2020年5月24日 サンデーモーニング(中編)

2020年5月24日 サンデーモーニング(中編)

TBS「サンデーモーニング」、2020年5月24日放送回の検証報告(中編)です。

今回の報告では、
① 緊急事態宣言の解除について報道された部分
② 検察官の定年延長問題について報道された部分
③ 新型コロナワクチンの開発について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

中編で検証するのは、
②検察官の定年延長問題について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

【VTR書き起こし】※括弧内()は発言日と場所です。
(橋谷アナ)検察官の定年延長問題で渦中の人だった黒川検事長が賭けマージャンで突然辞職。安倍総理の責任を問う声も上がりました。記者からの問いかけに無言だったのは検察のナンバー2、東京高検検事長だった黒川弘務氏。木曜日発売の「週刊文春」はこの黒川氏が5月1日と13日の2日にわたり、賭けマージャンを行っていたと報じたのです。新型コロナウイルスの緊急事態宣言のさなかに密となるマージャンに一緒に興じていたのは取材を通じて知り合った産経新聞の記者2人と朝日新聞の元記者1人です。黒川氏は木曜日、賭けマージャンをしていた事実を認め、辞表を提出。法務省は黒川氏に訓告の処分を下したのです。
これに対し、野党は…
(22日衆院法務委)
「立国社」会派 山尾議員「なぜ懲戒ではなく訓告なのですか」
森法相「事案の内容と諸般の事情を総合的に考慮し適切な処分を行ったのです」

法務省の調査に対し、黒川氏らは3年ほど前から月1〜2回程度マージャンを行い、今月1日と13日は1~2万円の金銭のやりとりがあったと説明しています。人事院によると、国家公務員が賭博をした場合、減給か戒告、常習の場合は停職の処分が科せられることになっています。しかし、黒川氏に出された処分は訓告。賭けていた金額が少なかったとして口頭や文書での注意にとどめる形に。およそ6000万円の退職金も支払われることになります。

そしてもう1つ、野党が問題にするのが…
(21日院内)
立憲民主党 安住国対委員長「余人をもって代えがたいから、と延々と言い続けてきたのは安倍総理じゃないですか?本来だったら総辞職に値する」

(22日衆院法務委)
「立国社」会派 階議員「大臣自ら責任を取って辞任する考えはありませんか?」
黒川氏の辞職を受けて、野党から責任を問われた森法務大臣。
森法相「昨晩総理に進退伺を提出したところです。総理からは強く慰留されました。」

そして安倍総理に対しても、
(22日衆院厚労委)
立憲民主党 西村議員「総理にはもちろん任命責任もありますけれども、なぜ黒川さんの定年延長を決めたのか、きちんと説明する義務 責任がある」
黒川氏は政府が法解釈を変更してまで特例で定年を延長した人物です。その理由は余人をもって代えがたいというものでしたが…
(22日衆院厚労委)
安倍総理「法務大臣からの閣議請議により閣議決定されるという、適正なプロセスを経て
引き続き勤務させることとしたものであり、脱法的なものではありません。検事総長とするために勤務延長させたものでももちろんない」
みずからも責任はあるとしながらも、あくまで黒川氏の定年延長は法務省から求められたものだと強調したのです。
一方、黒川氏の定年延長を後付けで正当化するためではと指摘されている検察庁法改正案についても動きがありました。月曜日、政府は今国会での成立を見送る方針を決定。改めて秋の臨時国会で成立させる姿勢をにじませていたのです。

(15日参院本会議)
安倍総理「目的は高齢期の職員の豊富な知識・経験などを最大限に活用する点などにある」
ところが黒川氏が正式に辞職した金曜日その方針に変化が。
金曜日の国会、野党側は改めて国家公務員と検察官の定年延長法案の今後の扱いについて安倍総理をただしました。
(22日衆院厚労委)
安倍総理「今このコロナショックの中で民間の給与水準の先行きが心配される中において、役所先行の定年延長が理解を得ることができるかどうかという議論があるのも事実。もう一度ここで検討すべきではないかと」
問題となっている検察官だけではなく国家公務員の定年延長そのものについて再検討する方針を示したのです。

(22日院内)
立憲民主党 安住国対委員長『先週まで本当に強行採決をしてまでこの法案を通そうと言って、「重要だ重要だ」とあれだけ言って、朝起きたらいきなり今度は「この法案は社会が変わって全く意味がないからやめます」とこんな人総理大臣が務まるんでしょうか』

ネットを巻き込み、大きな議論を呼んだ検察官の定年延長問題。 検事長辞職という思わぬ展開に波紋は広がるばかりです。

(スタジオにて橋谷アナの説明)
そもそも黒川検事長の定年延長問題というのは黒川氏に検事総長の道が開けるものでした。なぜ黒川さんだったのかというと、政府は複雑困難事件の捜査に対応するため必要不可欠、このように説明していた。これを後から正当化するかのように国会に提案されたのが、検察庁法改正案 内閣の判断で検察幹部の定年を延長できるというもの。野党は「時の政権に都合のいい人物が選ばれる恐れがある」と批判していました。一般の国家公務員の定年を延長をする改正案などと抱き合わせで今国会に提出されていた。安倍総理は黒川氏の辞職が決まりますと、国家公務員の定年延長そのものを再検討する方針を発表しました。突然の方針転換に改めて説明責任が問われているんですね。

【コメンテーター発言】
関口氏(要約):法案全体が撤回されたわけでも何でもないんだね、今のところはね。さらに青木さんにボードを使って説明していただきます。

青木氏(全文):ここにきて法務省に求められたものを認めたんだというふうに安倍さん強調されてるんですけれども、実態がどうだったのかというのはとんでもない話なので整理したいんですね。実は今回の黒川検事長、もう前検事長になるんですかね、皆さんご存じで日本で一番誕生日が有名な人になったと思うんですけど今年の2020年2月が誕生日だった。この2月をもって定年退官させますよという人事案を実はこの2019年の11月に法務省は官邸に持ってたんですね、人事案を。実は黒川さんもそのつもりで再就職する弁護士事務所も決まっていたし、送別会も決まっているということでこれは規定の路線として人事案を持ってたと。ところが、2019年11月の段階で官邸がいやいや、黒川君は法務・検察に必要な人材だよねというようなことをおっしゃってだめだと言ったんですね。そこで突き返された形になって、法務省は頭を抱えたんですね。さあどうしようかと。稲田検事総長もまだ任期が残ってるしどうしようかといって、ようやく年明けに今度定年延長という秘策を考え出して持っていったんです。あっこれでいいじゃないか、やろうじゃないかということで1月31日に閣議決定をして、定年を延長するとこの定年延長というのはご存じのとおり、国家公務員法を適用してやることになったんです。だからすべての起点は2019年11月の官邸の意志なんですね。その結果何が起きたかといえば、1981年に政府が国家公務員法は検察官には適用されませんよと言っていたことが分かっちゃってこれでまずい、違法・脱法なんじゃないかということで、安倍政権は慌てて法解釈を変更することにしたんです。しかもこの法解釈を変更するに当たって検察庁法の改定というのも準備していたんだけども去年の秋の時点では、単に定年を65歳にするという法案だったんです。ところがこういうことをしちゃったものだから辻褄合わせをするために定年延長規定というのを盛り込んで慌てて作り直すということも起きた。それから、ついには黒川さんは結局延命をして、本当は辞めて弁護士になる予定だったのに延命して、その結果としてついに賭けマージャンの問題まで起きちゃった。つまり、この2019年11月の官邸側の意志というものがなかったら、こんな違法・脱法の問題も起きなかったし、それから法解釈の変更も起きなかったし、検察庁法改定する必要もなかった。もっといえば、もちろん黒川さんにも、それから一緒にマージャンをやった新聞記者にも問題はあるんですけどこんな賭けマージャンなんてことも、本来は起きなかったんですね。
ということになってくると、一番の原点は2019年11月の官邸が黒川君を残したほうがいいんじゃないかという示唆をしたことがすべての発端になっているということを考えるとこれは一番の問題は官邸にあるんじゃないですかということなんですね。あえて付け加えて言えば森友学園のときの公文書改ざんの構図とよく似ていて、あのときは首相が私や妻が関与していたら私は首相も議員も辞めますと言った、そういう大見得を切っちゃったことが結果的に財務省の中で公文書の改ざんが行われたりとか、末端の職員が自殺をしたりということが起きちゃったんです。
そのときも佐川さんという人が有能だからといって国税庁のトップにまでつけたんだけど結果的にその人が改ざんを主導していたことが分かって大問題になったと。結局官邸の無茶な振る舞いとか大見得とか放埒な人事というものが官僚機構の中、今回の場合で言うと準司法機関的なところでこんな大混乱を引き起こしちゃったというのは、繰り返しますけれども、黒川さんにも問題があるし、法務にも問題があるんだけどやはり官邸の一強官邸の有り様というものに問題があるということが絶対に見逃しちゃいけない点だと思います。官邸全体なのか、官邸の中の一部の幹部なのかは別として、黒川さんというのは使えるやつだ、だから残したいんだと。必要不可欠と言っていたわけですよね。しかし、必要不可欠な人が賭けマージャンしたんですからそれはその辺の問題というのは官邸側の責任を問わなくちゃいけないと思いますよ。

田中氏(要約):ご当人がマージャン賭博をしていたから辞めたと、だからこの話なかったことにしてくれというわけにはいかないですね。1月31日に定年延長の閣議決定されているんですがその時点では前の日にWHOが世界に向かってコロナの非常事態宣言を発したニュースが世界中に知れ渡っている、その最中ですよ。そのときに、この決定が行われたというところがコロナと匹敵するぐらい重大問題あるのかと思った。一体何のために彼が必要だったかということがきちんと説明しなかったら、どんどん支持率下がりますよ。支持率がこれ以上下がったら困るんですよ、この重大な局面で。だから本当に信頼回復に一生懸命になってもらたいと思います。

涌井氏(全文):私は2つあると思うんですね。1つはなぜ改正案を見送ったのかというのをずっと時系列で追いかけていくと4月7日に緊急事態宣言を発出して、それで文春は5月1日と5月13日のマージャンの取材をしているわけですね。5月17日に本人にインタビューをしている。それは必ず官邸に伝わったんじゃないかという気がするんですね。だから5月18日にこの問題、大きくなるなということで国会成立の見送りを示したんじゃないかなと、そういう読みが、うがった見方かもしれませんができてしまうというのはちょっと残念だなと。もっと問題があるのは、1人、黒川さんの問題に限らないと思うんですね。なんとなれば、特別法である検察庁法と国家公務員法がなぜひもづけられているのかと考えていくと、何とそこには一方では国家公務員法の枠組みの中で今回の懲戒処分の件もそうですけれども、そういうことを言いながら一方では特別法であるから人事院を関係なしに、要するに内閣が検事総長、次長、検事長その他について定年の延長の裁量を持つんだという話になってくると、一体どういうことなのかなと。 明らかに時の政権が検察幹部を左右できることになりますし検察官というのは犯罪を起訴する権限とそういうものを独占しているわけですね。それからさらにいえば、起訴、不起訴の裁量権も持っているという。準司法官であるという観点からいうと非常に矛盾をきたしてくるのではと見ています。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の4点です。

1、橋谷氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
4、涌井氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている

それぞれ順を追って解説します。

1、橋谷氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
橋谷氏は今回の報道で、以下のように述べています。

橋谷氏(抜粋):検察官の定年延長問題で渦中の人だった黒川検事長が賭けマージャンで突然辞職。安倍総理の責任を問う声も上がりました。記者からの問いかけに無言だったのは検察のナンバー2、東京高検検事長だった黒川弘務氏。木曜日発売の「週刊文春」はこの黒川氏が5月1日と13日の2日にわたり、賭けマージャンを行っていたと報じたのです。新型コロナウイルスの緊急事態宣言のさなかに密となるマージャンに一緒に興じていたのは取材を通じて知り合った産経新聞の記者2人と朝日新聞の元記者1人です。黒川氏は木曜日、賭けマージャンをしていた事実を認め、辞表を提出。法務省は黒川氏に訓告の処分を下したのです。

要旨をまとめると
・週刊文集は黒川検事長が2週間にわたり賭け麻雀を行っていたと報じた。
・検察官の定年延長問題で渦中の人だった黒川検事長が賭け麻雀で突然辞職し、総理の責任を問う声が上がった。

というものです。

しかしながら、
・安倍総理の責任を問うために、マスコミと黒川氏の間で行われていた賭博問題に根拠に用いる事は妥当性が低く、事実に反する恐れがあり、政治的に公平性を欠く。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での橋谷氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

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2、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):ここにきて法務省に求められたものを認めたんだというふうに安倍さん強調されてるんですけれども、実態がどうだったのかというのはとんでもない話なので整理したいんですね。実は今回の黒川検事長、もう前検事長になるんですかね、皆さんご存じで日本で一番誕生日が有名な人になったと思うんですけど今年の2020年2月が誕生日だった。この2月をもって定年退官させますよという人事案を実はこの2019年の11月に法務省は官邸に持ってたんですね、人事案を。実は黒川さんもそのつもりで再就職する弁護士事務所も決まっていたし、送別会も決まっているということでこれは規定の路線として人事案を持ってたと。ところが、2019年11月の段階で官邸がいやいや、黒川君は法務・検察に必要な人材だよねというようなことをおっしゃってだめだと言ったんですね。そこで突き返された形になって、法務省は頭を抱えたんですね。さあどうしようかと。稲田検事総長もまだ任期が残ってるしどうしようかといって、ようやく年明けに今度定年延長という秘策を考え出して持っていったんです。あっこれでいいじゃないか、やろうじゃないかということで1月31日に閣議決定をして、定年を延長するとこの定年延長というのはご存じのとおり、国家公務員法を適用してやることになったんです。だからすべての起点は2019年11月の官邸の意志なんですね。その結果何が起きたかといえば、1981年に政府が国家公務員法は検察官には適用されませんよと言っていたことが分かっちゃってこれでまずい、違法・脱法なんじゃないかということで、安倍政権は慌てて法解釈を変更することにしたんです。しかもこの法解釈変更するに当たって検察庁法の改定というのも準備していたんだけども去年の秋の時点では、単に定年を65歳にするという法案だったんです。ところがこういうことをしちゃったものだから辻褄合わせをするために定年延長規定というのを盛り込んで慌てて作り直すということも起きた。それから、ついには黒川さんは結局延命をして、本当は辞めて弁護士になる予定だったのに延命して、その結果としてついに賭けマージャンの問題まで起きちゃった。つまり、この2019年11月の官邸側の意志というものがなかったら、こんな違法・脱法の問題も起きなかったし、それから法解釈の変更も起きなかったし、検察庁法改定する必要もなかった。もっといえば、もちろん黒川さんにも、それから一緒にマージャンをやった新聞記者にも問題はあるんですけどこんな賭けマージャンなんてことも、本来は起きなかったんですね。

ということになってくると、一番の原点は2019年11月の官邸が黒川君を残したほうがいいんじゃないかという示唆をしたことがすべての発端になっているということを考えるとこれは一番の問題は官邸にあるんじゃないですかということなんですね。あえて付け加えて言えば森友学園のときの公文書改ざんの構図とよく似ていて、あのときは首相が私や妻が関与していたら私は首相も議員も辞めますと言った、そういう大見得を切っちゃったことが結果的に財務省の中で公文書の改ざんが行われたりとか、末端の職員が自殺をしたりということが起きちゃったんです。
そのときも佐川さんという人が有能だからといって有能だからといって国税庁のトップにまでつけたんだけど結果的にその人が改ざんを主導していたことが分かって大問題になったと。結局官邸の無茶な振る舞いとか大見得とか放埒な人事というものが官僚機構の中、今回の場合で言うと準司法機関的なところでこんな大混乱を引き起こしちゃったというのは、繰り返しますけれども、黒川さんにも問題があるし、法務にも問題があるんだけどやはり官邸の一強官邸の有り様というものに問題があるということが絶対に見逃しちゃいけない点だと思います。官邸全体なのか、官邸の中の一部の幹部なのかは別として、黒川さんというのは使えるやつだ、だから残したいんだと。必要不可欠と言っていたわけですよね。しかし、必要不可欠な人が賭けマージャンしたんですからそれはその辺の問題というのは官邸側の責任問わなくちゃいけないと思いますよ。

要旨をまとめると、
・黒川氏は退職する予定だった。しかし、検察側が提出した人事案は拒否され、官邸側は黒川氏を必要不可な人材として検察の定年延長を持ち出した。その際国家公務員法を適用し、法解釈を変更した。
・もともとは65歳に定年引き上げる検察庁法の改定も盛り込まれていたが、黒川氏の定年を延長するために、賭け麻雀のような問題を発生してしまった
・このような状況は森友学園の公文書改ざん問題に似ており、準司法的なところに官邸が介入している状態を見直さなければならない
・とにかく、官邸にとって必要な人が賭け麻雀をしたのだから、官邸は責任を負うべきである
というものです。

しかしながら、
・検察の人事を決定するのに際し、民主主義の手続きを経た政治家が検察人事を確認するのは至極当然のことである。その為、青木氏の「検察側が提出した人事案を官邸側拒否するのは準司法的なところへの介入でありあってはならない」という主張は事実に明らかにに反する。
・官邸の責任問題に際しマスコミと黒川氏の間で行われていた賭博問題を根拠に用いる事は妥当性が低く、「官邸にとって必要な黒川氏が賭け麻雀をしたのだから官邸は責任を負うべきである」という主張は、政治的に公平性を欠く。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

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3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「官邸は検察の人事に介入してはならない」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「検察庁法を含めた国家公務員法の改正と黒川氏の定年延長は論点が違うから分けて考えるべきである」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の中編となります。後編では政治的に公平でなかったり、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

この続きの
② 検察官の定年延長問題について報道された部分における
 検証4涌井氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」

ならびに
③ 新型コロナワクチンの開発について報道された部分
については、後編の報告をご覧ください。

① 緊急事態宣言の解除について報道された部分
については前編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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