TBS「サンデーモーニング」、2020年7月26日放送回の検証報告(中編)です。
今回の報告では、
① 新型コロナウイルスに関してGo Toキャンペーンと医療体制について報道された部分
② 東京オリンピックの記念イベントについて報道された部分
③ 「風をよむ」にて基礎研究と資金について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。
中編で検証するのは、
② 東京オリンピックの記念イベントについて報道された部分
となります。
では、さっそく放送内容をみてみましょう。
【VTR要約】
24日金曜日、本来であればこの日、開幕を迎えていた東京オリンピック。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開幕は来年の7月23日に延期されました。こうした中、国立競技場では来年の開幕に向け記念イベントが開かれ、白血病から復帰を目指す競泳の池江璃花子選手が「今から1年後、オリンピックやパラリンピックができる世界になっいたらどんな素敵だろうと思います。スポーツは人に勇気や絆をくれるものだと思います。」とメッセージを発信しました。
【コメンテーター発言内容】
浜田氏(全文):この池江さんのメッセージは皆さん感動した方も多いと思うんです。それで池江さんは純粋な思いからオリンピックが開かれたらいいなということを、メッセージとして出されたと思うんですけど、今、現状、調査などを見ると半数以上の方が来年のオリンピック反対とされています。やっぱりコロナの感染が収まるまではこちらを優先してほしいということが国民の中にも大きな感情としてある中で、この記念のイベントに池江さんを起用したことに関してもスポーツ関係者の中からは彼女自身はパリ五輪を目指すとおっしゃっているのになぜ、東京五輪のイベントに池江さんを起用せざるをえなかったのか、残酷ではないかという意見と、もう1つは彼女の個人的な闘病の物語とオリンピックを開く、今、否定的な感情が多いオリンピックに対しての世論を変える意味で、池江さんという立場を利用したのではないかという意見も出ています。もう1つ私が違和感を持つのは安倍政権のレガシーとしての東京五輪という報道を見ると、オリンピックというのは政治と無関係でなくてはいけないのに、政権のレガシーという位置づけをすることによって例えば感染が収まっていないにもかかわらずちょっと無理をして開こうとするという力学が働くのではないかということを非常に危惧しています。
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の点です。
1、 浜田氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
以下にて解説します。
1、浜田氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
浜田氏は今回の報道で、以下のように述べています。
浜田氏(抜粋):今、現状、調査などを見ると半数以上の方が来年のオリンピック反対とされています。やっぱりコロナの感染が収まるまではこちらを優先してほしいということが国民の中にも大きな感情としてある中で、この記念のイベントに池江さんを起用したことに関してもスポーツ関係者の中からは彼女自身はパリ五輪を目指すとおっしゃっているのになぜ、東京五輪のイベントに池江さんを起用せざるをえなかったのか、残酷ではないかという意見と、もう1つは彼女の個人的な闘病の物語とオリンピックを開く、今、否定的な感情が多いオリンピックに対しての世論を変える意味で、池江さんという立場を利用したのではないかという意見も出ています。もう1つ私が違和感を持つのは安倍政権のレガシーとしての東京五輪という報道を見ると、オリンピックというのは政治と無関係でなくてはいけないのに、政権のレガシーという位置づけをすることによって例えば感染が収まっていないにもかかわらずちょっと無理をして開こうとするという力学が働くのではないかということを非常に危惧しています。
要旨をまとめると、
・現在調査などを見ると半数以上の人が来年のオリンピック開催に反対している。
・そのような中でこのイベントに「パリ五輪をめざす」と公表している池江氏を起用したのは残酷ではないかという意見や、彼女の闘病の物語を否定的な感情の多いオリンピックに対しての世論を変えるために利用したのではないかという意見が出ている。
・オリンピックは政治と無関係であるはずなのに、オリンピックを安倍政権のレガシーとして位置づけされることにより、感染拡大期でも無理して開こうとするのではないかと危惧している。
というものです。
しかしながら、
・今回のオリンピック記念イベントにおける池江氏の起用は、「白血病という大病を抱えながら、闘病生活を経て五輪を目指して奮闘する池江氏の発するメッセージは、オリンピックの延期を含め、新型コロナウイルス禍の混乱の最中にある日本社会を勇気づけた」など、世論からはおおむね肯定的な意見でとらえられている。にもかかわらずそのような意見を一切顧みずに、本イベントでの池江氏の起用を「残酷」や「否定的な感情が多いオリンピックに対しての世論を変えるために利用されたのではないか」といった意見のみを伝える同氏の発言は、事実に反する恐れがあり、政治的に公平ではない。
以上のことから、今回の報道での浜田氏の発言は政治的に公平ではない恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。
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以上が報告の中編となります。中編では政治的に公平でなかったり、事実と異なる内容を放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
この続きの
③ 「風をよむ」にて基礎研究と資金について報道された部分
については、後編の報告をご覧ください。
① 新型コロナウイルスに関してGo Toキャンペーンと医療体制について報道された部分
については前編の報告をご覧ください。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。