2018年2月18日、25日 サンデーモーニング

2018年2月18日、25日 サンデーモーニング

2/18,25のサンデーモーニング監視報告です。

トランプ大統領が嫌いなサンモニ。しかしいくら嫌っているとしても、一方的な報道はいかがなものでしょう。

フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件が2週連続で取り上げられ、スタジオコメントは…

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2/18
寺島実郎:トランプの存在そのものが分断されるアメリカの象徴みたいなものだと見える。アメリカがますます力を失って、分断されていくという流れの中にある不安がやっぱり世界の不安の本質なんだなという気がしますね。

目加田説子:憲法上の権利であったり、全米ライフル協会が力を持っているとはいえ、それを規制できないというのは、やっぱり理解できないし、極めて異常な事態。オバマさんも言っていたとおり、何らかの規制に取り組む責任があると思いますね。

谷口真由美:要は銃が銃に対しての抑止力になっていない。むしろ「銃を使うことによって銃を持って制す」みたいな話になってくると、外交なんかもそうで、結局持てば持つほど相手も持ってくるだろう。だからもっと殺傷能力の大きいものにって、そういう競争になっていくというのは目に見えているわけで。だからやっぱり人ごとではなくて我々とて外交なんかも一緒ですけれども、自分のこととして見なきゃいけないなという気がとてもしました。

古田大輔:アメリカよりも銃が普及されているカナダでは起こらないんですよね。アメリカでは発生する。しかも、どんどん数が増えてきている。なので銃だけでなく、アメリカでなぜそういう銃撃事件が起きるのかという社会文化的なところから考えないといけない。それと、オバマ大統領は泣きながら銃規制を訴えたけれども、進まなかった。今のトランプ大統領は銃規制に触れることすらしない、そうすると、また起こるだろうというのは間違いないですね。

青木理:暴力というものは国家が独占してその民を統治するというシステムなんだけど、アメリカに関して言うと、武装する権利というのは個人に認めているわけです。日本の場合は、刀狩りで刀を全部とられちゃって以降、基本的に民は武装する権利というのは持っていないというか事実上ないわけですよ。そういう状況が果たしていいのか、あるいは個人個人が、自己防衛のためなのか、あるいは時に国家と対峙するためなのか、武装する権利を認められているということの意味を、アメリカの人たちがNRAと別の意味で大切に思うという人たちがかなりいることの意味というのは、やっぱりちょっと考えてみないといけないところも、僕は残っているんじゃないかなと思うんですけどね。
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全員がトランプ大統領に否定的でした。
オバマ大統領だって支持率が100%だったわけでもないし、意見も分かれていたのに、トランプ大統領になって初めてアメリカが「分断」されたかのように印象付けるのは、公平な報道とは言えません。
青木氏が言う「民を統治するシステム」はどこの国のことでしょう?日本国民は選挙で選ばれた政府に全権を移譲し、武装を自衛隊や警察に委託しています。アメリカは自己防衛のために個人が武装することが認められています。したがって、武力を政府が独占するのは独裁国家がすることです。
谷口氏の発言は「武力を持ってない無力な人が狙われた」という観点が抜けています。誰もそれを指摘する人が出演者にいないのは問題です。

次の週(2/25)もやはりトランプ大統領に否定的でした。

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2/25

関口:全米ライフル協会が動くことによって規制ができない。多くの被害者が出ているということをアメリカ人はどうして気がつかないかなと僕は思っちゃうんですが…

西崎:気がついてはいるんだと思うんですけどね、それが多額のお金によってゆがめられているというのが今の状況だと思います。

関口:変でしょ、それ。

西崎:それは変ですし、やっぱり高校生たちが今回すごく大きな声を上げているんですね。トランプ大統領あるいはフロリダのルビオ上院議員など直接話をして、そしてかなり厳しいことを追及するんですけれども。トランプ大統領にせよ、ルビオ上院議員にせよ、非常に保身的であると。最終的にはトランプさんの考え方、とにかく銃を持つことによって防衛する。核抑止論と非常によく似ているんですけれども、要するにいい人が銃を持てばいいんだと、それで悪い人をやっつければいいんだと、そういった考え方。

関口:その考え方は単純過ぎるよ。

西崎:それと特にトランプさんの今回非常にイライラするのは、精神的な疾患を持つ人たちに銃を与えなければいいんだと言うんですが、それはかなり差別的な発言なんですね。

関口:寺島さん、どうご覧になりますか?

寺島:トランプの世界観というのは西部劇を見るような感覚。「教師に銃を持って戦わせる」というのは、保安官みたいな感覚なわけですよ。ですから、この感覚を持った人たちがデンといるというのもまた事実なんですね。アメリカという国は。独立から西部大改革の流れの中で「自分のことは自分で守る」という、自分の家族を銃で戦って守るという感覚を美学にしてきた。だから根強いんですよ。もはや世界の感覚から言えば、アメリカという国はいかにおかしいのか。まさにトランプ大統領の存在そのものがアメリカを分断する大きなきっかけになっているというね。これはもう、我々はどうあるべきかという形で見るしかないですね。
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西崎氏の「差別的発言」ですが、「精神疾患を持つ人に銃を所持させないのは差別」と聞こえます。精神疾患患者の銃所持は、他の人々の命の保障より重視されることなのでしょうか?それを指摘する反対意見が番組内でなかったのですから、サンモニは「トランプ大統領は差別主義者として印象づけようとしている」と断定されても仕方ありません。
寺島氏は2週にわたって「トランプがアメリカを分断」と、アメリカはオバマ政権時に一つの意見でまとまっていたかのような発言。オバマ氏の大統領期間平均支持率は49.6%でした。立派に「分断」していたと小生は思いますが…。

日本の国会の話題では、政府の記録やデータについて2週にわたって話題になりました。
2/18は森友問題、2/25は裁量労働制の不備データについて。

寺島氏が「籠池さんを信頼できない詐欺師みたいな人だったんだというイメージで葬り去ろうとしている」と発言したり、
谷口氏が「籠池さん夫妻がこんなに長く収監されていることが異常事態」
など問題発言がありましたが、
なんと青木氏が「谷口さんが、籠池さんが何で出てこないのかという話をされてましたけど、これ残念ながら、特殊な事例じゃないんですよね。今の日本の刑事司法というのは基本的に否認をすると、特に特捜事件みたいなもので否認をすると、基本的に初公判まで出られないんですよ」
と谷口氏の感情論に反論しました。
本当なら、籠池容疑者が小学校申請書類の黒塗り部分を「安倍晋三記念小学校」と嘘返答した件や、外側2枚だけ本物の一万円札で挟んだ「ニセ札束」と寺島氏のコメントにも誰かが反論するべきでした。
目加田氏が「予算委員会で議論すべきことって本当に山のようにある。北朝鮮問題であったりとか、国家にとってもっと大事な問題の時間が削られて、この森友問題に時間を取られてしまうというのは、本当に有権者としては問題だと思います」と発言したのは評価できた箇所だったと思います。

2/25放送の裁量労働制についてコメントを求められたのは、「エビデンス?ねーよそんなもん」でお馴染み、朝日新聞論説委員の高橋純子氏。

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高橋:財界からの要求がかなり強かったというのが事実だと思います。ただ、何でこんなに強引にやるのかというと、政権の体質が1つあるんじゃないかと思います。やると決めたら絶対てこでも動かないという、安保法制のときもそうでしたけれども、何か動機に裏付けられた強さというよりも、政権の姿勢みたいなものが反映された現状かなというふうに思います。しかし、これだけ大事な法案をまず一括してまとめて出してくる。規制強化と規制緩和を一緒に議論しようという姿勢そのものが、人の命というものがかかっている大事な法案なのに、なぜこれほどまとめて、しかも急いでやらなければならないのか。しかも、その裏づけとなるデータ、元になるデータというものが不適切だということがわかったわけですから、ここは顔を洗って出直してもらうしかないのではないかと思います。

中西:確かに厚労省の出してきたデータは不適切だと思いますよ。そのときに野党が鬼の首をとったようにいろんなことを言ってくるんですけれども、そうではなくて、野党は自民党を倒すことが目的ではないと思うんですよね。大事なことは裁量労働制をよりいいものにして世の中に持っていくことであり、働き方をよりよくすることであり、日本をよくすることなのに、いつもそういう対立構図ばかり出てしまうということに、すごい違和感を感じますね。
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高橋氏の「アベ独裁者論」に対して中西氏が反論したわけではないですが、法案にただ反対してる野党に対しての批判をしていましたので、「裁量労働制」については一応両論提示していたと思います。

高橋氏はサンモニ初出演でしたが、どんな話題でも安部政権批判をぶっこんでくるのは流石です。

2/25「風をよむ」ではオリンピックの政治利用・商業利用・莫大な開催費について取り上げられました。

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高橋:国内に目を向けると、安倍首相が2020年までの憲法改正というのを突然ぶち上げたりして、何でかなというふうに思います。オリンピック、私も堪能しましたし、スポーツ選手の頑張りを見て感銘を受けることはありますが、日本、日本とみんなが言わないと許してもらえないような社会の空気にしていかないようにも、気をつけたいなと思います。
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その前まで北朝鮮の五輪政治利用について批判するVTRが流れていましたが、高橋氏はぶれません。
安倍政権批判にサンモニ制作陣も大喜びだったのでは?
というのも、この日、訃報がありました。

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<俳人・金子兜太さん死去>

関口:2月20日火曜日です。終戦後、戦地を離れる際、亡き友人を思った句だそうです。戦後の俳句界を牽引した金子兜太さん、この日、急性呼吸促迫症候群のため亡くなりました。98歳でいらっしゃいました。五・七・五の十七音と季語という俳句の常識にとらわれず新たな形をつくり上げた金子さん。海軍士官として南洋・トラック島で終戦を迎え、自らの壮絶な戦争体験を俳句を通じて語り続けられましたが、この方の思い出はありますか、高橋さん?

高橋:安保法制の、国会前でも取材している時、「アベ政治を許さない」というプラカード、それをもってデモに参加されている方が多数いらっしゃいました。嫌なことは嫌だと言うということに背中を押してくださった、私自身もそういうふうに感謝しております。
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金子兜太って誰?という人が多いでしょう。
「アベ政治を許さない」の筆字を書いたのが、この亡くなった金子兜太氏だそうです。
サンモニは故・渡部昇一氏の訃報を取り上げませんでしたが、金子兜太氏はもっと有名なのですか?
ご存知のかたがいっらしゃいましたら教えてください。

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