2020年4月19日 サンデーモーニング(後編)

2020年4月19日 サンデーモーニング(後編)

サンデーモーニング、2020年4月19日分の検証報告(後編)です。

今回の報告では、
① 緊急事態宣言と国内感染者の増加について報道された部分
② アベノマスク配布と一律10万円給付について報道された部分
③ 韓国の大統領選挙ついて報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

続いて、
③ 韓国の大統領選挙ついて報道された部分

となります。では、放送内容を見ていきましょう。

【関口氏ニュース部分(全文)】
ムン・ジェイン政権の中間評価となる韓国の総選挙。
新型コロナウイルスの感染者が1万人を突破する中でもこの日、投開票が行われ、与党が定数の300のうち180議席を獲得するなど圧勝。投票率は66.2と高かったんですね。韓国では徹底した検査体制などにより感染拡大は一定程度抑えられていてムン・ジェイン政権、このコロナ対策が評価されたんでしょうか。

【コメンテーターの発言】
松原氏(全文):結局、ムン・ジェイン政権の新型コロナウイルスへの対応が評価されたのが今回の勝利の最大の要因だと思うんですね。それを支えたのが検査と隔離のやり方なんですね。まず、PCR検査、日本はなかなか拡大できないということが問題になっていますが、実は韓国は大きく分けて3つのところでできるんです。ここには書いていませんが、病院の中でも300カ所以上の病院で検査ができる、そして特徴的なのは屋外に作っている部分なんですね。ドライブスルーというのはかなり有名になって韓国がやったところ、アメリカ、ドイツなんかも早速、まねをしたと同時に、もう1つ、あまり知られていないんですが、これ(選別診療所)が大きな役割をしているんですね。実は日本が今、発熱外来を作ろうとつまり院内感染をしないように中じゃなくて外に作ろうという動きがあるんですが、これがまさにこれなんですね、選別診療所と言われるやつ。例えば駐車場にコンテナを置いたり、プレハブを建てたりして、ここでお医者さんもいて、診療もできるし、そのまま検査もできるというやり方、これが600カ所以上あるわけです。こうしたところで検査を積極的にやって陽性であれば重症者を病院に、軽症者はいろんな施設に送ることによって、軽症者を送り込むことによって病院をいっぱいにしないようしている。これを今、日本も4月になって始めているところなんですね。この体制をはやいうちから作ったことというのが感染者が一回ガッと増えたんですが、それを抑え込めたという一番の要因ではないかと思います。最も驚いたのは、実はこの選別診療所がいつできたかということですが、1月終わりには作り始めてるんですね。1月の終わりが何を意味するかというと、韓国の最初の感染者が出てから、実はもう、すぐなんですね、数日後と言ってもいいかもしれない。つまり、追い込まれて作り始めたんじゃなくて、1人出たらこのあと出るぞということで先回りしてたくさん作っていたわけなんですね。これで検査もたくさんできた、そして軽症者を送り込むことで、医療崩壊を防ぐこともできた、分けることでという意味ですね。これが最大のシステムといってもいいかもしれない。つまり、このように韓国は、検査と隔離、これを徹底することによって抑え込もうとしてきた。一方の日本はというと、クラスター対策、つまり集団感染を徹底的にたたこうじゃないかと、その周辺をということをやってきた。重症化を防ぐためのPCRということで、要はPCR検査を絞ってきたわけですね。PCR検査を積極的にやると医療崩壊が起きるじゃないかという声があって絞り込んできた。韓国のやり方をかなり冷やかに見る目もあったんですね。ただ、その結果といってもいいかもしれません韓国は感染経路不明者が下がっている、日本は上がっているわけですね。これを見ても、数パーセントになっているんですね。日本は東京なんかだと70%ぐらいになってしまっているんです。これが日本は一番医療崩壊が進むんじゃないかと懸念されている部分です。だから日本は日本のやり方があるというふうに、かたくなになるだけじゃなくて、韓国をはじめ、海外のいいところがあれば、今からでも遅くない、謙虚に海外の例を学んでいく必要もあるんじゃないかと思います。

関口氏:それが功を奏してムン・ジェイン政権は人気を得て、政権がまだ続くと。

松原氏(全文):かなり政権ももつし、議会も抑えましたからかなり強い地盤を作ったと言ってもいいんじゃないかと思います。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。

1、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

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1、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
松原氏は今回の報道で、以下のように述べています。

松原氏(抜粋):
結局、ムン・ジェイン政権の新型コロナウイルスへの対応が評価されたのが今回の勝利の最大の要因だと思うんですね。それを支えたのが検査と隔離のやり方なんですね。まず、PCR検査、日本はなかなか拡大できないということが問題になっていますが、実は韓国は大きく分けて3つのところでできるんです。ここには書いていませんが、病院の中でも300カ所以上の病院で検査ができる、そして特徴的なのは屋外に作っている部分なんですね。ドライブスルーというのはかなり有名になって韓国がやったところ、アメリカ、ドイツなんかも早速、まねをしたと同時に、もう1つ、あまり知られていないんですが、これ(選別診療所)が大きな役割をしているんですね。実は日本が今、発熱外来を作ろうとつまり院内感染をしないように中じゃなくて外に作ろうという動きがあるんですが、これがまさにこれなんですね、選別診療所と言われるやつ。例えば駐車場にコンテナを置いたり、プレハブを建てたりして、ここでお医者さんもいて、診療もできるし、そのまま検査もできるというやり方、これが600カ所以上あるわけです。こうしたところで検査を積極的にやって陽性であれば重症者を病院に、軽症者はいろんな施設に送ることによって、軽症者を送り込むことによって病院をいっぱいにしないようしている。これを今、日本も4月になって始めているところなんですね。この体制をはやいうちから作ったことというのが感染者が一回ガッと増えたんですが、それを抑え込めたという一番の要因ではないかと思います。最も驚いたのは、実はこの選別診療所がいつできたかということですが、1月終わりには作り始めてるんですね。1月の終わりが何を意味するかというと、韓国の最初の感染者が出てから、実はもう、すぐなんですね、数日後と言ってもいいかもしれない。つまり、追い込まれて作り始めたんじゃなくて、1人出たらこのあと出るぞということで先回りしてたくさん作っていたわけなんですね。これで検査もたくさんできた、そして軽症者を送り込むことで、医療崩壊を防ぐこともできた、分けることでという意味ですね。これが最大のシステムといってもいいかもしれない。つまり、このように韓国は、検査と隔離、これを徹底することによって抑え込もうとしてきた。一方の日本はというと、クラスター対策、つまり集団感染を徹底的にたたこうじゃないかと、その周辺をということをやってきた。重症化を防ぐためのPCRということで、要はPCR検査を絞ってきたわけですね。PCR検査を積極的にやると医療崩壊が起きるじゃないかという声があって絞り込んできた。韓国のやり方をかなり冷やかに見る目もあったんですね。ただ、その結果といってもいいかもしれません韓国は感染経路不明者が下がっている、日本は上がっているわけですね。これを見ても、数パーセントになっているんですね。日本は東京なんかだと70%ぐらいになってしまっているんです。これが日本は一番医療崩壊が進むんじゃないかと懸念されている部分です。だから日本は日本のやり方があるというふうに、かたくなになるだけじゃなくて、韓国をはじめ、海外のいいところがあれば、今からでも遅くない、謙虚に海外の例を学んでいく必要もあるんじゃないかと思います。

要旨をまとめると、
・韓国は様々な施策によって感染者数が減少した。これに倣い日本も韓国から謙虚に学んでいくべきである。
というものです。

しかしながら、
・4月12日の厚労省が発表したデータによれば、韓国はコロナウイルスに感染者は10,512人、死亡者214人であり、それに対し日本は感染者が6,748人で死亡者が98人であり、現状において感染者数・死亡者数どちらを比較しても日本のほうが感染を抑制できている。
・その為、「韓国のほうが感染を抑制できている」という松原氏の主張は明らかに事実に反している。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での松原氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「日本は韓国を見習うべきである」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「韓国はコロナウイルス感染者のカード使用履歴や防犯カメラから得た感染経路を本人の同意なしにウェブ上で公開しており、個人情報の保護の観点から望ましくない」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では政治的に公平でなかったり、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

① 緊急事態宣言と国内感染者の増加について報道された部分

については前編の報告を、

②アベノマスク配布と一律10万円給付について報道された部分

については中編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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