2018年9月26日 報道ステーション

2018年9月26日 報道ステーション

2018年9月26日、報道ステーションの報告です。
この日、最も多くの時間を割かれた話題は「広島東洋カープ、セ・リーグ優勝」についてでした。
今回は国連総会関連の話題についてお伝えします。
この日、アメリカのトランプ大統領が国連総会で演説しました。
では、内容を詳しく見ていきましょう。

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【スタジオ】
小川彩佳アナ:さあ、変わりまして、続いてのニュースはこちらです。アメリカのトランプ大統領が、ニューヨークで行われている国連総会で、演説しました。この調子なんですが、聞いている側はといえば、こちら。ドイツの外相や国連大使といった皆さんなんですけれども、この、表情。どんな、演説だったんでしょうか。
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【VTR】
ナレーター:国連総会で、各国の首脳らによる一般討論が始まりました。トランプ大統領を目当てに議場は満席です。しかし。本人の姿がありません。結局、次のエクアドルの大統領が先に演説することに。そして30分後。

議席からの声(字幕):OK,Good!

エスピノサ国連総会議長:トランプ大統領下 どうぞ ・・・ 

ナレーター:やっと姿を現しました。去年は、金正恩委員長のことを、ロケットマンと名付けたりと、言いたい放題でしたが、今年はどうだったのでしょうか。

トランプ大統領(字幕):今日は国連総会の場で これまでの大きな進展を皆さんと共有したい 我が政権は2年足らずで 米国史上どの政権よりも多くを成し遂げた アメリカの・・・本当だ 想定外のリアクションだ まあ別に良いけど・・・

ナレーター:いきなりの自画自賛から入り、会場全体を啞然とさせました。ちなみに、ホワイトハウスの書き起こしを見てみると、当該部分には、「笑い」とあります。通常は、「拍手」とかなのですが。本題に戻ります。国内の株価上昇や、雇用創出などを一通り自慢してから、次に触れたのは、北朝鮮についてでした。

トランプ大統領(字幕):ミサイルやロケットは どこにも飛ぶことがなくなった 核実験も止まった 金委員長の勇気と行動に感謝するが まだまだやるべきことは残っている 非核化が実現するまでは 制裁は継続する

ナレーター:今年は、変なあだ名で呼ばず、「金委員長」と敬称を付け、感謝という言葉も使いました。しかし、この後はというと。イランをこき下ろし。

トランプ大統領(字幕):イランの支持者が 混乱 死 破壊の種をまいているのだ

ナレーター:ドイツをあきれさせ。

トランプ大統領(字幕):ドイツはただちに方針転換を図らない限りロシアのエネルギー供給に 完全に依存してしまうだろう

ナレーター:そして最後に、愛国主義を賛美して、まるで、自分の支援者集会のような35分の演説を終えました。

トランプ大統領(字幕):愛国社と国家の情熱こそが 改革や革命 犠牲と無私の念を呼びさまし 科学の発展と芸術創作の源となった

記者(字幕):Q.今日の演説は

トランプ大統領(字幕):とてもうまくいったし反応も良かった

記者(字幕):Q.笑いが起きていましたが

トランプ大統領(字幕):よかったじゃないか 笑いを取るつもりだった

ナレーター:この日は、安倍総理の演説もありました。

安倍首相:向こう3年、日本のかじ取りを続けることとなった私は、連続6度目となります本討論に思いを新たに臨みます。

ナレーター:今回の演説は、所信表明のような感じでした。

安倍首相:私は自らにドライブをかけ、さらに遠方を目指します。私は今、ウラジーミル・プーチン大統領と共に、70年以上動かなかった膠着を動かそうとしています。私も、北朝鮮との相互不信の殻を破り、新たなスタートを切って金正恩委員長と直接向き合う用意があります。

ナレーター:日本時間のあす未明には、トランプ大統領との首脳会談が控えています。アメリカに対しては。

安倍首相:ウィンウィン。そんな関係を私は日米の間で続けていきたいと思っています。

ナレーター:首脳会談では、通商、特にアメリカ産牛肉などの関税についてがテーマになります。それを意識してなのか。

柊知一郎記者:雨が激しく降っています。安倍総理が今、店内に向かって歩いています。昨日の夜も、ステーキハウスでの食事でした。

ナレーター:総理は、ニューヨーク到着以来、3夜連続で夕食はステーキでした。

新谷時子記者:昨日、総理が召し上がったものと、同じステーキを用意してもらいました。うん、うん。

ステーキ店オーナー(字幕):(総理は)店を出るときに「最高の食事だった」と言ってくれた 彼はステーキが好きなのです

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【スタジオ】
富川悠太アナ:3日連続ステーキっていうのも何かこう、通商協議に関わっているような。

小川アナ:どうなんでしょうね。

富川アナ:気になってしまいますね。

小川アナ:このタイミングですからね。あの、トランプ大統領の演説は、もうまるで支持者集会のようだったようですね。

後藤謙次氏:そうですね、トランプ大統領。まさに国連は相手にしてないぞ。まさにアメリカなんだということを強調したい、そんな演説ですよね。この国連総会での一般討論演説ってのは、アメリカが2番目に演説をする。これは長く続いた慣例なんですね。それをあえて、知りながら遅刻したっていうところに、トランプ大統領の、ある種挑戦するという、そんな意識が伝わってきますよね。一方、安倍総理は、この演説の中で、自由貿易の騎手だと。トランプ大統領と若干違うニュアンスを出してるんですが、基本はトランプ大統領と歩調を合わせていこうと。現に中国はですね、トランプ大統領とガチンコをやっていてですね、国内的にも非常に厳しい状況に追い込まれてる。
ただここにきて、トランプ大統領がですね、中間選挙を控えて、出せるものは出せと。非常に強気に出てきたんですね。これは安倍総理がどうかわしていくのか。非常に厳しい状況に来てるんだと思いますね。で、今日の国連総会で、我々に見えてきたのは、トランプ大統領対、国際社会。こういう構図があるんだと思いますね。で、日本の政府関係者の一人はですね、来年のG7にはトランプ大統領は現れないんじゃないかと。そんな懸念もあると。つまり安倍総理は、トランプ大統領と国際社会の間でどうバランスをとっていくのか。非常に難しい立ち位置が求められていると思いますね。

富川アナ:さあ、そして

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【検証部分】
今回の放送の問題点は、トランプ大統領の演説を放映するVTRの中で、放送法違反に抵触する可能性がある箇所があったことです。

この日の放送では、演説をしたトランプ大統領だけでなく、その演説を聞く聴衆たちの表情なども映し出されました。
まず、ご紹介したいのはこのコーナーの冒頭部分です。

小川彩佳アナ:さあ、変わりまして、続いてのニュースはこちらです(中略)この調子なんですが、聞いている側はといえば、こちら。ドイツの外相や国連大使といった皆さんなんですけれども、この、表情。どんな、演説だったんでしょうか。
この箇所では、薄ら笑いを浮かべるドイツ代表団の表情をフリップで出しながら、トランプ氏の演説について触れていました。
また、他の箇所でもトランプ氏の発言を遮る形でナレーターがコメントを入れていきました。
ナレーター:いきなりの自画自賛から入り、会場全体を啞然とさせました。ちなみに、ホワイトハウスの書き起こしを見てみると、当該部分には、「笑い」とあります。通常は、「拍手」とかなのですが。
ナレーター:ドイツをあきれさせ。
ナレーター:そして最後に、愛国主義を賛美して、まるで、自分の支援者集会のような35分の演説を終えました。
このように今回は、コーナーの冒頭から画像や音声を使ってトランプ大統領を揶揄する放送を続けたのが特徴と言えます。
後藤氏がスタジオでのコメントでも触れたように、今回のトランプ大統領の演説が「いかに常道から外れていたか」を強調したいがために様々な編集が行われていたように思いました。
確かにトランプ大統領が異色のアメリカ大統領であることは間違いありません。しかし、それをいたずらに際立たせ、印象操作ともとられかねないほど過激な編集を行ってまで、視聴者にそのような印象を与えること自体は事実を伝える報道機関としてあるべき姿なのでしょうか。

今回の放送は放送法第4条2項「政治的に公平であること」に抵触している可能性があります。

今後も監視を続けます。

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