろん台風による被害も甚大でありますが、臨界事故とは被害の性質が全く異なるため、比べることは難しいといえます。

このように大臣空白による問題が何かを客観的に述べずに、主観的なニュース解説となっており、このような放送は視聴者に誤った印象を与えかねません。

我々視聴者の会はこのような視聴者の印象を操作するような放送を今後も監視し、公正なテレビ放送を目指して参ります。

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