TBS「サンデーモーニング」、2020年8月23日放送回の検証報告(後編)です。
今回の報告では、
① 新型コロナウイルスに関して大阪の問題について報道された部分
② 新型コロナウイルスに関してコロナと経済について報道された部分
③ アメリカ大統領選挙での民主党党大会について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。
後編で検証するのは、
③ アメリカ大統領選挙での民主党党大会について報道された部分
となります。
では、さっそく放送内容をみてみましょう。
【VTR要約】
17日、 11月のアメリカ大統領選で政権奪還を目指す民主党の党大会がこの日から4日間、異例のオンライン形式で始まりました。初日には民主党の大統領候補、バイデン氏を支持するオバマ前大統領のミシェル夫人、候補者指名で激しく争ったサンダース氏などが映像に登場。
2日目にはバイデン氏が正式に大統領選の候補に指名されました。サプライズで、共産党政権の重鎮コリン・パウエル元国務長官が「バイデン氏は皆が敬意を表することを誇りに思う大統領になるだろう。」とメッセージ寄せています。
3日目にはバラク・オバマ元大統領が登場し「トランプ氏が大統領職の重みを感じ、民主主義に敬意を払うようになると期待したがそうではなかった。」と述べました。後任を非難しないという慣例がありますが、この日はトランプ大統領を非難していました。また、副大統領候補への指名を受けたハリス上院議員が受諾演説を行い、「ともに目指す未来を実現するためには、黒人白人ラテン系アジア系アメリカ人先住民族など全ての人を一つにする大統領が必要です。」と述べました。
最終日の4日目、民主党バイデン前副大統領は「この挑戦の時代 私は前に進む唯一の方法を信じています。アメリカの団結です。私は同盟。友好国とともに立つ一方、独裁者に取り入る日々は終わったことを敵対する国々にははっきりと知らせます。アメリカの闇の終わりは今晩ここで始まったと歴史が言えるように」と演説し、支持者の前に姿を現し党大会の最後を締めくくりました。一方の共和党のトランプ大統領、最終日にバイデン氏の出身地ペンシルベニア州に乗り込んで「バイデンはアメリカ国民の生活を壊そうとする極左の操り人形だ。」とバイデン氏を痛烈に批判していました。
【コメンテーター発言内容】
浜田氏(全文):直近ではコロナ対策、完全に失敗したといって反トランプの動きは高まっていると思いますし、パウエルさんのような共和党の大物だけではなくて、ブッシュ政権を支えた数百人もバイデンさんを支持したり共和党の中にもバイデンさんを支持する動きも高まっていますし、例えば最高裁でも最近は、LGBTQの雇用差別は違憲とか中絶規制も無効というようなトランピズム、トランプさんの価値観にノーというような判決が出てたりもするんですけど、一方で、なかなかトランプさんの支持は大きく下がっていないんですね。今、バイデン氏が少しリードしていますけれども、岩盤層といわれる支持層は相変わらずトランプさんを支持していますし、やはりコロナ対策できちんとそれを守っている民主党はオンラインでしか集会ができていないということがあるので、熱狂がどこまで生み出せるのかということがこれから2カ月、まだ時間もありますし、私自身は副大統領候補にカマラ・ハリスさんという黒人で女性が指名されたことは非常に歴史が変わると興奮するんですけれども、意外とそのあと、民主党の支持が伸びていないということもあるんですね。なのでまだあと2カ月ありますので、結果はどちらになるのかはなかなか見えてこないと思っています。
原田氏(全文):いろいろサプライズゲストが登場した割にはアメリカの調査会社のニールセンというところの調査結果ですと、オンライン形式が視聴者離れを生んだということで、前大会に比べると視聴者数が少なかったんです。どうしてもオンラインというのは熱狂が伝わりにくいし伝播しにくいと。日頃、Zoom会議をしていても、テレビでモニターで出てもなかなか空気感が違うと皆さんも感じられていると思うんですけど、なかなか空気感が違うと皆さんも感じられていると思うんですけど、それが今回露骨にオンライン大会でも出てしまったということでただ、このコロナの状況というのは当面続くので東京オリンピックにも関係してくる話かもしれませんし、われわれはいかにリアルに近い状況をオンラインで作り出していくかと、ニアリアルというリアルにいかに近づいていくことができるか、というのがこの数年のコンセプトになっていくかもしれませんね。
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の点です。
1、 この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
これについて解説します。
1、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の報道では、アメリカ大統領選挙に対して特にバイデン氏陣営の立場にのみ立った報道が多くありました。
特にコメンテーターの発言内においても、浜田氏が「直近ではコロナ対策、完全に失敗したといって反トランプの動きは高まっていると思います」や「パウエルさんのような共和党の大物だけではなくて、ブッシュ政権を支えた数百人もバイデンさんを支持したり共和党の中にもバイデンさんを支持する動きも高まっています」、「例えば最高裁でも最近は、LGBTQの雇用差別は違憲とか中絶規制も無効というようなトランピズム、トランプさんの価値観にノーというような判決が出てたりもする」と述べているように、反トランプ陣営の立場をトランプ陣営の立場と比較して非常に多く報道していました。
しかし一方でアメリカ国内では大統領任期一期目でアメリカ第一主義をかかげ、国内雇用を守ったトランプ氏を支持する動きもあります。
にもかかわらず今回の報道ではそうした意見をほとんど取り上げず、あくまで片方の視点に立った意見が放送されていました。
以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。
以上が報告の後編となります。後編では視点の偏った放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
① 新型コロナウイルスに関して大阪の問題について報道された部分
については、前編の報告をご覧ください。
② 新型コロナウイルスに関してコロナと経済について報道された部分
については、中編の報告をご覧ください。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。