2020年11月24日 報道ステーション

2020年11月24日 報道ステーション

11月24日の報道ステーションのレポートです。

・事実に基づいた放送だったか

まずは放送内容を見ていきます。
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【放送内容】
ナレーター:中国の王毅外相が来日し茂木外務大臣との会談が行われました。会談では今月中にビジネス関係者らの往来を再開することなどで合意しました。

茂木外務大臣:今回の合意が日中経済の活性化に資するとともに、相互理解の促進にもつながることを期待している。

ナレーター:会談では人の往来の再開のほか新型コロナウイルスに対し自由で透明な形での情報共有を行い連携して対応していくことなどを確認しました。
一方、尖閣諸島周辺で中国公船が活動を活発化させている問題については日本が中国側の前向きな行動を強く求めたのに対し中国側は自国の主権を守ると主張するなど双方の立場の違いが際立つ結果となりました。

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【検証部分】

短い放送内容ではありましたが、今回は日中関係に関する報道を見ていきます。

放送では尖閣諸島に関して「日本が中国側の前向きな行動を強く求めたのに対し中国側は自国の主権を守ると主張するなど双方の立場の違いが際立つ結果となりました。」

となっており、「自国の主権を守る」という中国側の主張がどのようなものであったかわかりません。
自国の主権を守るのは当然のことですが、王外相の発言の前後を見てみると、尖閣諸島の領有権が中国にあるかのような発言であったことがわかり、事実を正しく伝えていない可能性があります。

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王外相は「一部の真相が分かっていない日本の漁船が絶えなく釣魚島(尖閣諸島魚釣島)の周辺水域に入っている事態が発生している。中国側としてはやむを得ず非常的な反応をしなければならない。われわれの立場は明確で、引き続き自国の主権を守っていく。敏感な水域における事態を複雑化させる行動を(日本側は)避けるべきだ」と語り、尖閣諸島の領有権は中国にあることを主張した。
《北村 淳 王毅外相に何も言い返せない茂木外相の体たらく 中国の一方的主張に「大人の対応」では尖閣を失う 
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63096

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王外相は以上のように尖閣諸島には中国の主権が及ぶ、尖閣諸島が中国の領土であるかのような主張をしています。
放送ではこの発言を正しく伝えたといえない可能性があり、次の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(3)報道は事実をまげないですること
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かなり強気な発言をしていますが、それは今年になって中国の尖閣諸島付近での活動がより一層活発になっていることがあると考えられます。
中国当局の船が今年の4月、尖閣諸島周辺の接続水域の侵入すると8月2日まで111日連続で、侵入をしました。
2012年に尖閣諸島を国有化して以来、連続侵入日数が更新された形になりました。
今年の5月・7月・10月には中国警備船が日本の漁船を追い回すといった事件が、10月には中国公船が連続57時間39分にわたって日本領海内に留まりました。

このような背景も放送する必要があるでしょう。

視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して監視を続けてまいります。

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