2018年2月2日 報道ステーション

2018年2月2日 報道ステーション

2018年2月2日 テレビ朝日「報道ステーション」の報告です。

今回の放送で一番時間を割いた話題は「相撲協会理事選」についてのニュースでした。

貴乃花親方が今回の理事選挙に立候補した結果、落選したことを伝えるニュースでしたが、特に印象操作や放送違反に抵触するような箇所は見当たりませんでした。

さて、今回の放送回で検証していきたいのは、森友問題に関して報じた部分です。

詳しく見ていきます。

【放送内容】
——–
小川アナ「国会です。森友学園への国有地売却の売却を巡って昭恵夫人が籠池さんに『頑張ってください』と電話をしたのかどうか。これを問われた安倍総理大臣、昨日の国会では『事前通告が無いと答えられない』としていましたが今日は一転、昭恵夫人に確認した上で、こう断言しました」
——–
冒頭、小川アナが当日の予算委員会での安倍総理の発言を引用した後、VTRがスタートしました。

——–
VTRは当日の予算委員会の映像からスタート。
安倍総理「私は一切関わっておりませんし、私の妻も事務所も一切関わっていない。」
ナレーター「国有地がおよそ8億円値引きされ売却された、森友問題。大幅値引きの根拠はいまだはっきりせず、今日も追及されました。」
「問われたのは昭恵夫人の関与です。」
ここから、ナレーターは
①2016年3月に地中にゴミが埋まっていることを知り、籠池夫妻が財務省に直談判したこと
②翌日近畿財務局と籠池夫妻が協議したこと
を紹介した上でその際の録音記録を放送。
近畿財務局の担当者「我々も本省(財務省)の方からも早急に対応するようにと指示をいただいて」
籠池氏「昨日我々が財務省出たとたんに、安倍夫人から電話がありましたよ。『どうなりました』『頑張ってください』って言ってはった。」

VTRは再び予算委員会での模様に切り替わります。
ちなみにこの質疑は2月1日(木)のものです。
共産党辰巳孝太郎参院議員「昭恵夫人が籠池氏に電話して直談判の内容を尋ねて『頑張ってください』と応援の気持ちを伝えていたと。」
安倍総理「ころころころころ言っていることを変える人が、まだそういう証言をしているということの紹介をされたんだろうと」
辰巳議員「昭恵氏はこの(2016年)3月15日に籠池氏に電話をしたんですか。」
安倍総理「事前通告をしていただかなければいけませんよ、そんなものは。それは普通常識じゃないですか。」

質疑は当日のものへと変わります。
安倍総理「妻に確認したところ『そのような電話はしていない』と。籠池氏が言っていることをもって、一方的に『言った』という前提に質問されても困る。」
立憲民主党阿部知子衆院議員「ご自身で説明いただきたいと思いますので、昭恵さんと佐川前理財局長の証人喚問を求めます。」

続いて、ナレーターは佐川前理財局長の過去の答弁を引用した上で
ナレーター「国と森友学園側の交渉記録について佐川前理財局長は、『破棄した』と繰り返し説明してきました。」
「しかし、財務省は先月省内での検討記録を新たに5件公開。さらに、この5件以外にも記録があると、昨日認めました。」
この発言を最後にカメラはスタジオへと戻ります。

——–
富川アナウンサー「森友側のものと思われる音声データも財務省の記録も五月雨式に出てきてはいますけれども、国会のやり取り見ていますと、草太さんが1年前にここでコメントした時とほとんど状況が変わっていないような気がしますね。」
木村草太氏「まあそうですね。ただ、会計検査院の検査などもあって、まず不適切な国有財産の管理、処分があったというのは明らかになりました。また、佐川現国税庁長官前理財局長が虚偽、不適切な答弁を行ったことも明らかにになりました。ですから、これまでも言ってきたことですけれども、首相は財務省の関係者を適切に処分し、また財務大臣にも責任を取らせなくてはいけないことになります。もしこれで誰も責任を取らせないということになりますと首相として佐川長官の答弁であるとか、財務省がやったことを追認するということですから、これは安倍さんがずっとご自身は取引に関わっていないとおっしゃってるんですけれども、やったことを追認するというのは、自ら取引を指示したのと全く変わらない責任を負うということですから、やはり自分に責任が無いということでしたら、きちんと関係者を適切に処分する必要があると思いますね。」
「それからやはり、例えば野党が森友問題ばかりやっているという人もいるんですけれども、森友問題がこれだけ長引いた理由というのは、首相がずっと責任をとらせなかったことですから、もっと早い段階で財務省の関係者に責任を取らせていればですね、こんなに自体が長引かずに、『責任があった。これで処分は終わった。』ということになったわけですから、長引いたのはやはり首相の責任だと思いますね。」

今回の放送で問題があると思われる点は大きく分けて二つあります。
1点目は、木村草太コメンテーターの発言内容とVTRの構成の問題で、視聴者が混乱する可能性があること。
2点目は、与野党の議員によって行われているはずの国会での質疑のうち、野党側の質疑しか取り上げられていないことです。

1点目ですが、コメンテーターの木村氏は繰り返し「首相は森友問題の関係者を処分するべき」と主張し、それができないようならば、それは首相自身の責任問題につながるという旨の発言をしました。富川アナウンサーも時々相槌を打ちながら、その意見に追従する形をとっていました。
そもそも、このVTRの前振りでは、小川アナが「安倍昭恵首相夫人」の関与の有無について触れていました。これでは、安倍総理か昭恵夫人が直接関わっているかという問題と財務省の責任の有無の問題を、視聴者が混同してしまい、混乱しかねないものとなってしまいます。
2点目ですが、今回の放送で取り上げられた質疑応答は、共産党の辰巳参院議員と安倍総理のやり取りと、立憲民主党の阿部知子衆院議員と安倍総理によるやり取りの2つです。つまり、2月2日に限れば、報道ステーションは与党議員による質問を一切報じていないことになります。その異常さを上記の円グラフにまとめましたので、ご確認下さい。
野党の質問だけを放送するという行為は、放送法の第4条2項「政治的に公平であること」という文言に抵触しているように感じられます。

以上2点の問題から、今回の放送は放送法や印象操作に抵触している可能性があります。

今後も監視を続けます。

報道ステーションカテゴリの最新記事