2019年7月14日 サンデーモーニング(後編)

2019年7月14日 サンデーモーニング(後編)

サンデーモーニング、2019年7月14日分の検証報告(後編)です。

今回の報告では、
① イランがウラン濃縮を再開した件について報道された部分
② 輸出上の優遇措置廃止への韓国の反発について報道された部分
③ 番組の最後にて「今週の一枚」について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
② 輸出上の優遇措置廃止への韓国の反発について報道された部分における
検証3「西崎氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」

ならびに、
③ 番組の最後にて「今週の一枚」について報道された部分
となります。

では、さっそく②の検証3をみてみましょう。

4、西崎氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
西崎氏は今回の報道で、以下のように述べています。

西崎氏(抜粋):そうですね。やはり背景には、長い意味で本当に日韓の歴史認識の違いの問題っていうのがどーんと腰を据えていって、そこがどうしても解決が難しいところだと思うんですけれども。今回の輸出規制っていうのはそれに加えて、やはりグローバルな経済問題。要するに、政治と、それから貿易を、こう結びつける。トランプ流ってのが本当にそうだと思うんですが。それをやってしまうことによって、グローバルにもやはり懸念材料を生み出してしまったということで、それはとても残念なことだと思います。

要旨をまとめると、
・背景には日韓の歴史認識の違いがある。こうした政治問題と貿易という経済問題を結びつけるのはトランプ流のやり方だ。グローバルにも懸念材料を生み出してしまった。

というものです。

しかしながら、
・この問題の背景に歴史認識問題は存在しない。あるのは徴用工問題をはじめとした日韓の信頼関係破たんと危険物品の管理不行き届きによる優遇措置廃止である。
・政治問題と経済を結びつけているという指摘はそもそも事実に基づいておらず、また政治問題が理由で経済制裁などを行うのは国際社会の常識であるためトランプ流だという指摘も事実に基づかない。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での西崎氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

続いて、
③ 番組の最後にて「今週の一枚」について報道された部分
となります。では、放送内容を見ていきましょう。

【コメンテーターの発言】
関口宏氏:今週の一枚は、トランプ大統領の人形。フランスなんですが、ある建築家が、こんなものを作った。(注:川に半分沈みながら手でOKポーズを取るトランプ米大統領の顔がパネルに写されている)これの意味を考えてください。何を意味してるんでしょうね、これ。

寺島実郎氏:いやあ、やっぱり沈みつつあるアメリカってことなんじゃないですか?

関口氏:ああ、そういうことですか。涌井さんなんかどう理解します?

涌井雅之氏:いやあ、まあ、あの、あれですね。とにかく、自分だけを表現したいっていう欲望が見えてきますね。

関口氏:これ、丸印ですからね。なんかね、私は、「お前は黙ってろ!」って言ったらOKって言ったような。

姜尚中氏:あの、願いを込めてじゃないですか?

関口氏:え、どういうことですか?

姜氏:トランプさんが早く沈んでいってほしいっていう。

関口氏:OKって言うのかな。

寺島氏:滅びの色っていうのは明るいもんですよ。笑い転げながら滅びていくものなんですよ。

関口氏:ああ、そうなんですか。まあ、いろんな解釈がありますけど、なんか変な写真ですよね。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の1点です。

1、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っており、ヘイトスピーチの疑いがある。

では、順を追って解説します。

1、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っており、ヘイトスピーチの疑いがある。
今回の放送では、この問題について全体を通して「トランプ米大統領の自分だけを表現したい欲望をよく反映している」「トランプ米大統領には早く沈んでいってほしい」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「トランプ米大統領は極めてビジネスライクなだけだ」「トランプ米対等量はアメリカで高い支持を得ている」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

涌井氏(抜粋):とにかく、自分だけを表現したいっていう欲望が見えてきますね。
関口氏(抜粋):なんかね、私は、「お前は黙ってろ!」って言ったらOKって言ったような。
姜氏(抜粋):あの、願いを込めてじゃないですか?トランプさんが早く沈んでいってほしいっていう。

などと、発言のなかには以下のようにトランプ米大統領への人格否定・個人攻撃が含まれるものが多数見受けられました。こうした発言は明らかにトランプ米大統領へのヘイトスピーチであり、公の電波を使って放送するような内容とは到底言えません。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第1号「公安及び善良な風俗を害しないこと」、同第3号「政治的に公平であること」、ならびに同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では政治的に公平でなかったり、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

① イランがウラン濃縮を再開した件について報道された部分
については前編の報告を、

② 輸出上の優遇措置廃止への韓国の反発について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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