11/22(水)には、熊本市議の乳児を連れた議場入りが物議を醸しました。
報道ステーションではどういうコメントがされたか見てみましょう。
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小川彩佳アナ:訴えたいことはものすごくよくわかるんですが、ちょっと強引な方法であったのかなと。かえって「これだから働くお母さんは」ですとか、そういったいやな言葉ですが批判も招きかねないことだったのかもしれないなと。ただ、そうでもしなければ動かない環境があったと考えると向かわなきゃいけないのはそこですね。
後藤:前段があるんですよね。妊娠中に、こういうのはどうなんだという問題提起があったんですが、(中略)、今日当日を迎えて混乱を迎えてしまった。
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こういった問題では、否定意見をした人が逆に攻撃対象になってしまうのが昨今の風潮です。
小川アナの本心はわかりませんが、「そうでもしなければ動かない環境があった」という肯定意見、「強引な方法であった」という否定的意見の両方を提示したのは評価できます。
同様に後藤氏も、「事前に問題提起があった」「議会を混乱させた」と肯否両方述べています。
話は逸れますが、後藤氏が続けてこんなことを述べました。
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後藤謙次:国際的な潮流は、乳児を議場に連れていくという方向になっているそうですね。今年5月にオーストラリアの連邦議会、ここで議場で授乳したというのが大きな話題になっていましたね。これもオーストラリア議会がきちっとルール化したからという結果です。
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これはテレビ、新聞両方に言えることなのですが、レアケースを挙げて「世界はこうだ」と、日本は遅れているかのように報じるのは、皆さんどう思いますか?
ハフィントンポストの記事です。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/22/kumamoto_a_23285061/
「世界でこんなにいる」と銘打ってますが、よくよく読んでみると、「少ないんじゃね?」というのが小生の感想です。
これまでハフィントンポストで取り上げられた「子供同伴議員」を挙げてみます。(カッコ内は、国・子連れ議場入りした年)
Nines Maestro(Spain,1991)
Michelle Dockrill(Canada,1998)
Sarah Hanson-Young(Australia ,2009)
Sana Hassainia(Canada,2012)
Licia Ronzulli(Italia,2014)
Victoria Donda(Argentine,2015)
Camila Vallejo(Chile,2015)
Carolina Bescansa(Spain,2016)
Larissa Waters(Australia,2017)
地方議員の数はわかりませんが、約30年で9人の国会議員の「子連れ議会」が世界の潮流といえるでしょうか?
多い国でも2人。議員期間はかぶっていません。
約30年でたった9人。「たった」とつけるだけで、「なんだ少ないじゃん」という感じがしませんか?
しかし、「世界ではこんなにいる」という添え書きをすると、日本以外の国では認められているという気がするのは不思議です。
ちなみに、上記した方々は…
Michelle Dockrill…新民主党(社会主義インターナショナル加盟政党)
Sana Hassainia…元・新民主党
Sarah Hanson-Young…緑の党
Larissa Waters…緑の党
Nines Maestro…Izquierda Unida(共産主義政党)
Carolina Bescansa…Podemos(社会主義政党)
Camila Vallejo…共産党
Victoria Donda氏は人権活動家(両親も人権活動家で政治犯投獄されました)
Licia Ronzulli氏だけは中道右派のフォルツァ・イタリア党です。
フォルツァ・イタリアは自民党のような政党ですが、他は共産党・社民党のような政党です。
こういう方々は「声が大きい」ですから、道理が引っ込むのは日本だけではない事情が他の国にも実はあるようです。
話を戻して、他にも番組を評価できる点はありました。
コメント欄に続きます。
後藤謙次:
子育て中の国会議員に取材をしたんですが、2つの意見がありました。
1つは、議場というのはある種、神聖な場所だから自分は子どもいるけども乳児を議場に連れていくのはどうか。議場のそばに託児所をきちんと作って、心置きなく議会に臨める体制を作ればいいのではないかと。
もう1人は、世界全体を見てもわかるように今、あまりにも女性の立場が軽んじられているケースが多すぎると。緒方市議はある面ショック療法で問題提起をしたのではないかと。ですから日本の議会全体が真正面から向き合う必要があるんじゃないかと。ワンオペ育児は、家事も仕事もそして子育ても全部、女性が1人で背負い込むということで、この言葉自体がなくならないとおかしいという人も相当数いるんですね。ですから、日本としても少子化というのが、安倍総理は国難だといっていますが、国難というならばそれに、いかに真正面から向き合っていくのか、そういう意識の改革も必要なのかもしれません。
両サイドの意見を提示してましたし、政権への進言も右左に関係ないことだったと思います。
モリカケでもこのように報道すれば良さそうなものですが…。
最後に、後藤謙次氏は、保守・左翼の両方から批判されているようです。
トランプアジア歴訪以後、TBSと比べてこれといった明確な偏向がモリカケ以外で見当たりません。(まぁそれだけでも十分報ステは偏向していると言えますが…)
ひょっとして、後藤氏も方向性を模索しているのかもしれません。