2018年5月13日、サンデーモーニングの報告です。
【VTR】
・金委員長が電撃再訪中
・ポンぺオ長官米朝首脳会談へ自信
・金主席と習氏が親密な会談を行う。
・日中韓会談、各国に温度差あり。
・拉致問題に対して北朝鮮が日本を非難。
VTR後のコメント
寺島氏「ある動きが見えてきたなと非核化に向けてのプロセス。 アメリカサイドはボルトン補佐官が言ってるようにすね、リビア方式ってね、リビアで2003年に行った方式を北朝鮮に当てはめようと完全な非核化っていう意味でね。だけど実はリビア方式っていう言葉こそ、北朝鮮にとっては呪われた言葉でね。カダフィーは核を放棄したからああいう悲惨な最期を遂げたんだってのが、北朝鮮にとってモデルになってるんですよ。ですから段階的にしかも北朝鮮だけの核放棄だけじゃなくて朝鮮半島全体の非核化ってことをやたらに持ち出してきてると、でそうなるとですねトランプのメッセージの中にはね、そのことは出始めてんだけども、在韓米軍の縮小っていうのもひとつの段階的には選択したっていいんじゃないかみたいなことはアメリカを言い始めてみて、そうするとここでも背後に見えてくる中国の不気味な役割ってのを見ておく必要があるんですけども、これでかけうるようにですね、二度目の電撃報酬っていうの金正恩が行ったという。これは背後にある中国にとってみればですね、和戦両様っていうか、これがですね、段階的に核放棄に向かって朝鮮半島から米軍が少しでも引き下がるような状況になればですね、中国にとっては朝鮮半島への影響力の最大化ってのが彼の大きな狙いなわけですから、それもあるんですよね。で仮にですね。ぶち壊れて今再び軍事的な緊張とか衝突なんて言う局面に入ってもね、今度は中国に頼らざるを得ない北朝鮮っていう状況でね。北朝鮮に対する影響力を最大化できるって言うとねこの中国のね、両面を睨んだしたたかな存在感っていうのが朝鮮半島に高まってるんだって見方をしておくべきだと思います。」
大崎氏「本当にこう短い期間でも本当に多くの動き方があって、歴史の転換期にきてるのかなって気がするんですけど、この米朝会談でどんな成果が出るかとかどんな道筋がつくのかってのも全然わからないと思うんですね。だけども私はやっぱりこれから20年30年生次世代を見せたその長期的な視点からその北東アジア地域の安全保障どうするか、経済どうするかっていうふうに考えていくってことが最も重要だと思うので、そういう姿勢、そういう視点でもって日本にも今後の外交、それから交渉を展開してほしいんだと思うので、そういう意味では先週の日中韓の間で関係ちゃんと再構築していこうとならトップレベルと合意されたったら一つ私にはいいんですかなと思いました。」
古田氏「日本は非常に難しい立場だなと思います。今の日中韓の話の中で何度もありましたけれども、日本はその拉致問題のこともきちんと話し合おうという風に提案すると、他の国にしてみれば一番の焦点は核とミサイル、北朝鮮側にしてみれば体制保障と経済支援で、中国もその武力衝突避けたいと思っている。そんな中であの日本が、でもそれを提案すると北朝鮮がそれに激しく反発すると、その中でなかなかこの日本だけがこの会話になったから取り残されてしまうのは本当に心配だと思う。」
涌井氏「この問題の当事者である北朝鮮と韓国そして米国ですね。ところがそういうこの六カ国協議というひとつの前提を見た時に、その4ヶ国の一番の頂点に私は寺島さんがおっしゃたようにいつのまにか中国がいるという構図ができちゃう可能性が高いですね。そうするとですね、はじかれたロシアと日本がどうするのかと。とりわけ日本はですね、そのどういう枠組みの中で拉致問題なんか持ち出しながらどういう外交を展開するかって立ち位置は難しいなあってなっている。一方そのじゃあかつての歴史の中で朝鮮半島と日本の関係を考えた時に日本がどういうその様子にメッセージをじっと拉致問題と合わせて対応するのかってことがいま問われてるじゃないかと思います。それが明確にならないとなかなか拉致問題の解決もね、難しいとこういうふうに考えますね。一方ですね、取引ですからこれは世界観とか哲学でどうも米国はこの問題を解決しようと特に考えてるとはとても思えない。そうすると不可逆的ということを求めながらですね実は一番自分が可逆的である可能性があるんでそこが一番心配であるというのはありますね。 要するに変わってしまうんですよ、米国の政策は。取引の程度によって。そういうことがね一番心配なんですよ。」
松原氏「アメリカがハードルを上げてきてるようだと。北朝鮮との交渉をしたことがあるような日本の元外交官に聞いてもですね、やっぱりテーマを絞らないと難しいと。核、マイノリティー、人権とかですね他にも色々出てしまうとなかなかそれで、六か国協議は上手くいかなかったんだと、だからどれだけ本当絞り込めあるかっていうのが最大のキーなると個人的には思いますね。後日本の立ち位置が出ましたけど確かに難しいと思うんですね。ただ、私この一週間見てものすごく実はチャンスだと思ってるんです。東アジアの外交を構築するというですね、つまり韓国もですね長い目で見て北朝鮮問題を解決するには日本の経済力が必要だという風に踏んで、一種の歴史問題を横に置いてですね、融和的になってる、中国も実は貿易摩擦でアメリカにですねものすごい圧力をかけられていて、だから日本に近づいてきてるわけです。しかも習近平氏の一帯一路構想にも金が足りない。日本に近づきたいと思いから、融和的になっている。北朝鮮もどうなるかわからないけれども動きだしている。日本の外交の成果ということはではなくて環境という面が大きいと思うんですがそれでもですねやっぱり何かを変えられるチャンスが来てるから、これより建設的に動かすということが必要なんですね。」
この発言を最後に次の話題に移りました。
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【VTR】
・柳瀬元秘書官、加計学園と面会
・聞かれなかったから答えなかったと柳瀬氏答弁。
・愛媛県知事のコメント
・与党は幕引きを図る。野党は疑惑が深まったと追求。
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VTR後のコメント
関口氏「何が起きているか世の中の人はわかっているんじゃないですかね。でも証拠が出てこないからなんともできない。」
寺島氏「ことの本質を見失ってはいけないと思うんですね。本質はね、ニュースに官邸主導政治なるもの内閣法改正してまで各官庁の人事をクリックした官邸主導政治の結末っていう。結局、政治と行政の矮小化って問題に、延々と惹き込まれているんです、われわれは。国家戦略特区と言った、一億総活躍と言ったと仰々しい時代主義的なですね、キャッチフレーズのような、ばんっと見えてるんだけどじゃあ例えば今我らが議論してるこの話は国家戦略特区のプロジェクトだってことなんですね。これ10個決めたんですよ、国家戦略特区。その後どうなりましたかと、例えば国家戦略特区ってのは産業の国際競争力を高めるためにですね国家戦略特区をこめて将来の日本人がそれで飯食っていくようなですね大きな構想力を持とうよっていうことで取り組んだはずなんですよ。」
「でそれがね、例えばその知り合いをお友達のプロジェクトに光を当ててですね、獣医学部を新設することが国家戦略特区なんですかって話を我々が突きつけられたらですよ。で我々の時代に生きてる人間の賢さがいま問われてるわけですよ。でそういう文脈でね全てね、この要するに5年間官邸主導政治と言う形で出てきたものについて日本人としてね、しっかりした覚悟を決めて方向感見せないとですね、この種の話にですね言った言わないと、実に名のある意味ではですね、秘書官が官邸で面談してくれるなんてことはありえないのでしょ、普通は。アプローチから言ってですね。そんな事でね、報告もされないままですね、話が動いてたなんていう話でありえないことですね。」
松原氏「関口さんがおっしゃった通り、もうそのニュースとかの一切の主張を見ていた方が感じた通りだと思うんですね。まあそもそも本来自治体が申し込むところなのに応募する制度なのにまず加計に説明してるというですね、説明自体が最初からもう大枠で苦しいわけですね。でもなんでこういうことになってるのかというと元をたどるとやっぱり安倍総理がですね、加計学園の獣医学部の計画を知ったのは去年の1月だと最近だという風に突然説明を変えたことなんですね。なぜ変えたのか、これあの安倍総理も国会で認めてますけども加計孝太郎さんと何回も食事してゴルフもして、ごちそうもされたことがあるとおっしゃってる。だからつまり業者からの接待など禁止する大臣規約があるんですが、これに実は違反してるんじゃないかという指摘もあるんです。だから突然知った時期を変えなきゃいけなかったんじゃないかと。つまり先ほど記憶の調整をしたかしないかという議論がありましたけど、安倍総理が知った時期も調整したんじゃないかというのがずっと出てるわけです。月曜日に集中審議があるわけですから安倍総理はしっかり説明してほしいと思います。」
このコメントを最後に次の話題に移りました。
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【検証部分】
今回の放送の問題点は大きく分けて2点あります。
1点目は、日本政府の外交方針に関して、根拠のない非難が繰り返されていること。
2点目は、加計学園問題関連のコーナーでの各コメンテーターの発言に放送法違反抵触の疑いがあること。
以上の2点です。
古田氏「日本は非常に難しい立場だなと思います。今の日中韓の話の中で何度もありましたけれども、日本はその拉致問題のこともきちんと話し合おうという風に提案すると、他の国にしてみれば一番の焦点は核とミサイル、北朝鮮側にしてみれば体制保障と経済支援で、中国もその武力衝突避けたいと思っている。そんな中であの日本が、でもそれを提案すると北朝鮮がそれに激しく反発すると、その中でなかなかこの日本だけがこの会話になったから取り残されてしまうのは本当に心配だと思う。」
と発言。松原氏は、日本が北朝鮮との関係の中で拉致問題を取り上げてしまうと議論から取り残されてしまうという趣旨の発言をしており、それに対する懸念を表明しています。これは拉致問題を解決することを最優先の課題としている安倍政権の方針について疑問を呈したものでありますが、アメリカ政府やアメリカのトランプ大統領も拉致問題への言及を続けており、国際社会が北朝鮮にたいして問題の解決を求めている最中です。したがって、この問題を取り上げただけでなぜ日本の外交が行き詰ってしまうのかというのには疑問符を付けざるを得ません。
次に2点目についてですが、
まず冒頭、関口氏は
関口氏「何が起きているか世の中の人はわかっているんじゃないですかね。でも証拠が出てこないからなんともできない。」
と発言。この発言からは、今回の問題について、関口氏自身がどのように今回の問題を捉えているのか。対して、世の中の人々がどのようにとらえているのか。いずれもはっきりと口にすることはありませんでしたが、「証拠が出てこないから」という発言からも、関口氏が今回の問題に対して否定的にとらえていることがうかがえます。そもそも、世論調査の結果も出さないままに自らの意見と世論を同一視するのは正しい報道番組のあり方なんでしょうか。それに対して松原氏は肯定的な発言をしました。
また、寺島氏はそもそもこの議論の発端となった国家戦略特区の問題を取り上げ
寺島氏「(中略)キャッチフレーズのような、ばんっと見えてるんだけど、じゃあ例えば今我らが議論してるこの話は国家戦略特区のプロジェクトだってことなんですね。これ10個決めたんですよ、国家戦略特区。その後どうなりましたかと、例えば国家戦略特区ってのは産業の国際競争力を高めるためにですね国家戦略特区をこめて将来の日本人がそれで飯食っていくようなですね大きな構想力を持とうよっていうことで取り組んだはずなんですよ。でそれがね、例えばその知り合いをお友達のプロジェクトに光を当ててですね、獣医学部を新設することが国家戦略特区なんですかって話を我々が突きつけられたらですよ。(以下略)」
と発言。寺島氏は、この国家戦略特区が安倍首相の知り合いのプロジェクトへの支援となっているという趣旨の発言をしていますが、これは1年以上国会等で議論されながらもその根拠ははっきりとしていない問題です。まさに根拠なき発言と言え、放送法違反に抵触する可能性があります。
今回の放送は、放送法第4条2項「政治的に公平であること」、第3項「事実は曲げないで報道すること」に抵触している可能性があります。
今後も監視を続けます。