2019年5月30日 報道ステーション

2019年5月30日 報道ステーション

5月30日の報道ステーションです。

今回検証するのは以下の点です。

・政治家の発言に関する後藤氏の解説

まずは放送内容を確認していきます。
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【スタジオ】
富川悠太アナ:4月に東日本大震災の復興よりも議員が大事だと発言しまして、オリンピック担当大臣を事実上更迭されました、桜田義孝議員が今度は、「子どもを最低3人産んでほしい」と発言しました。

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【VTR】
記者:ぶら下がりお願いできますか? 一言お願いします。

桜田義孝 前五輪担当大臣:……。

記者:昨日の発言について一言お願いします。

桜田義孝 前五輪担当大臣:……。

ナレーション:昨夜開かれた自民党議員のパーティーでの挨拶です。

桜田義孝 前五輪担当大臣:ちょっと私も最近ね、有名になりましてね。いいことじゃないところで有名になっているから、ちょっと先生にご迷惑かけちゃうんじゃないかなと思ってね。

ナレーション:そして、少子化問題について。

桜田義孝 前五輪担当大臣:最近は女性も結婚しなくたっていいっていう女の人、増えちゃってますね。ここにいらっしゃる人はあんまり子どもを産めるような年齢の人は比較的少ないんですけども、でもやっぱり自分たちのお子さんやお孫さんにはね、最低3人ぐらいは産んでくれるようにね、お願いしていただきたいですよ。

ナレーション:所属する二階派からは。

自民党二階派 河村建夫会長代行:桜田先生の気持ちは我々よく分かる、理解をする。婚礼や何かに行きますと、激励の意味を込めて我々はよく口にするわけでございます。ただ場所と時と、いろいろなことがございますので。

ナレーション:野党は。

立憲民主党 蓮舫副代表:最低な発言だと思います。最低です。「3人以上産んでもらいたい」この無邪気なまでの男性の無意識なまでの発想に、どれだけの女性が家とか嫁とかでプレッシャーを受けてきたか。許せない発言です。

国民民主党 玉木雄一郎代表:自民党の“失言防止マニュアル”というのがあるようですが、あまり効果を発揮していないのかなと。

ナレーション:今月、自民党が所属議員に配った失言防止のマニュアルには。

ナレーション:「自らの発言をコントロールしていくことが大切」

ナレーション:相次ぐ失言で閣僚辞任に追い込まれた桜田氏ですが、今回の発言は少子化にまつわるものです。この20年、賃金や雇用が不安定な非正規労働者は増え続けています。さらに、結婚しても子育てや教育のお金がかかりすぎるため、理想の人数の子どもを持てないという人が6割近くにのぼるという調査もあります。閣僚まで務めた与党の政治家として、少子化の責任をどう受け止めているのか。桜田氏は発言の真意について、文書で。

ナレーション:「子どもを安心して産み・育てやすい環境を作ることが重要だとの思いで発言を致しました。誰かを傷つけたりする意図はなかった」こう弁明しましたが、謝罪や撤回はしませんでした。

記者:きのうの発言について一言お願いします。紙だけ出しておいて自分の口で語らないんでしょうか。

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【スタジオ】
徳永有美アナ:後藤さん、自民党は失言防止マニュアルを作ったそうですが、そもそもその方がどういう考えをお持ちなのかっていうことが、すごく露呈しているなという感じがしますね。

後藤謙次氏:そうですね。この発言は単なる失言では済まされない。国民を馬鹿にするんじゃないよと、そういう発言なんですね。桜田氏はこういうことを繰り返し、閣僚も更迭されてる。それをきっかけにあの失言防止マニュアルができたんですね。それができたばっかりで、最初に破るのが桜田氏。こんな馬鹿げた話ってまったくなくてですね、しかも同様の発言が去年の5月にもあったんですね。3人以上産んでほしいっていう。そのときにも大きな問題になって、みんな自民党員はそれを共有しているはずなんですが、ある一定世代よりも上の男性議員は、ある意味でこれを確信的に思っているとしか思えないんですね。これはまさに自民党のその種の人たちの体質が発露、出た、その意味では桜田さん、まったく反省してないと思いますね。いま自分がちょっと有名になったということも言ってるわけですよね。この少子化問題、あるいは女性問題に非常に取り組んでた野田聖子さんに先ほど取材をしましたけれども、野田さんはまさに、政治家は「産んでほしい」じゃなくて「3人産みたい」という国を作るのが政治家の仕事だと、もはや論外の発言だと、ばっさり切り捨ててましたけど、私もそう思いますね。

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【検証部分】

今回検証する発言部分は以下の部分です。

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後藤謙次氏:この発言は単なる失言では済まされない。国民を馬鹿にするんじゃないよと、そういう発言なんですね。桜田氏はこういうことを繰り返し、閣僚も更迭されてる。それをきっかけにあの失言防止マニュアルができたんですね。それができたばっかりで、最初に破るのが桜田氏。
こんな馬鹿げた話ってまったくなくてですね、しかも同様の発言が去年の5月にもあったんですね。
3人以上産んでほしいっていう。そのときにも大きな問題になって、みんな自民党員はそれを共有しているはずなんですが、ある一定世代よりも上の男性議員は、ある意味でこれを確信的に思っているとしか思えないんですね。これはまさに自民党のその種の人たちの体質が発露、出た、その意味では桜田さん、まったく反省してないと思いますね。
今、自分がちょっと有名になったということも言ってるわけですよね。この少子化問題、あるいは女性問題に非常に取り組んでた野田聖子さんに先ほど取材をしましたけれども、野田さんはまさに、政治家は「産んでほしい」じゃなくて「3人産みたい」という国を作るのが政治家の仕事だと、もはや論外の発言だと、ばっさり切り捨ててましたけど、私もそう思いますね。
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この発言の問題点は以下の2点です。

・印象操作と思われる発言があった
・事実と異なる発言があった恐れがある

1点目の問題点から見ていきます。

今回は桜田議員の「子どもを最低3人以上産んでほしい。」といった趣旨の発言についての報道がなされていました。
後藤氏はある年齢層以上の自民党議員はこの桜田氏と同じ考えを持っているだろう、と印象や主観によって解説しています。

また桜田議員と年齢が近い自民党の議員は多く、それらの議員をひとくくりにした解説は、視聴者に自民党という団体そのものについての印象を悪化させることにもつながります。

このような、主観によって自民党議員を評することは視聴者に誤った印象を与えかねません。
視聴者の会としてはこのような印象操作ととらわれかねない発言を問題ととらえます。

次に2点目について検証していきます。
後藤氏は桜田氏の発言が自民党の一部議員の「体質を発露」したものだと解説しています。

しかし、この発言が事実であるかどうかが分からず、後藤氏は根拠を述べた解説を行っていません。

またその後の解説では、「発言に至った原因は自民党の体質であるため、桜田氏は反省をしていない」といった趣旨の解説をしていますが、この発言も事実と異なる恐れがあります。

これらの発言は事実と異なる発言である可能性があるのに加え、検証点の一つ目でも述べた通り、視聴者に悪印象を与えかねません。

このような事実と異なる発言は以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(3)報道は事実をまげないですること
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視聴者の会では、公正なテレビ放送を目指して監視を続けてまいります。

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