2020年5月10日 サンデーモーニング

2020年5月10日 サンデーモーニング

TBS「サンデーモーニング」、2020年5月10日放送回の検証報告です。

今回の報告では、
日本のPCR検査少なさと韓国の状況ついて報道された部分について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

【VTR要約】
日本のPCR検査数は依然少なく、先進国でも最低レベルとされます。日本の6倍以上の検査数を誇る韓国の検査体制について伝えられました。
首都ソウルにある韓国最大の検査機関には、96人分の検体を同時に解析できる検査機器が55台あり、職員が3交代で一日に1万件の検査を実施しています。
韓国には、こうした民間の検査機関が100カ所近くあり、徹底した検査体制で感染の抑え込みを図り、5日に外出自粛の要請を解除しました。
一方、日本の検査体制について4日、専門家会議は「PCR検査を行う中央衛生研究所のリソース(人材や物資)が極めて少ない。人員のカットなんかもありますし」と述べ、検査体制が貧弱なのは、SARSやMERSが流行した際、感染症対策を拡充する動きが広がらなかったからだといいます。
8日、PCR検査につながる相談の目安に大きな変化がありました。相談の目安から「37.5度以上の熱が4日以上」との文言がなくなり、「息苦しさ・強いだるさ・高熱などの強い症状、比較的軽い風邪の症状が続く」などの表現に変わりました。加藤厚労相は、「目安が相談あるいは受診の一つの基準のように捉えられた。我々から見れば誤解ですが。」と述べ、基準と捉えられたのは誤解だったといいます。しかし、例えば専門家会議のメンバーらで作る会のホームページにも「うちで治そう、4日間はうちで」の文言がありました。(現在は削除)
8日には、柚木衆議院議員が「分かってなかった国民の皆さんが悪いんですか。せめて一言、ルール変えるよ だけでなくお詫びの言葉を述べていただけませんか」と加藤厚労相に求め「これは幾度となく通知も出させていただいて、そうではないんだと」との論戦が行われました。
北海道大学の豊嶋教授は、飛沫感染のリスクが低い唾液を検体に使う新たなPCR検査方法を、国に認めて欲しいと述べました。日本医師会も速やかな導入を求めていて、国の対応が問われています。

スタジオで院長は、PCR検査につながる相談の目安変更点について水野アナが解説しました。ふじみの救急クリニック鹿野は「この目安があったがために 患者は相談することを躊躇い保健所も要望に応じなかったのは事実だと思う」と指摘しました。

【コメンテーター発言内容】
関口氏(要約):37.5度以上の熱が4日以上は最初の頃よく言われていました。最初の時点で患者さんが殺到して医療崩壊的なことが起こることを危惧したということですか?

岡田氏(要約):そういうことだと思います。最初の段階ではクラスターを追っていけばいいんだという政策だった。今、たくさん検査してベットを用意してというように、政策転換をせざるをえなくなった。政策転換するときには専門家委員会の人たちには理由と結果を説明されることが本当のサイエンスかなと思います。

姜尚中氏(全文):今、サイエンスという言葉がありましたけれども、テストというのはすべてサイエンスに通じるわけですね。われわれが学生の学力をはかるときにテストをしないで、どうして評価できるんでしょうか。その場合の優、良、可、不可をつけるときに、例えば60点が一つのボーダーラインなのか、それが今回の4日と37.5度ですか、その基準になるわけですよね。今やっていることは、テストをしないということは、学生に対してテストをしないで学力の評価をアバウトにこれぐらいでやっちゃえというようなことなんですね。 そうすると学生をどうやってトレーニングしてどういう方向に持っていけばいいのかというのが分からない、つまり、出口戦略が見えないと。私は初動の対応が誤っていたということをしっかりと見るべきですし、問題は絶えず流動化していますから、基準や方針が変わることは仕方がないと思うんです。もうちょっと柔軟に、そしてスピーディーに、そして透明性をもって、そして中長期、短期の指針を示してもらいたいと思います。

大宅さん(要約):政策を変えるときに基準が必要。入り口に入るときの基準がはっきりしていなかったからどうやったら出口だという基準もできていない。細川政権の夜中の記者会見を思い出す。

関口氏(要約):みなさんの話を聞いていると、日本人の体質みたいなことになるのかな。

青木氏(全文):いや、体質ではなくて、37.5度と最初は絞らざるをえなかったのかもしれないけれども、と同時にどんどん検査体制を増やしていって、といのは各国やっているわけですよ。 だって、韓国は累計が95万件ですよ。ドイツは170万、180万、やっていないと言われているイギリスでさえ60万やってるんですよ。それがまだ日本が20万台。これは当初はやむをえなかったとしてもこの間、1カ月、2カ月、3カ月というところでいうとやっぱり政権の、先ほど本気じゃなかったわけじゃないと言ったんだけど、明らかに本気じゃなかったか、本気だったとするんなら、失礼ですけど無能ということになってしまいますよね。この時間をかけて、なぜ日本だけが検査体制を整えることができなかったんでしょうかというあたりは。これは僕らは真剣に問わなくちゃいけないし、真剣に政権は考えなくちゃいけないと思います。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。

1、姜尚中氏の発言事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、姜尚中氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
姜尚中氏は今回の報道で、以下のように述べています。

姜尚中氏(抜粋):今、サイエンスという言葉がありましたけれども、テストというのはすべてサイエンスに通じるわけですね。われわれが学生の学力をはかるときにテストをしないで、どうして評価できるんでしょうか。その場合の優、良、可、不可をつけるときに、例えば60点が一つのボーダーラインなのか、それが今回の4日と37.5度ですか、その基準になるわけですよね。今やっていることは、テストをしないということは、学生に対してテストをしないで学力の評価をアバウトにこれぐらいでやっちゃえというようなことなんですね。 そうすると学生をどうやってトレーニングしてどういう方向に持っていけばいいのかというのが分からない、つまり、出口戦略が見えないと。私は初動の対応が誤っていたということをしっかりと見るべきですし、問題は絶えず流動化していますから、基準や方針が変わることは仕方がないと思うんです。もうちょっと柔軟に、そしてスピーディーに、そして透明性をもって、そして中長期、短期の指針を示してもらいたいと思います。

要旨をまとめると、
・PCR検査をしないことは試験をしないで学生を評価することに等しい。もっと検査を増やすべきである。
・初動の対応が間違っていた。
・もっと柔軟に、迅速に、透明性をもって中長期・短期の指針を提示してほしい。
というものです。
しかしながら、
・厚生労働省は2月時点に新型コロナウイルスに対する指針をすでに提示しており、感染初期には国内線侵入の防止、感染中期に集団感染の防止を進めながら、重症化感染の抑制を図っている。そのため、「もっと迅速に指針を提示してほしい」という姜中尚氏の主張は事実とは明らかに反する。

・また現時点において、4/8~5/12間の6週間の新規感染者動向をみると、直近2週間は新規感染者が減少傾向にあるため「初動の対応が間違っていた」という姜尚中氏の主張は事実とは反する恐れがある。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での 青木氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

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2、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):いや、体質ではなくて、37.5度と最初は絞らざるをえなかったのかもしれないけれども、と同時にどんどん検査体制を増やしていって、といのは各国やっているわけですよ。 だって、韓国は累計が95万件ですよ。ドイツは170万、180万、やっていないと言われているイギリスでさえ60万やってるんですよ。それがまだ日本が20万台。これは当初はやむをえなかったとしてもこの間、1カ月、2カ月、3カ月というところでいうとやっぱり政権の、先ほど本気じゃなかったわけじゃないと言ったんだけど、明らかに本気じゃなかったか、本気だったとするんなら、失礼ですけど無能ということになってしまいますよね。この時間をかけて、なぜ日本だけが検査体制を整えることができなかったんでしょうかというあたりは。これは僕らは真剣に問わなくちゃいけないし、真剣に政権は考えなくちゃいけないと思います。

要旨をまとめると、
・日本と違い、韓国やドイツなどは検査体制を増やしている、
・PCR検査量を増やさない、政府の一連のコロナに対する対応は無能である。
・日本だけが検査体制を整えることができなったか考えないといけない。
というものです。

しかしながら、
・PCR検査数が少ない日本の総死者数は729人であるのに対して、検査数が多いドイツの死者数は8027人、韓国の死者数は262人であり、PCR検査体制が整っていれば、感染を抑止することができると因果関係を証明することはできない。
・そのため、「PCR検査を増やさないため、政府は無能である」という青木氏の主張は、政治的公平性を欠く恐れがある。
・また、PCR検査体制においては、帰国者接触外来等各都道府県が指定する医療機関でおよび、一部地域では地域外来・検査センターにおいて実査されており、「日本のPCR検査体制が整っていない」
という青木氏の主張は明らかに事実に反している。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の道での青木氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第2号「政治的に公平であること」第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「PCR検査を増加させるべき」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「医療リソースにも限りがあるのだから、闇雲にPCR検査数を増やすのではなく、重症者の治療を優先すべきだ」「PCR検査は必ずしも感染者が必ずしも陽性になるとは限らない」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告となります。事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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