TBS「サンデーモーニング」、2020年9月13日放送回の検証報告(前編)です。
今回の報告では、
① 野党合流について報道された部分
② 総裁選について報道された部分
③ 原発のゴミ処理問題について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。
前編で検証するのは、
① 野党合流について報道された部分
となります。
では、さっそく放送内容をみてみましょう。
【VTR要約】
立憲民主党や国民民主党などが合流する新党の代表選が10日行われました。泉健太候補42票、枝野幸男候補107票、白票0票、で立憲民主党の枝野代表が初代代表に選ばれました。また合流する新党の名前は投票の結果、立憲民主党のままとなりました。新しい立憲民主党、149人が参加しますがその合流新党に参加しなかった国民民主党の玉木代表らは別の新党、国民民主党を結成する方針です。
【コメンテーター発言内容】
田中秀征氏(全文):変わりばえしないから、感動も少ないし反応も少ないんですよね。このまますぐに総選挙ってなったらズタズタになるという印象ですよね。戦略の練り直しですね、まず。首班指名を統一候補を立てる、それからもう一つは、自民党に負けない新しい時代の新しい設計図を作って示すことですね。日本をこうするぞと。新自由主義とか、立憲主義とか、そういう難しい言葉を使わないでもう少し分かりやすい言葉で自分たちの目指す姿を表してもらいたいですね。
高橋純子氏(全文):変わりばえしないなと、何だかなという思いを私も共有するんですが、ただ野党はだらしないとだけ言っていても始まらないと私は思うんですね。民主主義というのにはチェック&バランス、対抗勢力というのは絶対に必要ですから、お前はだめだ、だめな子だとだけ言われ続けて育った子がいい仕事ができるようになることは、なかなか難しいので、具体的な要求を突きつけて、そして私たちが育てていくんだという感覚を持ちながら要求していくべきなんじゃないかなと思います。
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。
1、高橋氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
それぞれ順を追って解説します。
1、高橋氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
高橋氏は今回の報道で、以下のように述べています。
高橋氏(抜粋):変わりばえしないなと、何だかなという思いを私も共有するんですが、ただ野党はだらしないとだけ言っていても始まらないと私は思うんですね。民主主義というのにはチェック&バランス、対抗勢力というのは絶対に必要ですから、お前はだめだ、だめな子だとだけ言われ続けて育った子がいい仕事ができるようになることは、なかなか難しいので、具体的な要求を突きつけて、そして私たちが育てていくんだという感覚を持ちながら要求していくべきなんじゃないかなと思います。
要旨をまとめると、
・再編といっても代り映えしない。
・ただし、野党がだらしないと言っているだけではだめだと思う。
・子育てをしていく感覚を持ちながら、野党に具体的な要求をしていくべきだ
というものです。
しかしながら、
・普段自民党の政権批判をしているマスコミ各所が、「野党は子育てしていくように育てていくべきだ」野党を擁護する主張は政治的公平性を欠く。
など、政治的に公平ではない内容が存在します。
以上のことから、今回の報道での高橋氏の発言は(政治的に公平でなく、また)事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条(第2号「政治的に公平であること」に違反する恐れがあります。
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2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「野党が変わらないのはしょうがない」「野党に対して我々が関心を持つべきだ」という立場に立った意見のみが出てきました。
ですがこの問題に関しては「野党が与党に対して非論理的な指摘や罵声を浴びさせるのではなく、建設的に話し合えるようになるべき」「野党が自ら与党の対抗馬になるような政策を打ち出していくべき」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。
以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同)4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。
以上が報告の前編となります。前編では、政治的に公平でなかったり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
この続きの
② 総裁選について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。
③ 原発のゴミ処理問題について報道された部分
については後編の報告をご覧ください。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。