TBS「サンデーモーニング」、2020年7月12日放送回の検証報告(後編)です。
今回の報告では、
① 新型コロナウイルスに関して、「陽性率と市中感染拡大」について報道された部分
② 新型コロナウイルスに関して、「二つの危惧」について報道された部分
③ 米軍基地でのクラスター発生について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。
後編で検証するのは、
③ 米軍基地でのクラスター発生について報道された部分
となります。
では、さっそく放送内容をみてみましょう。
【VTR要約】
11日土曜日、アメリカ軍基地の軍関係者数十人が新型コロナウイルスに感染したと発表。
沖縄県玉城知事「県民が一丸となり感染防止に取り組む中、米軍関係者の感染が短期間で多数発生していることは極めて遺憾であります。」
普天間基地やキャンプ・ハンセンでクラスターが発生しているとみられていて、玉城知事は第2波がやってきたという緊張感を持って緊急的な措置を取る必要があると危機感を募らせました。沖縄県は関係機関を通じて基地の封鎖やアメリカから沖縄への移動を制限するよう要請しています。
【コメンテーター発言内容】
松原氏:基地内でどうやらバーベキューをしていたということなようです
けれども沖縄からしたら、自分たちのコントロールできない場所だししかもアメリカ世界最大の感染国になっているところから空港の検疫なしに直接来ちゃって飲みに行くかもしれないわけですよ。アメリカは一応、行動制限を到着後14日間かけていると言っているんですが、情報公開も十分ではないと。しかも、アメリカから最近聞こえてくるのは、マスクをなかなかしないのは、マスクというのは弱さの象徴なんだという、マッチョ的な感覚とか、あるいは政治性を帯びていて、マスクをすると、お前、リベラルだと言われると。だから保守系の人はなかなかしたがらないみたいな、そんなことまで聞こえてくると、これまた不安になりますよね。だから基地は沖縄だけじゃないわけですね、日本で。これは沖縄の問題ではなくて政府がきちっとアメリカにいうべき問題だと思いますね。
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。
1、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
これについて解説します。
1、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
松原氏は今回の報道で、以下のように述べています。
【コメンテーター発言内容】
松原氏:基地内でどうやらバーベキューをしていたということなようですけれども沖縄からしたら、自分たちのコントロールできない場所だししかもアメリカ世界最大の感染国になっているところから空港の検疫なしに直接来ちゃって飲みに行くかもしれないわけですよ。アメリカは一応、行動制限を到着後14日間かけていると言っているんですが、情報公開も十分ではないと。しかも、アメリカから最近聞こえてくるのは、マスクをなかなかしないのは、マスクというのは弱さの象徴なんだという、マッチョ的な感覚とか、あるいは政治性を帯びていて、マスクをすると、お前、リベラルだと言われると。だから保守系の人はなかなかしたがらないみたいな、そんなことまで聞こえてくると、これまた不安になりますよね。だから基地は沖縄だけじゃないわけですね、日本で。これは沖縄の問題ではなくて政府がきちっとアメリカにいうべき問題だと思いますね。
要旨をまとめると、
・今回のクラスターは基地内でBBQをしていたようだが、沖縄からすると自分のコントロール外でやられていることであり、なおかつ世界最大の感染国である米国から空港検疫なしで入国し飲みに行かれることになる。
・米国は到着後14日間行動制限をかけているというが定かではない。
・米国ではマスクは弱さの象徴であり、保守系の人はあまりつけたがらないと聞く
・基地は沖縄以外にもあるため、この問題は政府が米国に対してしっかりと言っていかないといけない。
というものです。
しかしながら、
・松原氏の「米国ではマスクは弱さの象徴であり、保守系の人はあまりつけたがらない」という主張には明確な根拠が示されておらず、信憑性に疑問が残る。
また、「マスクをつけないのは弱さの象徴であるから」という意見をマッチョ的な感覚と結び付け、基地内の米軍=「マスクを弱さの象徴としてあまりつけたがらない」と誘導する今回の発言は、明らかに根拠のないレッテル貼りである。
以上のことから、今回の報道での松原氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実をまげないですること」に違反する恐れがあります。
以上が報告の後編となります。後編では事実と異なる内容を放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
① 新型コロナウイルスに関して、「陽性率と市中感染拡大」について報道された部分
については、前編の報告をご覧ください。
② 新型コロナウイルスに関して、「二つの危惧」について報道された部分
については、中編の報告をご覧ください。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。