2020年4月26日 サンデーモーニング(後編)

2020年4月26日 サンデーモーニング(後編)

サンデーモーニング、2020年4月26日分の検証報告(後編)です。

今回の報告では、

以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
②「風をよむ」にてコロナとプライバシーについて報道された部分
検証4「青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」

ならびに、
③辺野古移設問題について報道された部分

となります。

では、さっそく②の検証3をみてみましょう。

4、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):皆さんからいろんな話があって自由か安全かというのは古い議論だとおっしゃられて全くそのとおり、昔からある議論なんですけれどもただそれに加えて今AIとかネットとかスマホとか監視カメラとかGPSとか組み合わさるとあっという間に神の目を持ちかねないわけですね。この流れというのは、どんどん進んでいって不可避なんですよ。そうなってくると、活用できるところはどう活用して、制御するかというところはどう制御するかというのは大真面目に考えなきゃいけない。感染症に関して言うと、防疫当局が情報を持つのはいいんだけど、治安当局に持たせないとかデータを匿名かするとか消すとかしなくてはいけない。日本でも先ほどスノーデンの話も出ましたけど、日本にエックスキースコアって機能を日本に提供していると、これを使うと個人のネットの履歴とか通信状況というのが全部丸裸にできるものを日本に渡して日本は使ってるんじゃないかと言ってるんです。すでにその兆候はあるのでこの情報ツールというものをどう制御してどう活用するかを国会でもメディアでも大真面目に議論しなきゃいけない局面だなと。

要旨をまとめると、
・防疫当局に情報を持たせることはいいが、プライバシーをどう制御するかは考えないといけない、
・日本にはエックスキーコアを提供がされている。
・エックスキーコアは個人情報が丸裸になってしまうものであり、日本はこれを使っているのはないか。

というものです。

しかしながら、
・日本にエックスキーコアを提供したという事実は現時点において全く存在していない。その為、青木氏の「エックスキーコアを日本は使用している」という主張は単なる陰謀論に過ぎず、事実に反する恐れがある。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

続いて、
③ 辺野古移設問題について報道された部分
となります。では、放送内容を見ていきましょう。

【VTR要約】
沖縄のアメリカ軍普天間基地の辺野古移設問題。4月21日防衛省は、埋め立て予定海域にある軟弱地盤の改良工事を行うため設計変更を沖縄県に申請しましたが、玉城知事はコロナの感染拡大で緊急事態宣言を出したばかりで設計変更を認めませんでした。改良工事により普天間基地への返還は早くても2030年以降へと大きくずれ込み、総工事費もこれまでの2.7倍に膨れ上がる見込みです。

【コメンテーター発言内容】
青木氏(全文):(黒板を使ってさらに説明しながらコメントを述べた。)
設計変更をしたんですけど、そもそも辺野古の基地が完成するのか、作れるのかを考えてみたいと思うんですね。今VTRにもありましたけれども軟弱地盤というのがかなり広範な66haくらい見つかって、砂の杭などを打って補強するんですね。砂の杭というのは最長で70mの杭を実に7万1000本打つという壮大かつ膨大な計画なんですけれども、実は、なかなか政府は認めたがらないんですけど水面下最長70mじゃなくて、どうも90mの地点もあるんだということが分かってきたんですね。防衛省の調査などで分かってきたんですね。90mということになってくると、現時点でこういう作業をする船が日本にはないんです。かつ、前例もないらしいんですね。ということになってくるとこんな工事、ひょっとしたらできないんじゃないかと、無理やり埋め立ててもどんどん沈んでいっちゃいますからそもそも工事事態が不可能なんじゃないかというのが、今、一つある。それから今ありましたけれども、沖縄の民意ですね。去年、県民投票をやって半数以上の反対票が出たと。玉城知事も、設計変更を出しても承認しませんと言ってますよね。ということになってくると、また膨大な時間がかかって法廷闘争になるかもしれませんけれどもこれもひょっとしたらできないんじゃないのとなってくる。しかし、国は全く態度を変えてなくて、やるつもりなんです。やったらどうなるかというと、今、VTRの中でありましたけれども、当初完成予定というのは2022年よりもちょっとあとぐらいじゃないかと言われていたんですが、どうもこれが2035年以降になるんじゃないかというんです。ということになってくると15年後、安全保障の関係も大分変わっちゃっているということもあるんじゃないかと思いますし、総工費、当初3500億円ぐらいじゃないかと言っていたんですが今、国がいっているのが9300億円がかかるだろうと、国の積算なんですけど。しかし、これは沖縄県の積算だと、とてもこんなのじゃ終わらないと。2.5兆ぐらいかかるんじゃないかと言っているんですね。誰もが考えると思うんですけれども、造れるかどうかも分からない、ひょっとするとだめなんじゃないかというものに2.5兆かけるんですかということです。ちなみに、余談ですけれども、今、秋田と山形に置こうとしているイージス・アショアがこれも1兆ぐらいかかるんじゃないかと言われているんですね。それからF-35というアメリカの戦闘機を147機買うと、単純計算で1兆7000億円。場合によっては維持費なんかも含めると6兆円ぐらいかかるんじゃないかと言われているんですね。あっという間に2兆とか1兆とか6兆という数字が出てくるんですけどそのお金、不要じゃないにしても不急ではないかというと、このお金、どこに使うんじゃないかと、今一番の危機に使うべきなんじゃないかと、そんな議論が出ても僕はおかしくないんじゃないかと。実際、韓国なんかではそういう動きがあるんですけれどもちょっと考えたほうがいいんじゃないかと思います。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。

1、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(全文):(黒板を使ってさらに説明しながらコメントを述べた。)
設計変更をしたんですけど、そもそも辺野古の基地が完成するのか、作れるのかを考えてみたいと思うんですね。今VTRにもありましたけれども軟弱地盤というのがかなり広範な66haくらい見つかって、砂の杭などを打って補強するんですね。砂の杭というのは最長で70mの杭を実に7万1000本打つという壮大かつ膨大な計画なんですけれども、実は、なかなか政府は認めたがらないんですけど水面下最長70mじゃなくて、どうも90mの地点もあるんだということが分かってきたんですね。防衛省の調査などで分かってきたんですね。90mということになってくると、現時点でこういう作業をする船が日本にはないんです。かつ、前例もないらしいんですね。ということになってくるとこんな工事、ひょっとしたらできないんじゃないかと、無理やり埋め立ててもどんどん沈んでいっちゃいますからそもそも工事事態が不可能なんじゃないかというのが、今、一つある。それから今ありましたけれども、沖縄の民意ですね。去年、県民投票をやって半数以上の反対票が出たと。玉城知事も、設計変更を出しても承認しませんと言ってますよね。ということになってくると、また膨大な時間がかかって法廷闘争になるかもしれませんけれどもこれもひょっとしたらできないんじゃないのとなってくる。しかし、国は全く態度を変えてなくて、やるつもりなんです。やったらどうなるかというと、今、VTRの中でありましたけれども、当初完成予定というのは2022年よりもちょっとあとぐらいじゃないかと言われていたんですが、どうもこれが2035年以降になるんじゃないかというんです。ということになってくると15年後、安全保障の関係も大分変わっちゃっているということもあるんじゃないかと思いますし、総工費、当初3500億円ぐらいじゃないかと言っていたんですが今、国がいっているのが9300億円がかかるだろうと、国の積算なんですけど。しかし、これは沖縄県の積算だと、とてもこんなのじゃ終わらないと。2.5兆ぐらいかかるんじゃないかと言っているんですね。誰もが考えると思うんですけれども、造れるかどうかも分からない、ひょっとするとだめなんじゃないかというものに2.5兆かけるんですかということです。ちなみに、余談ですけれども、今、秋田と山形に置こうとしているイージス・アショアがこれも1兆ぐらいかかるんじゃないかと言われているんですね。それからF-35というアメリカの戦闘機を147機買うと、単純計算で1兆7000億円。場合によっては維持費なんかも含めると6兆円ぐらいかかるんじゃないかと言われているんですね。あっという間に2兆とか1兆とか6兆という数字が出てくるんですけどそのお金、不要じゃないにしても不急ではないかというと、このお金、どこに使うんじゃないかと、今一番の危機に使うべきなんじゃないかと、そんな議論が出ても僕はおかしくないんじゃないかと。実際、韓国なんかではそういう動きがあるんですけれどもちょっと考えたほうがいいんじゃないかと思います。

要旨をまとめると、
・辺野古基地の建設や秋田県のイージス・アショアの設置には莫大なカネがかかる。
・これらにかかるカネは不要不急であるから、コロナ対策に回すべきだ。
・実際に韓国でもこのような動きがある。
というものです。

しかしながら、
・尖閣諸島における中国の領海侵入が多発している現状を鑑みれば、辺野古基地の建設が不要不急であるという青木氏の主張は事実とは明らかに反している。
・また、立地も国外情勢も違う韓国と日本を比較して「韓国では安全保障関連の予算を削っているのだから、日本も削るべきだ」という青木氏の主張は、政治的に公平でない。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「辺野古基地への移設はすべきではない」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「近年の対外関係を鑑みれば、辺野古基地の建設は安全保障上必要不可欠である」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では政治的に公平でなかったり、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

①コロナウイルスの陽性率が示す感染の広がりについて報道された部分
については前編の報告を、

② 「風をよむ」にてコロナとプライバシーについて報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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